昨日は友人のTMさんとPさんと一緒に、ヒューマントラストシネマ有楽町で上映中の映画「教育と愛国」を見てきました。
「軍国主義へと流れた戦前の反省から、戦後の教育は政治と常に一線を画してきたが、昨今この流れは大きく変わりつつある。2006年に第一次安倍政権下で教育基本法が改変され、「愛国心」条項が戦後初めて盛り込まれた。
2014年。その基準が見直されて以降、「教育改革」「教育再生」の名の下、目に見えない力を増していく教科書検定制度。政治介入ともいえる状況の中で繰り広げられる出版社と執筆者の攻防はいま現在も続く。
本作は、歴史の記述をきっかけに倒産に追い込まれた大手教科書出版社の元編集者や、保守系の政治家が薦める教科書の執筆者などへのインタビュー、新しく採用が始まった教科書を使う学校や、慰安婦問題など加害の歴史を教える教師・研究する大学教授へのバッシング、さらには日本学術会議任命拒否問題など、⼤阪・毎⽇放送(MBS)で20年以上にわたって教育現場を取材してきた斉加尚代ディレクターが、「教育と政治」の関係を見つめながら最新の教育事情を記録した。」(公式サイト・イントロダクションより)
第一次安倍政権誕生以降今日までの十数年間、安倍流「愛国心」が、取り巻きによる「歴史改ざん発言」「ヘイトスピーチ」等とタッグを組んで、どのように教育の場に巧みに、あるいは力づくで介入してきたかが、実に明快に、筋道だって描かれています。
夫々の場面は、その都度私たちがリアルタイムに目撃し、「なんだかな~」と思いながら、有効な手立てをとれぬまま、流されて既成事実化させてまった事ばかりで、今更のように後悔に似た苦い思いがこみ上げてきました。
救いと言えば、この映画が今大ヒットしていて、昨日私たちが見た時間帯も上映2時間前には満席になる盛況だったということ。
映画自体の完成度が高く、一見の価値があるということもありますが、この映画が描き伝えている問題意識を共有する人が多い証ともいえそうです。
この映画を観ようというエネルギーが、リアルな政治や社会の健全化に繋がることを願ってやみません。
重い映画を見た後は、映画館のある「イトシア」ビル内のカフェ「ダッキーダック」で、美味しいコーヒーと巨大モンブランを味わいながら、しばし気の置けないおしゃべりをして、よりよい未来のための(?)エネルギー補給をしました。(三女)