唐橋東詰めを南に少し下ったところに
写真のような立派な門構えを持つ
『旅亭 臨湖庵』があった。
瀬田城址にあって、石垣にも歴史が感じられ、
独自に創られた庭園が、瀬田城の庭園であった
とうわさされたのも、うなずける佇まい。
料理は、京会席の一品だし。
写真:「旅ぷらざ」より転用
今年、『旅亭 臨湖庵』は幕を閉じた。
近くにいながら、値段と敷居が高く、とうとう一度しか入らなかった。
中の造作もお庭もその時、よく拝見しておけばよかった。
9階建てのマンションの建築説明会が自治会館で行なわれた。
道から木戸を通して見えていた茶室を持つ美しい庭園や木々の一部・
建物は早々と姿を消して、ほんの一部の木々が囲いから顔を出している。
ところが、ここしばらく動きがない。
瀬田城址の埋蔵文化財調査が入っているらしい。
残された木々は成り行きを見守っている。
願わくばマンションが建った時にも、今ある木々は
同じ場所から木漏れ日と安らぎを与えてくれていますように。
彼らは、人間の言葉こそ話さないけれど、全身からメッセージを発していると思うし、そのメッセージが胸に届いてしまうと、簡単に伐ったり殺したりはできないと思うのだけれど。
遠い北の国からですけれど私も、その場所でずっと生きてきた木々たちが、これからもずっとそこで生きてゆけますように、願っています。
「八百万の神々」を敬った時代の日本人の方が生き物としての知恵があるように思います。
子供の時、柳の木が切り倒されそうになるとたたりがあって・・・というお話を聞いたことがあります。
そういう畏れも必要じゃないかとも思います。
本当に、残るといいんですけど。