きばなの硝子瓶

呑兵衛夫婦の日々の食卓

美しき町

2018-06-12 | 本と映画の話

                      

今週の「日々ごはん」を読んだら、この短編を読んだと書いてあった

これは「棒がいっぽん」というコミックの中の一篇で
高野さんのなかで、いちばん好きなお話かもしれない


ここへ越してきた1週間後の晩、やっと荷物がすべて片付いて
自分の定位置にお布団が敷けた(それまでは段ボールの隙間)

やれやれと横になって枕元の灯りだけにする、みんな眠ってる

枕の横の本棚に、ちょうど「棒がいっぽん」と「黄色い本」が並んでいて
迷わずあたしは「棒が~」を抜きとって、「美しき町」を読みだした


時代は高度成長期あたりだろうか、どこか田舎の工場町
そこの社宅でささやかな新婚生活を送る、若夫婦が主人公

あるとき、考えの違いから隣人のいやがらせを受け
徹夜で、組合の名簿を作成しなければならなくなった

パソコンやプリンターのない時代、夫婦二人三脚でがんばる
そして最後の一枚が刷りあがったのは、明け方..................

インクの匂いがする部屋で、ホットミルクとクラッカーで一息つく夫婦
開け放した玄関ドアからは、工場が見える、モーターやブザーの音が聞こえる



「たとえば三十年たったあとで、今の、こうしたことを思い出したりするのかしら」
「子供がいて、大人になって、またふたりになって、思い出したりするのかしら」

とふたりそれぞれに、心のなかで思っている.......ってところで終わる


あ~よくわかる、こんなふうに思うときあるな
なんどもあったし、これからもあるのかなって

はじめて読んだときも思ったし、そのときの晩も「今夜のことも」って思った
いろいろ辛かったけど、無事に着地できてその夜は心が満たされていたから

だけど高山さんは違うふうな感想だったらしい、物語というのは面白いものだな


この物語のなかで、いちばん好きなシーンはここだ



裏山にのぼって「我が町」を眺めて日曜日をすごす

他の人達は、電車にのって賑やかな隣町へいき
ショッピングしたりして、騒がしく休日を過ごす

だけどこのふたりにはあわず

おにぎりもって、山をよじ登り(自分たちなりの道すじで)
いい風にふかれながら、町と緑と空を眺める........



そう!これなのよ、あたしの理想の「マニアックドライヴ」はっ
山をよじ登りたいって意味じゃなくて、こ~いうふうに楽しみたいわけ

観光地とか流行とか買物とか、そんなふうに人の流れに流されるんじゃなくて

なんちゅ~か

うまく言えないけど、こんなふに人生を楽しみたいな~と常日ごろ思うわけ

これを読むと、毎回「背筋がのびる」のだ


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万引き家族

2018-06-10 | 本と映画の話

さっそく見てきた

予想どおり、おっとは寝てしまってたけど(笑)
あたしは期待どおり楽しめた..............

あたしの好き系、おかえり監督って感じだった
樹木さんの暗い目も良かったし、子役もよかった

セットの汚い部屋のなかも圧巻、よく出来ていた


見ている途中から、この家族の性質には気づいてくるけれど
ラストまで見ても、そうハッキリとそれぞれの事情を明白に
説明してくれるわけでもなく、気持ちよくオチがつくわけでもない

家族が分解した、それから?ってとこでバツッと終わる


ただ心無い人間、そして行政には政治家には総理大臣には
ひとの気持ちはわからない、見えないものがわからない

声にならない本当の言葉は、こいつらには聞こえまい

ってことだけは、明白に描いていたように思う



   ・・・



残念だったのが~劇場の古さ

スクリーンが小さくて画像の悪いこと
音も空調も悪いし、椅子はガタガタだった

もうあの映画館にはいきたくない
映画が可哀そうだった...........


   ・・・


日差しは強いけど風はつめたく気持ちいい
更年期ばぁの汗っかきには爽やかだった

地下鉄にのって、とっとと新さっぽろへ戻ってくる
開高へいって、味噌ラーメンと豚丼のセットを食べた




これはおっとの食べた「赤味噌」のほう
あたしは「白味噌」を、どっちも美味しかった

丼は「ハーフ」なんだけど、あたしには多くて「ご飯」をかなり残す
失敗した~、「ごはんは半分に」って言えばよかった~もったいない


イオンスーパーがある同じエリアに、いろんな食材の店を発見する
いつもはこんなとこ歩かないから気づかなかった............

「久世福商店」ってとこは、小さいけど欲しかったものが売っていた
とりあえず、本枯れ鰹節や善光寺の七味、気仙沼の焼き海苔を買う

たすかった~、本枯れはお取り寄せするか、大通りのデパ地下へ
行って買うしかないのかな~って、面倒に思ってたからホッとした

その近くには、船橋でも利用してた「ジュピター」もある!
あぁ~よかった、外国食材はどこで買ったらいいのか困ってたから
利用しなれた店があると本当にうれしい、大きな収穫だ

その周辺には肉屋や魚屋もあったし、あ~よかった本当にうれしいなぁ
と安堵しつつ、バスんのって帰宅する(歩け)...............


駅周辺というか隣接してる商業施設が、新札幌の場合ちと複雑で困っている
まず1つではなく、3つ?4つ?の名の違うビルがくっ付き合っている

どれもが通路で繋がっていて行き来できるのだけど............
まだ把握していない新参者には、それが迷路のようでチンプンカンプン

正直おっとが一緒じゃなければ、表にも出られないと思うくらいチンプン
迷ったらとにかく1階を目指そう、そして表にでて深呼吸しよう

札幌の地下街は延々と繋がっている、だからこんな感じで出来ちゃうのかな


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グレイテスト・ショーマン

2018-02-20 | 本と映画の話


★オフィシャルサイト

星5つ! ものすごく良かったっ!

週末に見てきたけど、圧倒されて鳥肌たってるうちに終わったって感じ

【ぜひぜひ】劇場でみるべき映画だ


前作の「ラララランド」には正直がっかりしてたから
これもかも?と恐る恐る見にいったんだけど.........

もう素晴らしいっ!

いつもより大きく音響も良いとこでみたせいもあるけど
大迫力のミュージカル、数千円で見れるんだから大安売りだ

音楽も演出も素晴らしかったけど、あたしが何より目を奪われたのは
華麗な「映像美」、とにかく色彩が豊かで夢のある舞台..........

さすが「美女と野獣チーム」と組んだだけはある

おっとも泣いていたし、あたしも家だったら号泣してたくらいストーリーも良かったし
舞台だったら拍手して声だして、スタンディングオベーションした出来だった

実際やりそうになった、でも、あっやべ、ここは映画館だった.....って(笑)

これはぜひとも「音響のいい映画館」で見るべきだ、ちなみに100円高いだけ


ラララなんてもんを話題にして、こっちが評価されなかったら
間違いなくアメリカの映画界は腐ってる............


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デトロイト

2018-01-28 | 本と映画の話

※公式HP


評判がよかったので、朝イチの映画館でみてきた

すごく面白かったし、映画館でみたほうが絶対にイイ~映画だった


それにしても、あたしが生まれた頃のアメリカは
こんなふうだったんだ、と思ったらガッカリする

俺の肌は何色だ?って質問に、皮肉で「イエロー」と答えてて
その和訳が「卑怯者」だった、つまり当時も今も日本人は卑怯者

黄色人種も、とくに日本人も当時はひどい差別を受けていたんだろうな


長い上映だったけど、あっというまに終わった






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新 感染

2018-01-28 | 本と映画の話

※公式HP


あ~おもしろかったっ



はじめは、なぁ~んだ、またゾンビ映画か~とガッカリしてたんだけど
見てるうちにどんどん惹きこまれる........................

あいかわらず韓国のアジョシたちはカッコい~し
スピード感はあるし恐怖感や緊迫感も超満点

そして涙涙

韓国は~、おじさんと女の子を描くのが妙にうまい


途中から前のめりんなって、ぎゃ~ぎゃ~叫びながら手に汗にぎり
合間においおい泣き、やっちまえ~っと野次を飛ばし.........

そしてラストは泣き崩れる

ま~よくできてる映画だった


酔いもまわり、ものすごく疲れたから寝た






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阿修羅のごとく

2018-01-10 | 本と映画の話

40年ちかく前に放送されたNHKのを、やっと見ることができた

パート1とパート2

いま見てもぜんぜん古くない、すごく面白かった
みんな若くて綺麗で色っぽいし.............

原作は愛読書だし映画も見てるけど、やっぱりコレが見たかったから

あの独特の音楽、トルコの軍隊歌? あれもいいよなぁ~緊張感が高まって





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無限の住人

2018-01-05 | 本と映画の話

原作を読んでないから解んないんだけど
話の続きが突飛だったり、中途半端っていうか

もったいない


時代劇のキムタクって好きなんだよな

現代劇でやらされている「キムタク臭」がないし
殺陣もうまいし、着物やカツラも似合ってて男っぷりがいい

着物のさばき方なんてなかなかなものだ..............
袖のなかに入れた両手を、バッと左右に引っ張って肩の皺をのばし
サッと立って襟元を整えてるとこなんか、なんども再生しちまった


なんだかんだ言っても、キムタクって演技が上手いよ
なのにTVの現代劇では、すっかりそこを殺される

キムタクれぇ~す、ってな役回りばっかで可哀そうだよ(今放送中のCMも)


「殺陣」に重きを置いてるんだろうけど
もっとコミカルな部分も多くしてほしかったな

コミカルな演技はキムタクも上手いし、花ちゃんも上手そう
そうしたら、殺陣のシーンももっと生きたような気がする

話ももっとグロくてよかったと思うし(おこちゃますぎる)

殺陣ばっかで、血糊の連続で、ちょっと疲れた


欲求不満になったので「原作」を大人買いする

はやく読みたい




キムタクの一番すきな役

※世にも奇妙な物語より「言葉のない部屋」

これが忘れられない

もうキムタクに「キムタク」をやらすのは止めてやれ
アイドルファンだけにターゲットを絞るのも止めてやれ

アイドルなんて何時までやらすんだよ

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海底47m

2018-01-05 | 本と映画の話

近所の映画館でやってなかったから、DVD化を待っていた


好きなんだよね、こ~いうの.........
これはやっぱり大画面でみたほうが良かったな

好きな内容なんだけど、話がハンパでもったいなかった

サメか傷みか窒息か酸素酔いの幻覚か、どれかに絞れば良かったのに


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浮世女房洒落日記

2017-12-24 | 本と映画の話
                   

日記文学がすき、「富士日記」とか「日々ごはん」とか

浮世女房洒落日記は小説で完全なる創作だけど、いやに臨場感がある

なんてことない江戸は市井の女の日記が、やけにおもしろい

作者を検索して誤解に気づく、お名前から男性だと思っていたら
「のぼり」と読む女流作家だった、どうりで...............


日記を読むのは好きだけど、書く方は苦手だ

せいぜい手帖に覚書を書き殴るくらいが精一杯で
それすら書き忘れ、あとで困ること多々........

それでも無いと困るから、来年の手帖を新調しようとして
「日記帳」を買ってしまった、大きめの手帖サイズだけど(18×12)

 ※届いてみたら、まさに単行本サイズだった

しかも古風に縦書きの



これだと料理の覚書もたっぷりと書けるし
ここには書けないことも(笑)たっぷり書ける

縦書きが何より好ましい

続くだろうか? でも元旦から使うのが楽しみ


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しゃぼん玉

2017-12-16 | 本と映画の話
               

※公式サイト

乃南アサの原作を読もうと思ったら、すでに映画化、しかもDVD化
なので本はやめて、DVDを借りてみる....................

おもしろかった





お料理もおいしそうだった

猪の味噌焼きも、焼酎のお湯わりも、でっかいおにぎりも

宮崎の山里の、景色もすばらしかった


原作を読んでないから解んないけど
もっと掘り下げても良かったきがする

若干、かるく終わっちゃったかな?って物足りなさもある

しかし悦子の「おとぼけ演技」は相変わらずよかった
すっとんきょんな演技っていうか、それが妙にリアルなんだよな

原作は、お正月に読もうかな


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人生フルーツ★居酒屋ばぁば

2017-12-14 | 本と映画の話
             

※人生フルーツ・・・公式サイト


有名なので知っていたし、そのうち本も読んでみたいなとか
ご主人は亡くなったようだなとか、それくらいの認知はあったけど
この映画をみて、はじめてお二人の人となりに触れる...........

なるほど、みんなが尊敬するのも頷ける

大きな平屋で、夫婦なかよく淡々と日常を送るなんて、まさに私達の憧れの暮らしだ

定年が現実味を帯びてきた今、老後、っていう文字には溜息と恐れしか感じなかった
でもこのドキュメンタリーを見てすごく元気をもらった、それから御指南して頂いた

畑や実のなる樹の世話は無理だけど、堆肥づくりも無理だけど、障子の張替えも無理だけど
ごはん仕度ならあたしも負けないぞ、夫婦仲良くも負けないぞ、独りになっても頑張るぞ

そして、画面上に次々とあらわれる料理の数々、食卓を囲むお二人のすがた
陰膳を一生懸命こしらえ続ける意味、残りの人生ひとりで生きていくということ

本当に勉強になった、また一人、お手本となる女性の先輩に出会う


どうしても記録しときたく、無断転載おゆるしを



















ご主人さいごのすがた



英子さん、おひとりの暮らしがはじまる



陰膳




柔らかいおかゆ、ご主人ごのみのおかず

ご主人の好物は「じゃがいも」だった、大好きなコロッケを陰膳に拵える英子さん
ご本人は、「じゃがいも」が唯一苦手な野菜なんだそうだ................





いっときは、畑も料理もなおざりになっていたようだが(あたりまえだ)
だんだんと、2人で暮らしてきたリズムに戻っていったよう.........

いつものように食事をこしらえ、ご主人がやっていたことを自分でやり
つくづく1人では半人前と思いながらも、一生懸命なぞっているようだった

以前のように暮らすことによって、辛さを耐えようとしているのか
あたしも独りになったとき、【そこ】に掴まろうと思っているので
そのための「今」なんだと生きているけど、間違ってなかったようだ

それでも、当たり前だが昔にはもどらない

台風がきて庭の木々が折れたけど、自分ではどしようもない
ご近所に迷惑がかかってはと心配になり、業者に刈ってもらう

そのさい刈り落とした枝で、大切にしていた水盤が割れてしまった



それに気づいた娘さんが、悲しみのあまりぼやく
それを優しく諫める母親の英子さん................

好いことだけを考えて、悪いことは言わないの
しょうがないよ、歳をとればヒビも入るよ

そう言って聞かせる英子さんの顔は、悲しみで押しつぶされていた
自分も「いく道だ」と思いながら、切なくて涙がとまらない


いちばん好きだったシーンは、はじめのほうのここ




どうやら枝に頭をひっかけてケガをしたようだ、それを必死で助ける英子さん

80才90才になったとき、こんなふうに2人で暮らせていたら幸せだな
そのごの地獄も立派に耐えきって、生ききってみせる..................

幸せに感謝しないと罰があたるもん、と思いを新たにした

ご主人がお元気だったころ、夫を幸せにしないと自分も幸せにならない...............
みたいなことも言っていて、自分もいつもそう思っているから、なんだかすごく嬉しかった

夫に無関心で関係ないわって妻がたまにいるが、いろいろ事情はあるにしても
夫がコケたら自分も子供もコケルのに、そのことに気づいてないのか?と呆れる

手を離した殺伐とした夫婦関係、つながってない家族、荒涼とした食卓、冷えきった居間
あ~やだやだ、いちばん生きたくない人生、自分のことだけを考える人生なんて貧しすぎる







続けて、樹木希林さんとの女子会をみた(樹木希林の居酒屋ばぁば)

英子さんはじめての居酒屋デビュー、初々しくて微笑ましい
呑めないと言いつつ、ビールやお酒を舐め話がはずむ




お料理の美味しそうな居酒屋さんだった

翌日は英子さんちへ希林さんが.........




すっかり仲良しになったようで、手を繋ぎながら室内を見てまわっていた

希林さんが語る「かぞくのはなし」もなかなか面白かったし
2人で語る同世代の話も興味深くて面白かった...........

英子さんが、「昔は食べられなくて死んだけど、今は有り余る食材があって
その中から何が安全かを選ばないとならない」みたいなことを言ったら

希林さんが、「安全というより美味しくないの、それが今の人は解らなくなってる
自分も含めて舌も脳もボケてる、そうすると次世代の子供達も解らなくなる」
というような意味のことを返していた.......................

まったくもって同感であります


あ~面白かった


そんで、いちばんお料理が載ってそうな本を注文しちまった



はやく届かないかなぁ


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ミニヤコンカ

2017-12-08 | 本と映画の話
               

【ミニヤコンカ】は、中華人民共和国四川省カンゼ・チベット族自治州に位置する大雪山脈の最高峰

7556m


80年代初頭、その山に挑んだものの仲間を失い、それでも生還した2人の記録

遭難の時系列としては「生と死のミニャ・コンガ」が先で、その翌年に「ミニヤコンカ奇跡の生還」

でも本は、「ミニヤコンカ奇跡の生還」が生還後数年で書かれたものに対し
「生と死のミニャ・コンガ」は、20年近く経ってから書かれたものなので

内容には温度差がある


目の前で仲間が一瞬にして死んでいく
手足を腐らせながら、這うように山を下る

順調に登っているときは、山の厳しい気象ですら楽しげだけど
ひとたび躓くと、猛烈な苦界へと変貌する恐ろしさ..........

山が牙をむく

そんな登山の魅力と恐怖もさることながら

あたしは今回、この2冊の海外遠征のプロセスを読んで
え~っと思うくらい「安直」なもんなんだなと驚いた

もう40年ちかく過去の話だから、現在は違うかもだけど
少なくとも当時は、バラバラの寄せ集めで考えもバラバラ

団結が薄いまま、極地で命をかけた団体行動を共にするなんて
いくらプロ集団とはいえ、軽薄な行動にしか素人にはみえない

そこが一番「恐ろしい」と思った

気象条件とか運とか何とかって以前に、「誰」と組むか?で
その時点ですでに、結果が出ているようにみえてしょうがない



あ~疲れた

しばらく山も中国もチベットもいいや

おなかいっぱい




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ショートショート木皿劇場・・・「道草」

2017-12-07 | 本と映画の話

               
               

※NHK・BSプレミアムにて放送(2回)・公式サイト

あぶないあぶない、見逃すとこだった

9日と16日の深夜、2回放送するみたいだ
これは読んだことないから、楽しみだな

だけど、来年新春の「富士ファミリー」はないみたい

ざんね~ん



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お引っ越し

2017-12-05 | 本と映画の話

嫌な話を書く人だとは、小耳にはさんでいたけれど
読むのは初めてだった、本当に鳥肌系だった

お話自体は思っていたよりライトだった
でも要所要所で「ザワザワ」毛穴を立たせる

短編集のようで、1つの長編になっているところも面白いし



「おひっこし」って題材は、身につまされる

なので妙にリアルで恐ろしい、自分の経験と綯交ぜにして読むから

室内に残された「前入居者たちの痕跡」とか
暮らしてみないと解らない「欠点や不具合」とか
隣人たちの「不快な生活音や不可解な言動」とか

その他、ひっこしに纏わるもろもろの全て
煩わしく疲労困憊する、あらゆる雑事の全て

そして「不慣れが原因」の違和感と不安の数々.........
そんなものをフツフツと蘇らせながら読んでいたので

とっても疲れた

鳥肌たつし



   ・・・



独身のころの1人暮らしも含めると、「DVか?」って隣人に遭遇すること数回
どこの部屋か解らなかったけど、「幼児虐待か?」って経験も数回ある

だけど、迷いに迷ったすえ通報できなかった

確信もてなかったし、110番なんか怖くて押せない

おっとに相談したって「警察へ通報しろ」と吐き捨てるように言うだけで
まったく味方にもなってくれないし、悩みに共感してくれる「そぶり」もない

そんなことが簡単にできれば、相談なんかしていない

こんな経験を重ねていくと、「夫は助けてくれない、ただの役立たず」
そう妻たちが思うのは当然だと思う、無駄だから本音なんか話さなくなる

なんの役にも立たないうえに、傷つけられ不愉快になるだけだもの
息子なんかいたら、ほんとに要らなくなるよね、うらやましい


転勤族の妻をやり、北海道から関東を流浪しているけれど
おっとの他に家族のいないあたしは、殆どが「独りぼっち」だ

社交術は人並み以上に身についてるんだけど、本当は酷い人見知りで
人付き合いも苦手だから、引っ越し先で「友人」を作ろうとは思わない

だから殆ど独りぼっちだ

それは寂しいどころか、シガラミから逃れられてとても快適なんだけど
なにか問題が起きたときには、この「甘美な孤独」が凶器へと変貌する

上に書いたように、そんなときの「夫族」は「毒」にしかならないから
独りで解決するしかない、上京もうすぐ丸17年、かなり精神的スキルはついた

一昔前、これを「オバタリアン化」と呼んだ


うるさいわっぼけっ



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おちる

2017-11-26 | 本と映画の話

小説と映画で、続けて「おちる」ものを読んで見た

人間がどんどん「底辺社会」に落ちていく物語



小説・絶叫



母親との葛藤から、歪んだ思考をもったまま進んでいくと
こ~なるのかな~って感じ、他人事ではない「ある女」の話

「絶叫」なんてタイトルだから、もっとエグイと思っていたのに
内容は想像してたよりソフトだし、終盤の「神代殺し」に至る
理由づけも曖昧だし、全体的に絶叫しなきゃなんないほどの
緊迫感も痛みも希薄でドッチラケ、最後のオチは面白かったけど

あと、女がどうやったら「まっさら」に戻れるのか
戸籍とかいろいろ、なんか勉強になった



映画・予告犯



就職した先が不幸だった、っていうのもあるけれど...............

苦労したであろう育ちにも関わらず、「汚い現実」から隔離されてきた教育によってなのか
絶望的に空気が読めず、己の位置関係も見えず、駆け引きもできず、ゆえに手酷い仕打ちを受ける

言ってみれば、子供が「いきなり」最前線の戦地に放り込まれている状態

これは映画だから大袈裟だけど、「ゆとり世代」って多かれ少なかれ
こんな目にあってるのかな、むごいな可哀そうに、って思った

養育って、実戦にでられるように「大人」にする、ってことなのにね

脇の俳優陣に演技力があったから、なかなか面白かった



映画・東京難民



ある日とつぜん、ホームレスになったらどうなるか?って現実的な話

父親の経済力のうえに成り立っていた、お気楽な学生生活だけど
それが断ち切られたとき、瞬時にホームレスとなり果てる恐ろしさ

どうやって雨風しのぎ、己の口を養っていけばいいのか
すごく現実的に描いてあったから、勉強になったマジで

ネカフェどころか漫画喫茶も入ったことないから、勉強になった(笑)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ぜんぜん余談だけど

「絶叫」の主人公は、途中で「保険のおばちゃん」を仕事に選ぶんだけど
そのクダリを読んでいてひとつ思い出したことがあった...............

あれはたしか、保険金殺人や保険金詐欺で金儲けしていた女の犯罪だったが
明るみにでたキッカケが、カレーに毒をもって近隣住民を殺害した事件だった

むごたらしい嫌な事件だったけど、そのあと、友人知人たちが
こぞって「保険のおばちゃん」になったのには、心底ゾッとした

どういう意味があるんだろう? 今でもわからない


おちるっていや~お相撲、も~ニュースみるのも嫌
本当の力士なぞ、もう存在しないのかもしれない

おちていく土俵

関係ないけどイケノボ~、あのメイクはギャクなのか?
よくオジサンが宴会芸のとき、あ~ゆ~メイクしてるけど

ウケ狙いなのか?そう信じたい



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