エゾシカの魅力 旅人を喜ばせる
道東を旅していた時、エゾシカを野山に見付けて「あそこに、あれこちらにも、あれあれ群がってシカがいるよ!」と感激するラビ妻を見て、「自然のシカは観光に大きく貢献しているのだな」と思います。
ハート形の湖「豊似湖(白い恋人の広告で知られていますが)」に行った時も、ラビ妻はエゾシカを見付けては「あすこにシカがいる!」と大発見したかのようにカムイラビットに教えます。こちらは曲がりくねった細道の運転なので、よそ見も出来ず「うん、うん」とうなづくだけですが、ラビ妻から見ればシカを見付けた事は自慢となり、自然の中に自分が守られている感じとなり嬉しくてたまらないようすなのです。
豊似湖
豊似湖
支笏湖畔を国道の冬道を通ると、山の食べる草が雪に覆われ、道端の雪の消えた所の草を求めてシカが多く出て来ていました。当時はシカの被害も問題視されていない時でしたので、シカを何頭見付けるか競って数えたものですが、近年はエゾ鹿が増えて、農業・林業などに害を与えて問題となっています。
留辺蘂(現北見市)の「滝の湯」の姉の家に寄らせてもらった時には、道沿いに高い金網が張られシカの作物の食害から守る対策がいつの間にかされるようになっていました。農家の畑が網により守られてから姉の家の庭はシカの食害にあって、農家の人にシカの被害を訴えた所、家のまわりに無償で網を張ってくれて、いつの間にか姉夫婦は網の囲みの中での生活になっていました。
全道各地ではシカの食害が問題となり、深刻化して来ました。今では何百頭ものシカが駆除されるようになりました。
えりものある筋の人の話では、カムイラビットの「刺殺したシカはどの様に使われる?」の質問に驚く答えが返って来ました「利用するのはシカ肉だけであとはすべて廃棄します」というのです。毛皮も角も加工して使わないようなのです。自然の動物の命を戴くのなら、とことんすべての部分の利用がなされるべきなのではないかと思われるのです。
シカの刺殺される数相応の対策(加工場など)が先に立てられるべきであったのであろうと思われます。
刺殺されても肉の処理までの時間が問題なので、山奥で刺殺されたものは肉に利用されないようなのです。
「エゾシカによる交通事故」も増えています。事故に合わぬよう、シカの習性をよく知って置くことが必要です。事故に合うと車の破損につながりますのでシカが居る所では運転は慎重に行いましょう。
◎ エゾシカによる交通事故の多い月は、1、10月 2、11月 3、4月 4、3月 5、7月 の順となっています。
秋や春にはシカによる交通事故が多く発生しています。
◎ 夜明けや夕方に行動が活発になります。
◎ 林を通り抜ける道路は特に気をつけましょう。
◎ 道路でシカを見かけたらすぐ減速しましょう。
◎ 夜にもシカによる事故が起こります。ヘッドライトがあたると目が青白に光ります。用心、用心。
◎ 群れで行動することが多く、一頭が渡ると次から次に飛び出してくることがあります。
◎ 舗装道路ではシカの動きが鈍くなります。アスファルトは滑りやすく転倒することがあるのです。