
フレッド・ハーシュのリーダー・アルバムは大体頭に入っていますが、このアルバムは知りませんでした。
レーべル“Angel”はクラシックの専門レーベルですが、ロシアの作曲家の曲をJAZZで聴かそうという企画で、ハーシュが編曲とピアノを担当したアルバムです。
他にミュージシャンとしてシールマンスやフィル・ウッズが参加です。
1曲目はムソルグスキーの「展覧会の絵」から“The Old Castle”でこれは良く知ったメロディをシールスマンの少し粘るラインが民族色もだして、これってクラシックファンを意識して出来たアルバムでしょう、ハーシュのアレンジがしっかりとしているのです。
2曲目、3曲目は続けて、ソリストがジェームス・ニュートンというフルートですが、これが結構懐かしい感じのアドリブが楽しめ、その後のハーシュのピアノはとても生き生きと華やかです。
4曲目はピアノソロ主体の演奏が、クラシックを特に気負わない、美しいJAZZになっているのです。
変に凝らない、曲の美しさをそのままジャズで演奏していて、この曲いい演奏です。
5曲目、チィコフスキーの曲だそうですが、シールスマンがストレートにラインを作るのがとても心地よいです。シールスマンって練れすぎる部分があるので、慣れすぎた曲より、普段は演奏しない曲のほうが魅力、感じます。
6曲目スクリャービンのエチュードはピアノ・トリオで、クラシックの曲ですが、まるでJAZZのオリジナルのようで曲の良さが出たジャズになっています。
7曲目は同じ作曲家のプレリュード、最初からフィル・ウッズが泣きのメロディを(これなどは、お仕事とはっきりわかるプレーです)これでもかと、このようなアルバムではこれもいいのでないでしょうか、ヴィーナス・レコードよりかはサッパリしています。
8曲目、ハーシュのピアノの音はさすがクラシックレーベル、驚くほど美しく採れています。それだけでハーシュのアルバムとして価値あるような気がします。この曲もフルートがなかなか活躍、美しい、これは生で聴いたら凄でしょう。
9曲目、実に力強いハーシュのピアノで素敵な演奏、記憶にとどめるべき演奏になっています。
11曲目美しいピアノの流れに、チェロ、とフルートが・・・、ハーシュの新しいアルバムを聴いた後にこちらを聴いていますから、ピアノ力ではこちらのほうが、とは思います。
でもハーシュの新作は別問題、このアルバムにめぐり合えたこと、かなりうれしいです。
ハーシュらしい魅力がしっかりとアレンジ、演奏に出ているのです。
ハーシュ・・をずっと応援しているのです。
久しぶりにパソコンの前で一枚アルバムを通して聴く事が出来ました。
という事でちょっと長くなったかも。
RED SQUARE BLUE / Fred Hersch
Toots Thielemans Harmonica
Phil Woods Sax (Alto)
Erik Friedlander Cello
Jeff Hirshfield Drums
James Newton flute
Steve LaSpina Bass
Fred Hersch Piano, Arranger, Composer
1 The Old Castle Modest Mussorgsky
2 Andante Reinhold Glière
3 Aria Reinhold Glière
4 Prelude Op. 11, No. 2 Alexander Scriabin
5 Canzona Pyotr Il'yich Tchaikovsky
6 Etude, Op. 8, No. 2 Alexander Scriabin
7 Prelude Op. 9, No. 1 Alexander Scriabin
8 The Young Prince and the Young Princess
9 Prelude Op. 11, Liadov
10 Arabian Dance Pyotr Il'yich Tchaikovsky
11 Adagio Tchaikovsky