常々、ボーっとしているので
見たいと思った映画もよく、見逃してしまう。
9月末ごろ、そんな映画のひとつを、
WOWOWの番組表で見つけた。
http://bd-dvd.sonypictures.jp/capote/から
2006年、ロードショー。
『カポーティ』
2007年、劇中、作家が書いている
『冷血』を読み、ますます見逃したことが
悔やまれてた映画。
カポーティに扮し、この映画でアカデミー主演男優賞に輝いた
フィリップ・シーモア・ホフマンは、
私には、『リプリー』でセレブな友を殺した主人公を追い詰め、
そして殺される被害者の旧友・悪友役フレディの印象が強い俳優さん。
フレディは磊落そうな笑顔の下で貧しいリプリーが
自分達の世界に近づこうとするのを決して許そうとしなかった。
小説から作られた『リプリー』と
実際の事件から書かれた『冷血』の創作過程を
映画化した『カポーティ』。
その二つには、犯人が貧しく、しかも
自分が属する社会的な層の中に甘んじられず
苦しむ人間であった、
・・・という共通点がある。
www.news.janjan.jp/ 「カポーティ」より
そんなことを強く感じたのは、
この映画でも、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる
カポーティが、容疑者の一人ペリー・スミスに何かしらの
シンパシーを感じ、そしてその信頼を得ながら、
その信頼を維持し話しを聞きだす為に、偽りを言ったり
自身の焦燥感などから、面会を辞め手を引いてしまう
という、別の世界に住む人間の冷たさを見せたから。
いったい、病んでいるのは、冷酷だったのは、
どちら側の人間だったのか。。。
しかも、カポーティが決して強者だったわけでも
幸せを掴んだわけでもない。
だた、こうした交流の結果、
こういう作家が著した『冷血』が世にでたのだ。
・・・過去の映画とはいえ、これ以上はネタバレになるので
やめておこう。
小説『冷血』が冷静な語り口で凄惨な事件から、
何か人間として心にとどめておきたい物を
伝えてくれたのに比べ映画は、かなしくて
冷たい、イタイものが心に残った。
アカデミー5部門にノミネートされた映画は
主人公の他、「良い絵は点一つでも、余分がない」
といわれるように、キャラクターがみな活き活きしていた。
カポーティは特異なだけにもの真似は難しくないだろうけど
フィリップ・シーモア・ホフマンという個性的な俳優さんが
すぐにカポーティそのものに思えてきたし
重要な容疑者のペリー・スミス役のクリフトン・コリンズ・Jr は
複雑な内面を感じさせる目が、演技とは思えなかった。
画面も薄っぺらなところがなく、美しかった。
映画の良さが、逆に観た後の辛さを深くしているのか。。。
同じ作者の『ティファニーで朝食を』の暗さが苦手で、
嫌いな映画の1つだけれど、
それに比べるときれいごとに作り上げていない
この映画は、苦手だけれどTVでとはいえ、
見る事ができて、良かったと思う。
◇ ◇ ◇
見逃した映画、2つ目は・・・
『食べて、祈って、恋をして』
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22780/#から
予告を見て、観るつもり満々だったのに
今頃気がつくなんて・・・
(pinさんいいなぁ。観られて。)
これは、映画館の大画面で観たかった。
関東以北では、11月上映も???
んー。さすがにそこまで観に行きたいと思わないけれど
どこかで上映しているのに・・・と思うと、
しばらく心中穏やかでない日が続きそう。