Distorted Grace / SHINPEI RUIKE
一昨日は六本木“softwinds”にハクエイ・キムのソロパーフォーマンスを聴きに行きましたがハクエイにはちょっと仕事も用意しました。これまで彼の出したリーダーのアルバムには全てサインをもらっていますが、それ以外のものがたまったので、まとめてサイン頂戴と言ってありました。全部で4枚。2枚はすでに記事にしているアルバムです。
一番新しいのがこのアルバム、今回のライブへ行くことを決めてから購入しました。日本で出るハクエイのアルバムは全てサイン付制覇をもくろんでいます。
だからこのアルバムを買ったとき最初に思ったのが、どこにサインするんじゃい。(まあ、白いサインペンを買って出かけましただけですが。)
菊地成孔ダブセクテットなどでも活躍するトランペッター類家心平氏の初リーダーアルバムです。
私菊地成孔はほとんど聴かないので、類家氏とも始めてみたいですが、名前はずいぶん以前からハクエイと演っているので知っていました。
池袋“マイルス・カフェ”あたりでジャムったのが最初なのでしょうか。
ドラムスの吉岡氏は今年の5月16日“アルフィー”で叩いて、とっても強力なリズムを叩く人。ベースの鉄井孝司氏は久しぶりですが、おなじみ、ハクエイの初期のトリオはずっとこの人でした。新宿“J”にはご家族もきていましたっけ。
プロローグの1曲目に続き、鉄井さんの重めのベースラインから、聴き様によってはハードバップ、吉岡さんのドラムスがいつものように、ガシッと叩いてくれて気持ちが良い。
3曲目は女性のポエムが主体で、詩の内容そのものは私的にはいまいちなので、この曲はパス。
4曲目ベースとドラムスの掛け合いから緊迫のミュートソロ、その後ハクエイのエレピ、メロディアスでリズミカル、悪くありません。
5曲目、不安げなベースのハーモニーからピアノトリオも不安の中での演奏、そこにペットが入ってくると、だんだんと方向が見えて来て、不安が実態となり、主張となる6曲目に続きます。主張のはっきりした「カムイ」ではハクエイのソロが切れ手います。
この後、マイナー調のバラッドだったり、似ている曲が続くのは意識的で、ベースのパターンやペットのフレーズでトータルなアルバムの主張を作ります。
帯には「虚構の大陸の音色」と合ったり、ノートもかなり難しいことが書いてあって、ちょっと私には力が(頭が)入り過ぎかなとも感じます。
10曲目、電気加工したペットとエレピのサウンドはグループ名“4 PIECE BAND”の一つのトーンなのでしょう。
11曲目は引き続いて演奏され、10曲目とついになる、丁度全曲の反対側のように釣合いのとれた生ペットの演奏です。
ハクエイがこのごろいろいろなところから誘われて、彼自身の演奏内容にちょっと不安をもっていましたが、このアルバムハクエイのらしいところがきちんと出て、尚且つエレピなどの普段ない面も見えて、結構満足できたのでした。
さてそれ以外もいろいろ話しながらサインもらいましたが、今大忙しの一枚がこれ。
前から気になっていたのは、“ウォーク・ドント・ラン”知ってたのと聞くと、これはまるで知らなかったそうです。
プロデューサー含めちょっとアレンジしてみてよ、的なのりだったそうで、良い結果が出たので良かったねの話でした。
次はこの一枚、1曲だけ作曲してピアノを弾いています。
先々プレミア付きますなんて言いますが、そんなに上手くいきますかね。
そしてもう一枚がこれ、今回聞きなおしてみれば、結構良いと思うフュージョンバンド、出たのがちょっと早かったというアルバムです。
これなんかがまさにプレミアムになるんでしょうね。
こうやって、出しているアルバムにサインをもらいましたが、これ以外にも、ゲーム音楽に参加などしているそうで、そろそろきちんとそたデスコグラフフィーを準備しなさいなどと話をしたのでした。
ライブの合間に楽しい話が出来ました。いくつもアルバムを出したのですが、ハクエイ君はそれは素直な人なので決して「何処にサインするんじゃい」などとは言いませんでした。
類家心平(tp)
ハクエイ・キム(p,el-p)
鉄井孝司(b)
吉岡大輔(ds)
1. AGUA(introduction) 「アグア(イントロ)」
2. Chaotic Territory II 「混沌の範囲II」
3. A world without venom creates its own poison 「毒のない世界には新しい毒が産まれる」
4. SKID 「スキッド」
5. Comfortable Anxiety 「心地よい不安」
6. KAMUI 「カムイ」
7. ADDICTION 「アディクション」
8. Chaotic Territory III 「混沌の範囲III」
9. Role Lettering 「交換書簡」
10. Scene 「シーン」
11. Seesaw 「シーソー」
12. AGUA(outroduction) 「アグア(アウトロ)」