ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

カルメン事始め

2009年03月12日 11時47分00秒 | 音楽・アート
先日NHKのBSで録画しておいた、
カラヤン指揮、ウィーンフィル演奏の歌劇「カルメン」を
先日やっと見終わりました。
若き日のカラヤンが、彼独特の
目を閉じたままの端正な指揮で繰り出す、
ドラマチックで情熱的なカルメン。

大体の展開は知っていたけれど、
このオペラを最後まで見たのは初めて。
あれもこれも、カルメンの曲だったとは、と驚くほど
なじみのあるメロディーのオンパレードで
我が身の無知には、恥じ入るばかり。

でも、スペインを象徴するようなこれらのメロディーの生みの親、
ビゼーは、実は一度もスペインに行ったことがないのだとか。
時に想像力は、本物よりも本物の核心に迫ることがあるのかしら。



そしてこれが、カルメンの胸元を飾り、
ドン・ホセを誘惑する時に投げつけた花、カシア。
オペラや映画では赤いバラが使われることが多くて、
実際、カルメンといえば赤いバラのイメージだけど、
原作では、シナモンの仲間の、この黄色の小花。

バラよりは、はるかに地味だけれど、
野生的で、生命力にあふれた太陽の色のこの花は
枯れても強い香りを放つと言われていて、
それを思うと、自由で放埓なジプシーの血を持ち
死んでなお、ホセを惑わすカルメンにはふさわしいのかも。

ラジオ講座の「カルメンを読む」も
いよいよドン・ホセがカルメンに篭絡され、
これから破滅への道にまっしぐら、というあたり。

3ヵ月後に佐渡裕さんがこの物語を、
どんなオペラにして見せてくれるのか楽しみにしながら、
わたしも勉強を続けていくことにしよう。

コメント (2)
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