キース・ジャレットがピアノを弾けなくなったことを知って、ショックで彼のピアノを聴かなくなっていた。やっと諦めというか受容するような気になって聞いてみると身に染みる。それでキースのソロをならべて古いのから順に聞いていくことにした。
キースのソロは『フェイシング・ユー』 - Facing You(1971年11月録音)(ECM) 1972年から始まった。高校の時の出会いはこんなピアノ・ソロがあるのかという驚きだった。
その後、キースはピアノ・ソロのアルバムを出していくのだけれど、すべてのアルバムを持っているわけではない。というのもLP10枚組のサン・ベア・コンサートは学生には手の出るものではない。ということで今手元にあるのがこの20枚。1枚『BREMEN 1975』というケルンと同じ年のブートが入っている。録音年順にならべるとこうなった。
ゴールデン・ウイーク,年代順に聞き始めたら、これが楽しい。初期の長いインプロのあとの短いアンコールのスタイルから、短いテーマ展開への変化などを順に聞いていく。発売順が後になった『ア・マルティテュード・オブ・エンゼルズ』 - A Multitude of Angels(1996年録音)(ECM) 2016年(ライヴ。CD 4枚組。)のモデナ、テアトロ長時間ソロの最後として素晴らしいソロ・パフォーマンスで,長短両方ができなくなったジャレットの記録としてのすばらしい。
こうやって並べて聞き出してみると、その変化も感じる。サンベアをそろえるかは別にして、他はそろえてもいいのでは思った。持っていないのがサンベア以外4枚。それをエイヤとぽちった。
ですから。ゴールデン・ウイークはキース・ソロを順番に聞いてきたというわけです。
持っていなかったのはこの4枚。
初期に買えなかった4枚を今回は一機注文、それが届いてゴールデン・ウイーク日はそろって、キース・ソロ・一機聞きができました。
キースのソロを聴いていると、時折ため息の出るようなフレーズが出て、これ音楽的な奇跡と表現するしかないように感じます。
ということで、ゴールデン・ウイークに独自規格、「キースのソロをサンベア以外聞く」というのができました。もちろんブートはたくさんあるだろうから正しくはないかもしれませんが、結構身に染みることになれいました。
今回改めて並べなおしたのがこちらです。
さてそうしてみたら気分は引き続いて高揚しているので、キースのトリオを並べてみたくなりました。
• 『フェイシング・ユー』 - Facing You(1971年11月録音)(ECM) 1972年
• 『ソロ・コンサート』 - Solo Concerts:Bremen and Lausanne(1973年3月、7月録音)(ECM) 1973年(ライヴ。CD 2枚組。)
• 『ケルン・コンサート』 - The Köln Concert(1975年1月録音)(ECM) 1975年(ライヴ)
• 『ブレーメン』 - (1975年録音)(HI HAY) 1975年(ライヴ)
• 『ステアケイス』 - Staircase(1976年5月録音)(ECM) 1976年(CD 2枚組)
• 『インヴォケイションズ/蛾と炎』 - Invocations/The Moth And The Flame (ECM) 1981年(ライヴ。CD 2枚組のディスク2『蛾と炎』(1979年録音)。)
ピアノ・ソロ(1980年代以降)
• 『ヨーロピアン・コンサート』 - Concerts(1981年録音)(ECM) 1981年。のち完全版 2013年。(ブレゲンツ公演とミュンヘン公演のライヴ。CD 3枚組。)
• 『ダーク・インターヴァル』 - Dark Intervals(1987年録音)(ECM) 1988年(「サントリーホール」におけるライヴ)
• 『パリ・コンサート』 - Paris Concert(1988年録音)(ECM) 1990年(パリ「サル・プレイエル」におけるライヴ)
• 『ウィーン・コンサート』 - Vienna Concert(1991年録音)(ECM) 1992年(「ウィーン国立歌劇場」におけるライヴ)
• 『ラ・スカラ』 - La Scala(1995年録音)(ECM) 1997年(ミラノ「スカラ座」におけるライヴ)
• 『ア・マルティテュード・オブ・エンゼルズ』 - A Multitude of Angels(1996年録音)(ECM) 2016年(ライヴ。CD 4枚組。)
• 『メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』 - The Melody At Night, With You(1998年自宅録音)(ECM) 1999年
• 『レイディアンス:ソロ 大阪-東京』 - Radiance(2002年録音)(ECM) 2002年(「フェスティバルホール」および「東京文化会館」におけるライヴ。CD 2枚組。)
• 『カーネギー・ホール・コンサート』 - The Carnegie Hall Concert(2005年録音)(ECM) 2006年(「カーネギー・ホール」におけるライヴ。CD 2枚組。)
• 『ラ・フェニーチェ』 - La Fenice(2006年7月録音)(ECM) 2018年(ベネチア「フェニーチェ劇場」におけるライヴ。CD 2枚組。)
• 『テスタメント』 - Paris / London: Testament(2008年録音)(ECM) 2009年(「サル・プレイエル」および「ロイヤル・フェスティバル・ホール」におけるライヴ)
• 『リオ』 - Rio(2011年録音)(ECM) 2011年(「リオデジャネイロ市立劇場」におけるライヴ)
• 『クリエイション』 - Creation(2014年録音)(ECM) 2015年(複数のコンサートのライヴ)
• 『ブタペスト コンサート』 (2016年2月録音)(ECM)2020年
• 『ミュンヘン』 (2016年2月録音 (ECM) 2019年
残念
• 『サン・ベア・コンサート』 - Sun Bear Concerts(1976年11月録音)(ECM) 1978年(ライヴ。CD 6枚組。)