JAZZ最中

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トラキアを知る Thrace Sunday Morning Sessions

2018-12-05 08:40:03 | チェロ無難


このCDが中古屋さんにあって面白そうと思っていたけれど、結構お高い。(2350円)。見るたびに考えてたらなんといつものショップで廉価であった。(1,800円)
ジャン=ギアン・ケラスというチェリストは知っているけれど、これは純クラシックではなくてトラキア地方の古楽器とその地に伝わる音楽と現代音楽との融合といいうことになるのでしょうか。
地方も楽器も良くわからないのでちょっと調べました。
まずトラキア地方はバルカン半島、トルコのヨーロッパ部分、ブルガリアとギリシャの部分からなる歴史的地方。
楽器のほうはチェロはご存じだけれど、あとは「リラ」と「ザルブ/ダフ」

まずメロディを弓で弾く「リラ」



形と弾き方から古楽器のガンバに似ているように思う。

シェミラーニ兄弟が弾くのは打楽器の「ザルブ/ダフ」

ダブはこれは太鼓アルバムに付いていた写真と借りてきたもの


ザルブの方は韓国のチャンゴに似た形



CDジャケを大きくしたのがあって、そこに映っているのがありました。



2016年にこのメンバーで来日、この音楽を演奏したようです。



でCDの方は出だし、民族音楽かと思っているとこれは現代音楽という方がいい。難解ではないけれど、きちんと楽譜になっているだろう曲。ただ楽器が慣れ親しんだものとちょっと違う。
こちらはチェロ興味で買っているからそちらを追っかければ確かにチェロの音。
張りのある男っぽい音のチェロメロディも出てきて、良く聞くチェロ小品とはちと違うがそれも面白い。
すべてそのような曲からなっているかというと、作曲者不詳となっているのはどうやらその地方に伝わる曲のようで、こちらはその地方の部分、チェロは調律を替えずに弾いているのかが気になります。
シェミラーニ兄弟のパーカションの即興があったり、ピッチカートとリズムだけの曲があったりで結構エキサイトで面白い。

伝統音楽と現代音楽二つがうまい具合に一つのところに並べられた感じだけれど、もっと言うと現代の国とはべつに伝統の地方があってそちらもいきいきとつながっているようで聴きごたえのあるアルバムでした。

Thrace Sunday Morning Sessions

ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
ソクラティス・シノプロス(リラ)
ケイヴァン・シェミラーニ&ビヤン・シェミラーニ(ザルブ/ダフ)

2015年9-10月 Rec

【曲目】
フランク・ルリシュ:ハムサ
S. シノプロス:ニハーヴェント・セマーイー
ルトスワフスキ:ザッハー変奏曲
オスタド・モハメアド・レザ・ロフティ:ザブリとシュスタリ
作曲者不詳(伝承曲/アラビアの歌):Visite nocturne
作曲者不詳(伝承曲):私が鳥だったら
作曲者不詳(ギリシャの結婚の歌ほか):日曜日の朝
シェミラーニ兄弟:Dast e Kyan(即興演奏)
イェルク・ヴィトマン:デジタル・エチュード(2015)
作曲者不詳(バルカンの伝承曲):ハサピコ
ロス・ダリー:カルシラマ
トラキアの伝統音楽:7/8 のダンス

コメント
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