実はパット・メセニーにたいしてそれほど強い思い入れはありません。
ECMでゲーリー・バートンのグループに参加したアルバムも持っていません。このアルバム、その意味では飛び上がるほど驚きませんでしたが、なんと5曲目“Walter L”ちょっと聴いて即購入です。
この曲を最初に聴いた39年前、それまでJAZZは良く聴いていても、ちょっと次元の違う高いものと感じていました。
この曲を聴いて、音楽は同じ次元に存在することを感じたのです。以来ずっとJAZZは身近な存在でこの年まで来たわけで、2007年に新しい演奏が聴けること、不思議な気持ちと感慨です。
3曲目は大好きな“Falling Grace”、いろいろなバージョンでずっと出会ってきた曲、S・スワローのベースソロのラインがうれしいし、各人つぼを知り尽くした演奏です。
4曲目も懐かしい時代のキースの曲、ニュー・カルテットというアルバムは持っていませんが、この曲は知っているのです。
5曲目が“ウォルターL”で、すでに書いてしまいました。メセニーもコリエルの音を意識してくれてうれしい。
このアルバム良いの悪いのと言うより、うれしいという表現になってしまうのです。私の感じるうれしさが、このアルバムにはちりばめられているのです。
私は前半で精力を使ってしまいましたが、メセニーファンは後半のほうで盛り上がるのでしょうか。
8曲目エリントンの選曲はちょっと不思議です。
ミンガスとM・ローチとのアルバム「Money Jangle」に入っていた曲で、メロディは少し覚えていますし、このアルバムローチの個性を覚えています。
11曲目はメセニーのアルバムでも大好きで、繰り返し聞いていたアルバムでしたが、ここではやはりメセニーの魅了が一番です。
このアルバム、メセニーの企画でバートンのカルテットのこれまでの魅力を再演しようというものでした。
メセニーの演奏力やスワローの曲で目的は達成し、ちょっと懐かしJAZZ曲集みたな感がありますが、この人たち常に現役、鋭さは落ちても凄い構成力です。
Quartet Live / Gary Burton
GARY BURTON(vib)
PAT METHENY(g)
STEVE SWALLOW(el-b)
ANTONIO SANCHEZ(ds)
1. Sea Journey
2. Olhos de Gato
3. Falling Grace
4. Coral
5. Walter L
6. B and G (Midwestern Night's Dream)
7. Missouri Uncompromised
8. Fleurette Africaine (Little African Flower)
9. Hullo, Bolinas
10. Syndrome
11. Question and Answer