きばなの硝子瓶

呑兵衛夫婦の日々の食卓

一度きりの大泉の話

2022-06-27 | 本と映画の話
いろんな意味で、とても面白かった

あわせて読んだのは...........



「花の24年組」ってのは知ってるけど
「大泉サロン」なんて知らなかった

萩尾望都さん、もちろん知ってはいるが

「ポーの一族」が連載されてる頃は
あたしはまだ小学生で...........

読んでいたマンガ本は「なかよし」と「りぼん」
なので、ちょっと「お姉さん」のマンガだった
だから、あんまり知らない

中学生は、マンガ本より「スクリーン」とか
映画のほうに興味がシフトしていたし
高校生の頃は「別冊マーガレット」をたまに

「王家の紋章」だけ読みたくて
「花とゆめ」?だったかを買っていたけど
それもさすがに途中で挫折し(笑)
その後は、少女漫画を読むこともなくなった

だから、この「大泉の話」なぞ知る由もないし
竹宮さんは、「きのう何たべた?」の中で
「ジルベール」が出てくるから、それで
はじめて知ったくらいで...........


萩尾さんにすると、辛く悲しい想い出の
ようだけど、あたしはこれもひとつの
大切な「青春物語」だと思った

若いころを思い出した

ひとそれぞれ
過去にはいろんなものを置いてきてる

楽しく幸せなこと、身を切るような
辛く苦しいこと、死んでしまいたいくらい
恥ずかしく後悔してること、いろいろ

そして怒りも



それにしても、当時のマンガ家さんて
とくに女性マンガ家さん達って
本当に大変だったんだな~と思った

編集者っていうのが、これほどまでに
創作に介入してくるのかって、驚いた

しかも、当時「少女漫画」を牛耳ってた
のは「おっさん」だったんだから........


ま~男性も大変そうだけど



同時期にこっちも読んだ



今はどうか知らないけど
当時は、ずいぶん「北海道出身」の
マンガ家さんが多かったんだな

知らなかった、山岸さんもだし

そういえば高校生のころ
クラスメートのお姉さんがデビューして
びっくりしたことを思い出した

たぶん別冊マーガレットだったと思うけど
デビュー作は読んだ記憶がある

あれからどうしたのかな


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家族

2022-06-23 | 本と映画の話
だいぶ前に読んだんだけど


このカテゴリで書くの、久しぶりだな
毎日の料理記事だけでイッパイイッパイで
そのほかの書きたい記事まで、手が回らない

この著者は本来は翻訳家で
何冊か読んだことがある

ほかに自伝的なものも書いていて
「兄の終い」なんかも面白かった



面白かったと言うには
不謹慎な内容なんだけども


今回は彼女の「家族」について
綴った作品..........

かなり機能不全な家族で
それでもやっぱり家族で

せつなく苦しい内容だった

とくに母親との関係が身につまされた

親子ってなんだろ、兄弟ってなんだろ
家族ってなんなんだろうな

そのまえに、夫婦ってなにさ?


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一条さゆり

2021-08-16 | 本と映画の話
ひさびさに、このカテゴリーで書くな

料理やつぶやき以外で、本や映画やドラマや歌や趣味なんかでも
いろいろと書きたいことがイッパ~イあるんだけど、無理だ無理すぎる

それでもこれだけは記録しておきたく、寝る前に書いている




評伝・伝記ものは好物だ

とくに同性である女性ものが心に沁みとおってくる

このドキュメンタリーは、何年も前から買いたくて狙っていたものだけど
ぜんぜん値下がりせず、それどころが上がっていく一方で数万円なんてのも珍しくない

出版は20年も前なんだけども

今回たまたま、アマゾンで2千円台をみつけたので即ゲットした
届いてみたら、サイン本で(小畑さんへって書いてあった)
作者が触った本だと思ったら、なおさら臨場感が出た



いやはや、すごい本だった

読み応えがあるなんて~もんじゃなかった

「一条さゆり」とは、歴史に残るストリッパーで
あたしも名前だけは知っていたし、火をつけられて大火傷したってニュースは
なんとなく記憶に残っている、でも知識としてはそれくらいしかなかった

父のいっこ上の、昭和12年生まれの人で60歳で亡くなっている
父が亡くなる数年前だ、そんなことも読んでいて臨場感を誘った



嘘に嘘を重ねた、言ってみれば病的な虚言癖であった一条の
最晩年を一緒に過ごした著者は、一条の死後、自分に語られたことが
すべて嘘だったことに愕然としショックを受けるが、そこから年月をかけ
一条にかかわった人々を丹念に取材し、自分なりの考察を積みあげ再構築していく

一条の負の部分に目を背けることなく、世間の評価とは違う事実を正直に暴き
ときには、利用し搾取するだけだった人々の、面の皮を剥がすように論破しぶった切る

そして最後は、これ以上ない愛情で彼女をみおくっていた

すばらしい評伝だった

評伝とはこうあるべきだ、という本だった

読み終わって2日経つが、ショックから抜け出せない自分がいる

すごい本だった、値が上がるも頷ける本だった

ちなみに、日活ロマンポルノはまだ怖くて見ていない







この本の前に、宮尾登美子の評伝である「綴る女・林真理子」を読んだが
ま~ひどいものだった、大御所がこんな粗末なもん書いちゃダメだと思う

ましてや、尊敬し親しくしていた作家なら尚更だ

ゴシップとしては面白かったが、内容は薄ペラッのペラだ、これは評伝ではない、
宮尾氏はもちろんのこと、インタビューした瀬戸内氏などにも失礼だと思う

古本で安く買ったからいいようなもんの、定価で買ってたら慰謝料もんだ

こんなものを書かなければならないくらい、お金に困っているのだろうか
好きなエッセイや小説があるだけに、非常に落胆したし悲しかった

もっと真面目に書きなさい、と偉そうにも言いたくなった


宮尾氏の評伝は、きっと今頃「だれか」が丹念に取材し
書いているんじゃないかと、密かに夢想している

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評伝もの

2020-06-11 | 本と映画の話
以前から好きだけど、ここんとこ選んで買っているところがある

1人の人物を追う長編から、複数を追う短編集やら

短編では「追憶の作家たち」っていうのが、とても面白かった
宮田毬栄さんという、ベテランの編集者だった方のようだ

担当した作家たちとの追憶や述懐などを、愛情をもって書いている
清張、西條、埴谷、島尾、石川、大岡、日野.............

個人的には、埴谷雄高、大岡昇平あたりが興味深かった
この方たちは、ファンである武田百合子の伴侶である武田泰淳と
深く親交のあった方たちで、泰淳亡きあとも百合子さんを支えてくれた

とくに百合子さん亡きあと、埴谷さんはどうしていたんだろか、と気になっていたから
その最晩年の様子が書かれていて、とても胸が痛んだ、長生きも辛いなと思った

余談だけど、興味のあった「ある編集者」との確執も書かれていて、そこも面白かった



長編で面白かったのは、沢木耕太郎の「壇」

「火宅の人」の壇一雄の妻、つまり壇ふみさんの母の視点で書かれたものだけど
とてもかわっていて、普通のノンフィクというより本人語りの小説仕立てになっている

読みやすいので、ぐんぐんいっきに読んでしまった


それにしても、伴侶の心が他人へ向き、自分が疎まれる事ほど辛いこともない
なのに行くところもなければ食べていく手立てもなく、幼い子供達がいる

もうがんじがらめだ

それだけでも地獄なのに、そのことを周辺に知られるだけでは留まらず
小説として世間に発表され、しかも嘘や湾曲された「自分」が描かれている

ひどすぎる、いくら「小説家の妻」だからってあんまりだ
いくら愛情が薄れたからといって、伴侶にここまでするだろうか

それでも最後は戻ってきて、妻の腕の中であの世へと旅立っていく
なんだこれは、って感じだけど、妻は愛情いっぱいなんだな、憐れんでるんだ

あたしは、ここまで「母親のような」愛情を夫にはかけられないな、かけたくない
なぜなら母親なんかじゃないから、すごくいや、これも世代の違いなんだろうか



コロナ渦のなか、また下世話な不倫騒動、内容はゲスゲスだ

いいとしぶっこいた大人がするような内容じゃないわ、貧相すぎる
不倫の仕方にも、その人の品性がでるもんだな~とつくづく思う

こんなとき、世間の同情は妻へと流れるけれど、それも辛いもんだよね
同情され憐れまれ、自分の選んだ男がB級品だと可哀そがられる、その惨めさたるや

浮気相手と同列に並ばされ、「妻として女として」とことん夫から侮辱されたうえに
世間から「同情」というセカンドレイプにあう、その屈辱たるや、酷いもんだわ

壇ヨソ子さんも渦中のとき、そういう世間の目に晒されるのが辛かったと書いていた

今回は杏ちゃんよりひどい内容、ほとんど性処理のような浮気だから(本当なら)
本気も辛いけど、こ~いうのはもっとキツイは、妻(女)としては...............

アパや車中と同レベル、しみったれた浮気だわ、今度は多目的トイレって呼ばれるのかな

もうトイレに食リポはムリだと思う、店も嫌がると思う

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浮草

2019-05-15 | 本と映画の話

※YouTube

今年はずっと「京マチ子と若尾文子」祭りだった、あたしの中では

浮草、夜の蝶、赤線地帯、は録画を消さずにとっておいてある




おふたりとも「ものすごく」美しい、令和には存在しない美しさ
尋常じゃないのはドアップになったときの美しさ、ものすごい

特殊メイクとCG加工なしで、ドアップに耐えられる女優なんて今いるだろか
肌も髪もきったないもんね~よく見たら、バラエティのときガッカリするもん



京マチ子さんは、この浮草の前後、たぶん30代前半?くらいが
絶頂に美しいと思う、色気が宝石みたい、人間じゃないみたい



数々のすばらしい作品を残してくださり、本当にありがとうございました



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ダンサー・イン・ザ・ダーク

2019-05-11 | 本と映画の話
                   

※映画予告

話には知ってたけど、はじめて見た

ビョークの歌は、「不思議なメロディーライン」って印象だけだったけど
この映画をみて、耳にのこり心にのこり頭の中にこびりついてしまった

日本人に似た風貌も、魅惑的な声も、白痴的な表情も、みんなこびりついた

すごいな~さすが世界的に影響を及ぼしてる人だなって、思った



物語は悲しい、悲しいとは聞いてたから意外ではなかった
それより、ビョークの恐怖の演技がこわかった、心底こわかった

ドヌーヴが霞んでいた



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万引き家族・・・本

2019-03-04 | 本と映画の話

是枝監督の本は、よくある脚本をなぞったもんじゃなく
描かれてない部分を肉付けして書いてあるから、より面白い

「歩いても歩いても」や「海よりもまだ深く」も愛読書だから
きっとこれも面白いだろうと読んだけど、期待を裏切らなかった



映画をみて、いちばん引っかかっていた場面は
「おばあちゃんと亜紀」の末路だ..........

亜紀はおばあちゃんにとって、むかし夫を寝とった愛人の孫だけど
家出しておばあちゃんと暮らすようになった...............

家族のなかに居場所がなかった亜紀は、赤の他人のおばあちゃんに
自分の拠り所をみつけ、無気力ながらも精神のバランスを保っていた

すべてが明るみになったとき、おばあちゃんが亜紀の家族から
金銭をうけとっていた事実を知って、ショックをうける

でも亜紀の父親が、妻に咎められながらも金銭を渡していたのは
両親にかわっての贖罪の気持ちからで、亜紀には関係ない

だから誤解なんだけど、おばあちゃんが亜紀を「復讐」の駒に使っていたのは
すくなくとも事の始まりはそうだったわけだから(本には書いてある).......

誤解であって誤解ではない なるほど納得

このへんが、映画の中では描かれていなかったので「?」だったんだけど
本を読んで、ま~ま~納得したから良かった................

そんな部分が他にも数か所あり、映画と本、両方楽しんだ方が「より」面白い


ちなみに「万引き家族」って、坂口安吾の短編にもあるけど、そっからとったんだろうか


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れんげ荘

2019-02-27 | 本と映画の話

ほんわかしたくて


映画の「かもめ食堂」や「パンとスープとネコ日和」系のは好きだけど
考えたら原作もんは読んでなかったな~と、群さんの本をめくってみた


がんばってお金を貯めて、40すぎになって実家からボロアパートへ引っ越した
遅咲きの自立......とここまでは普通だけど、こっからがメルヘン........

なんと一生働かない宣言、月10万で暮らすという(東京で)
それも心豊かに...........

いやむりだって

だけど案外ボロアパートの描写はリアルで、梅雨の猛烈な湿気やカビ
猛暑や冬の極寒、壁の薄さ隙間風...............

ん~、あたしは無理かなぁ、とくに梅雨と夏は


それにしても群さんだから、主人公は「小林聡美さん」になるし
お隣の住人は「もたいさん」しか思い浮かばない、それしかありえない





ついでにほんわかしたくて、専門チャンネルでやってた「昨日、悲別で」もみる
題名は知ってたけど見たことはなかった、ちょうどアタシと同年代の物語だった

悲別ってのは架空の町で上砂川あたりの廃れた炭鉱町、それと東京を舞台にしている

バブル直前ってのもあって、懐かしい雰囲気があり面白かったけど
高校時代の回想シーンにはちょっと、いやこれは違うんじゃない?って感じ

あまりにも昔っぽいっていうか芋っぽい(笑)、いくら田舎だってさ~これは酷すぎる
たしかに雪の日は、セーラー服に赤い長靴はいてたけどさ、カーリーヘアーもしてたけど

とくに男子がダサすぎる、同級生はもっとオシャレだったよ~(上砂川は違ったのか?)

22才の別れとか、昔のいい曲が流れるんだけど、なかでも五輪真弓さんが良かった
聞いたことない曲だったけど、いま聞いてもほんといい声してるよな~

なんで見なくなったんだろ









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アラベスク

2019-01-18 | 本と映画の話

むしょ~に漫画が読みたくなったんで、子供のころ連載していた
山岸せんせ~の「アラベスク」を大人買い.................

読んだことなかったもんで

1970年代初頭の作品だから、時代設定はかなり古いし
後年のテレプシコーラと違って、どっぷり「お少女マンガ」

それでも面白く読めるんだから、さすが山岸せんせ~だ
かなりのメルヘンなのに、画力と知識でぐんぐん読ませる


テレプシコーラを全巻よんだ時もだったけど

山岸バレエ漫画を読むと、ユーチューブで32回転(黒鳥)を
何回も見てしまい(いろんな人の)、上手い人のでは感動して泣く

というのを繰り返している



ついでにおっかないのも買った、はやく読みたい


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カメラを止めるな!

2019-01-15 | 本と映画の話

くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~っ

おもっきり思惑にひっかかった!

くそ面白かった

くっそぉぉぉぉぉ~


まずは辛抱して見つづけること、席を立たないこと


あ~おなかよじれた


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嫌われ松子の一年

2019-01-10 | 本と映画の話


「嫌われ松子の一生」を演じた、中谷美紀さんの撮影日記

すごく面白かった

この映画はとても好きで、何回目かを見たあとに
これを読んだもんだから、なおさら面白かった

※以前書いた、嫌われ松子の一生のブログ記事

映画の撮影は大変なものだとは聞いてるけど、ほんとうに凄いものだな
しかもあの監督とバトルまでして撮影するんだから..............

日記には書かれてないけど、本番に臨むまでにはあらゆることを検討し
練習し訓練しリハーサルを繰り返して、それから臨む、それも何度も

気が遠くなる


あのシーンの前にはこんなことが、この後にはこんなことが
そう思ってまた観ると、今までとは違うものに気づくかも

また見よっと


日記を読んで気づいたけど、あるアパートの場面は「あざみ野で撮影」と書かれていた
あざみ野は以前6年ほど住んでいた町、撮影は引っ越す前だとは思うけどビックリした

そう思ってみると、なんか見たことある気がする(外観もだとすればだけど)
もう一回よ~っく見てみよう...............


ちなみに「自虐の詩」の日記の文庫も買った

あとで読む


余談だけど、ナカタニさんってお料理上手なんだな、料理本もだしてほしい



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モリのいる場所

2019-01-09 | 本と映画の話
                 

※公式サイト


おもったとおり、すきな映画だった

ところどころ「これいる?」って場面もあったけど
そのせいで力がぬけ、世界観が強調されたような、気もする


好きな場面は前半に多かった、つまり朝から午前のはやいうち








庭と一体化するモリ、だいどこと食卓のシーン、面白いし美味しそうだし

無言で食事するとこがいい

TVもついてないから銘々が一生懸命「食べること」に集中してるし、銘々が自分の世界にはいってる

希林さんが、もぐもぐ食べながらふっと視線を庭にむけて
自然の光や音や風なんかを、愛でたり聴いたり感じたりしてて
とても気持ちよさそうな顔を一瞬する、美味しそうな顔

なんか懐かしい感じがした、むかしはこ~やって食べてた気がする
とくに朝はこ~やって食べてた、TVなんかついてなかった




この湯呑っ! すぐわかったっ、これって船橋駅裏の、古くて小さな金物屋にあった!
たぶん蓋つきの湯のみだと思う、同柄の急須とセットんなって窓際に並べてあった

古道具屋じゃないと思うけど、価値がわかってんのかけっこ~な値をつけていたんで
毎朝ウォーキングで通るたんび、汚れたガラスを覗きこんでは諦めていたっけ

あぁぁ~やっぱケチらないで買っときゃよかった

たしか映画は昭和49年のある夏の日、って設定なんだけど
同じような時期の「時間ですよ」にも、こんな細長い湯のみが登場してて
そうだったなぁ~むかしはこんな湯呑が普通だったなぁ~と思っていた

これからは、欲しいと思ったら迷わず買うぞ(お値段にもよるけど)

それにしても、船橋ってとこはお宝の宝庫だったな(遠い目)


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ほんのきもち

2019-01-03 | 本と映画の話

ことしの手帖は、小さめのノートくらいので赤いチェック柄にした

きまぐれB型の無精者なので、細かく書き込む月もあれば
何ヶ月も、ほとんど真っ白ってページが続くときもある

おおまかな日々の記録、保存食作りの記録、頂き物、買い物の記録などなど

それからガスぬきで、「きばな黒日記」を書き込んだりもする
書くことでストレス発散してるので、当然たのしい内容ではない

情けないことに、ことし一発目の元旦の夜も、鬱々と悲しみを書き殴っていた



泣いて泣いて泣きまくって、顔が被れ喉が荒れ鼻の粘膜の爛れが日常化したころ、涙が枯れた
涙が枯れて気がついたけど、泣いてるうちはまだ楽だったのだ、泣くことによって膿が出せたから

涙が枯れたからって哀しくなくなったわけじゃない、悲しいとか寂しいとかって言葉とも違うような
味わったことのない痛みが鳩尾に巣食って、硬い岩石となって周りの肉をえぐり続ける...........

家の中のどこを見ても何をしていても何を思っても、すべて1点のことに繋がってしまう
しかも泣けないもんだから、フツフツと煮つまるように濃厚な痛みが蓄積されていく

地獄

頭がぼんやりする、水の中に潜ってるような着ぐるみを着ているような
それでもこの苦痛は幸福の代償なんだから、がんばらないといかん!と

それでも、あ~だめかもしんないあたし、って内心かなり焦ってきていた
こんな地獄、いつまで続ければいいんだとか、本当に抜け出せるのか?とか

絶望感でいっぱい



だから気分転換をいろいろと試していた、思い出さないような映画を観たり、手先を動かすようなことしたり
本も休みなく読む、こわ~いホラー本や、エッセイ本、ほんわか優しい気持ちになるようなもの.........

この「ほんのきもち」は、まず大好きな木皿泉さんも文章をよせていたから目についた
それに装丁もすてき、グリーンが微量にまじったような水色に、白と黄色のイラスト
文章にあわせたイラストもあったかくて良かった...................

これは「小さな贈り物」について、それぞれが文章を綴っているものだけど(漫画もある)
にんまりしたり、わかるな~と思ったり、贈る贈られるの難しさが語られていたり
ずっと探していたゼリーの製造元の住所がぐうぜん判明したりと、なかなか面白く

寝る前に2~3人ぶん「ちびちび」読み繋いでいて、元旦の晩は最後の1人だった

で、それを読む前に「黒日記」を書き殴っていた、ってところに繋がる
すっかり気が塞ぎ、気分転換に最後のエッセイを読もうとページをめくった

それは、北海道出身の作家「乾ルカ」さんの、「天使の名前の犬のこと」

「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」というどっかの伯爵さまみたいな
長い名がつく犬種の「ガブリエル」と、家族にまつわるお話だった...........

生後二ヶ月で飼われてからすぐに風邪をひかせてしまった時のこと、トイレの躾に悩んだすえ
やっと犬の気持ちに気づいたこと、どれだけ家族の慰めになってきたかってエピソードの数々

このあたりで結末が予想でき、これは今いちばん読んじゃいけない話だって気づいたけど
なぜか読むのが止められず、胸が締め付けられるような思いで、最後のお別れの場面まで進む

生き物を飼って見送った人間ならば、誰でも経験するであろう、ひとつの命の歴史
どんな動物でもみな同じなんだな~と思ったし、見送ったあとの飼い主の気持ちも同じ

乾いた心でますます悲しみに沈んでいったんだけど、最後のページをめくって呼吸が止まる
その短い一文にガ~ンとなった、スコ~ンと頭蓋骨に穴が開いて新鮮な空気が入ってきたかんじ

そしたら久しぶりに涙が止めどもなく出てきた、お湯がでてきて止まらなかった


だけどそんなんで急に気持ちが切り替わるわけでもないし、明日になったら
また心が変わってるかもしれないけど、すくなくともその時は(書いてる今も)

もしかして何時か抜け出せるかもしらん、って希望が沸いてきた
それくらい、あたしの脳味噌にはなかった考え方を教えてもらった


心変わりしないよう願いをこめて、最後の文章と心を射抜かれた締めの一文を書き写します





「乾ルカ・天使の名前の犬のこと」・・・(ほんのきもち・より)



~中略~


ガブリエルは形あるものを何も残さなかった。

けれども、いろんな物を私たち家族に贈ってくれた。

手を焼かせてくれた。困らせてくれた。心配させてくれた。
それ以上に笑わせてくれた。慰めてくれた。優しい時間をくれた。

そして最後に、いまだかつて味わったことのない悲しみをくれた。

悲しいというのは、裏を返せば素晴らしいことだと思う。
ガブリエルと過ごした時間が、取るに足りないものだったとしたら、
悲しくなんてならない。悲しみの深さは幸せの証だ。

ガブリエルがいたおよそ十四年の間、私は確かに幸福だったのだ。
ガブリエルが贈ってくれた、形のない贈り物。どれも宝物だ。

でも、もしもその中から、一番大事にしたいものはなにかと問われたならば。



ならば、私は悲しみと答える。




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フジコ

2018-12-07 | 本と映画の話

ドラマを一挙にみる、あ~おもしろかった
で思い出したけど、原作を読むのを忘れていた

慌てて、続編と合わせアマゾンする

※ドラマ公式サイト


全編とおして登場する曲があるんだけど、耳から離れない、つい歌ってしまう

そしてズンと気分が落ちる

※夢見るシャンソン人形

オリジナルを聞くと楽しい曲だけど、歌詞は怖い

ドラマん中では、もの悲し~旋律で歌われている


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家族熱

2018-08-20 | 本と映画の話

読む本がなくなって、本棚を漁っていたら「向田邦子原作・家族熱」が出てくる
読んでなかった、読むのを忘れていたらしい、買って10年以上は経つのに

これは向田さん没後、彼女の脚本を別の人が小説化したものだが(ほかにも沢山ある)
家族熱はドラマの再放送でも見たことがない、ぜんぜん知らないお話だった

ドラマを調べたら、この役は絶対に加藤治子さんだろうな、と思っていたらドンピシャだった
でもあとの配役のイメージは全然ちがってたけど.......................


ついでにわかったのは、つい最近、今年の5~6月に二人芝居(ミムラ)で上演されていた
ドラマの数年後って設定らしいが、面白そうだな~、ルリ子さんよりミムラちゃんのほうが合っている

この本を読んで思ったのは、かなり「しつこい」なってこと

今までの向田脚本なら、ここで終わるだろうってクライマックが何度もある
なのに終わらず、また二転三転するっていうか、ずるずる引きずるっていうか

かなりのドロドロ感だ、ねばっこい、湿り気があって曲がっている
なかなか面白かった、だけどしばらくこの手の話はいいや





面白かったついでに、先週放送された「満願シリーズ」は大変おもしろかった
知らなかったな~読んだことない作家さんだった、あとで買って読もう

3話の中で、「夜警」の安田ちゃんがダントツで良かった、すごく良かった
おっとともども、見終わったあと「うまいうますぎる」って感動してしまった

いや~、うまかった
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