「エゾエンゴサク」
野に出て春を感じる花はエゾノリュウキンカやカタクリ、オオバナノエンレイソウなど何点かがありますが、春の庶民派の花と言えば何といっても「エゾエンゴサク」の花でしょう。
早春にはエゾエンゴサクは背丈が低いうちから花が付き咲かせますので、しまりがあって可愛い姿でカメラに納まり良く撮れます。
その点、襟裳岬では風が強いためか、エンゴサクも小型で、季節が遅れて咲きますので、枯草の茎を避けながら撮影にも力が入ります。
都会近郊のエゾエンゴサクと背丈や咲く時期の違い、花の色を較べるのも楽しみです。
季節が進むと背丈が伸びてカメラにおさまり悪くなります。この時は花びらを中心にした撮影がよいでしょう。
昔からエゾエンゴサクの個体数が多かったからでしょうか、現在でも郊外に出ると広い範囲に群落をつくっています。
カメラ仲間に撮影場所など伺うと、いろいろな場所を教えてもらうことが出来ます。
この花はケシ科です。ケシ科の植物は山菜として食べられませんが、エゾエンゴサクだけは食べることが出来ます。
カムイラビットは何点か花を摘み取ってきてコップにさし、春を楽しませてもらっていますが、ついでに毎年わずかですが、みそ汁の具として食べさせてもらっています。本にはお浸しとしても食べられると書かれています。
このような綺麗な花を摘み多量に食べるのは罪に等しい。わずかそおつと頂くような自然への心遣いが欲しい。
この植物の花の色ですが、多くは綺麗なブルー色なのですが、中には真っ白の花を咲かせたり、濃い紫の花、茶色っぽい花を咲かせたりします。
{エゾエンゴサクの食べ方}
春から初夏にかけて、花茎の伸びたものを摘む。花もそのまま利用できる。
さっとゆがいておひたしやあえもの、酢のものとする。あくも癖も無い。椀たねとして緑を楽しむ。夏に塊茎を掘り取る。十分水にさらした後、餅について食用とする。(「食べられる山野草」主婦と生活社より引用)