
年間ベストアルバムを選ぶけれど、それは記事にしたものというくくりをつけている。だからこれはと思うものは記事にしなければいけない。まあ記事にはしやすいけど。
これは書いておかなければというのがこのアルバム。
1曲目、アルペジオの少し淀んだ世界から後半のそこにかかる早いパッセージ、この両手の動きをきいていたら、なんだか初期のメルドーを思い出してうれしくなった。
2曲目ベースとの掛け合いがうれしい。この2曲を聞くとこれはまさにJAZZピアノの音作り、このサイドの二人がいて出来たことで、ここ数年でもトップクラスのジャズ・ピアノ・トリオの演奏だと思う。
トリオのインタープレー度、音の良さ、フレージング、これはメルドーがここのところ演ってきた。デュオであったり、バッハであったりの総体が、本来のトリオでの演奏に一層の自信を与えたとしか思えない。
このあと、ほかの人の曲になっるとアレッと緊張がほどけるのだけれど、これも許せるか。結構普通に聞いてしまうのも逆にメルドーのなせる業で、飽きさせない。ただ私的には1,2曲目の雰囲気でいかれたら1位にしたと思う。
日本盤ボーナス・トラックの9曲目、はオリジナル“Beatrice”の軽やかさを引き続いて初めて、7分39秒、起承転結をリズムバックに一人で弾いているから、もしかして完全インプロかもしれません。いづれにしてもジャズ・ピアノの本命盤、年末どの位置にいるのだろうか。
Seymour Reads The Constitution! / Brad Mehldau Trio
Brad Mehldau (p)
Larry Grenadier (b)
Jeff Ballard (ds)
1. Spiral
2. Seymour Reads the Constitution!
3. Almost Like Being in Love
4. De-Dah
5. Friends
6. Ten Tune
7. Great Day
8. Beatrice
9. Middle Game *Bounus track