棚から古いCDを持ってきて聞いた。
スペインのベーシストで、Miguel Chastangという人のアルバム。この人のアルバムも結構よかったのだけれど、昨年70歳でなくなったようだ。今回聞いているのがこちらのアルバムでこれも良い。聞いていてピアノが良いので誰かと思ったら、Larry Willisという人だった。早速サブスクできいてみたら素敵なのがあったので注文したのが今回のアルバム。
この方も2019年に76歳で亡くなっていた。1枚この人のアルバムを持っていたような気がしたけれど、なかったからきちんと聞くのは今回が初めて。この人、ジャッキー・マクリーンのところからスタートして、ロックバンドのBSTのところでも7年弾いていたらしい。
このアルバムは、この人のラスト・アルバム、亡くなる1か月前2019年9月の録音。
1曲目、ペットとアルトのクインテットで軽快なバップという感じでもちろん難しいジャズにしない。Jeremy Peltのぺっとのソロが良いし、Victor Lewisのドラムスもとてもうまいタイミングで音を入れる。ローレンス・ウィリスのために各プレーヤーの気遣いが伝わる演奏という感じ。
2曲目ウイリスのソロが素晴らしい、ここから1か月でなくなるなんて信じられない、生き生きとした演奏。アルトのJoe Fordという人はウイリスと過去に共演が多かったそうで、やはり力の入ったソロを聞かせる。
3曲目はピアノ・トリオでベースのBlake Meister のソロのあと落ち着いたバラッド、このピアニスト、ゆったりしたバラッド・プレーがとても美しいフレーズになる。
4曲目クインテットは消しって2019年のナウでなないのかもしれないけれどそこはかとないこの時代でも今というような新鮮な雰囲気だ。
5曲目アルトが抜けたカルテットでのバラッド、この達人みたいなピアニストがいう”The Meaning of the Blues”というのがぴったりで、これを聴いてアルバムを注文した。
6曲目はトリオ演奏、この人余韻の残し方もうまいと思う。だから聞いていてうまいのだけれど、たぶんごり押しして前に出るようなタイプではなかったのだろうな。
7曲目は再びすべてが揃って”Climax”でまるでライヴ会場にいる感じもするエンディングの感じ。
そしてアンコールと思われるのが Willisのピアノ・ソロ。
”I Fall in Love Too Easily”でこれは、きっとこのピアニストが最後の残しておきたいような、語りの演奏のようで、ある意味悟りのような伝承の演奏になっている。
ということで素敵なピアノなんだけれど、出会うのが遅かった。良いものにちょっと遅れても出会えりことは素晴らしい。これでいいやじゃなくて、もう一枚げんきな時を聴いても良いなと、もう一つ頼んでみました
I FALL IN LOVE TOO EASILY / LARRY WILLIS
Larry Willis (p),
Jeremy Pelt (tp-tracks 1, 2, 4, 5 & 7),
Joe Ford (as-except tracks 5 & 8)
Blake Meister (b-except track 8)
Victor Lewis (ds-except track 8)
Engineered and mixed by Maureen Sickler
Recorded at Van Gelder Recording Studio, Englewood Cliffs, NJ, on September 5, 2019
1. Today’s Nights
2. Heavy Blue
3. Anna
4. Habiba
5. The Meaning of the Blues
6. Let’s Play
7. Climax
8. I Fall in Love Too Easily