8月終わりにハクエイ・キムと六本木の“softwinds”で会いました。
そのとき、実に嬉しそうに新しいトリオが出来ましたといっていたのが、このグループ、「トライソニーク」という独立した名前をつけてスタートしました。
今日はそのグループの確か3度目のライブだと思います。
8月のその時点で今日のライブだけが決まっていて、なかなかチケットの販売が始まらないのでやきもきしました。
こんなに、長く待ったライブも久しぶりですが、ついにその日が来た感じです。
24日にはリハも行なって、今年一番、力の入ったライブになるはずです。
メンバーはハクエイ・キム(p)杉本智和(b)大槻”KALTA”英宣(ds)の3人、今回は全力をって応援メールをしてしまいました。
入れ替えなしの2ステージをゆっくりと楽しむために、まずは近くの焼き鳥屋さんでちょっといただきました。
7時前にJZ Bratに着くと、席は一番前、ピアノの斜め後ろ、このお店、フロアー席は舞台と同じ高さ、ハクエイを聞くのには、ここベスト・ポジションでした。
ミクシィのお仲間にもご挨拶しながらそろそろ1stです。
1st
1 トライソニーク
呪術的なリズムとベースパターンから始まるオリジナル新曲、叙情とミステリアスを併せ持ったピアノ・メロディに力強い安定したベースライン、すぐにでも火がつくようなドラムスのスタート、抑え気味に進んでいくピアノです。
2 ハヴ・ユー・メット・ミス・ジョーンズ
はっきりしたピアノ・ラインと太いベースのラインが絡み合って力強いフレージングです。言葉で表せない間合いと反応が伝わってきます。
ただちょっと演奏が長いか、三位一体の演奏を作っていくためにそうなるのか、機会を重ねるともっと凝縮していくように思います。
3 テイク・ファイブ(アレンジ・バイ・ハクエイ)
出だしの高速テーマとその後のゆったりしたテーマから、一気にインタープレーになだれ込みます。これカルタさんのドラムスや藤本さんのベースがいなければ出来ないかも知れません。
インプロがぐしゃぐしゃっと気持ちよくなると、これはピアノ一人ではいけない、ベースとドラムスがぴったりと付いているので実に気持ちよい。
これって、失礼ですが多くのここにいるお客さまに、受け入れていただけているのか、この楽しさはJAZZの多くを聴いていないと解りづらいはずです。
でも自信を持ってやって欲しい。
ドラムス・ソロの後はもはやT5とは解らない、ピアノとベースのパッセージそして、段々と知ったテーマに戻っていくのです。
4 オープン・ザ・グリーン・ドア
杉本智和氏のベースをフューチャーした演奏、正確ピッチと太い音、いまひとつ悩みだった低音の安定とキックをサウンドに盛り込んで、ハクエイの守備範囲がとても楽になった感じです。
その分、ピアノはピアノメロディーに集中していくことが出来ます。
5 スパイラル・ダンス
この曲で、緊張感が一段らく、藤川さんのベースが曲を締めているのがわかります。失礼ながら、我がオクサンがこのベースとても良いというのですから、ある意味間違えありません(感覚が勝つのです)。
これで1st終了中休み、気がつくと、これもお仲間のucciさん、PRが効いて初ハクエイだそうで、ありがたいことです。
でも1st音が身についてこないと、いささかお焦りです。
もっとメロディアスの美メロを予想されていたのか、今日はちょっとその点でも今までとは違うかも。
この新しいパートナーとの三位一体の演奏を作り上げるために、長いソロ・パートをとったり、インタープレーの間合いなどに緊張感がいき、曲全体としてのまとまり、コンパクトさはいささか、欠けいたかもしれません。
場数を踏めば曲に凝縮が起こり、もっとスッキリした塩梅になって行くでしょう。
私は今度のグループになって、どの様に変わったかで聞き始めたし、初ハクエイの人は、今がどうかという段階で聴きますから、そこが少し違いましたね。
なんてことは後から考えたことで、そろそろ2ndです。
2nd
1 ホワイト・フォレスト
曲名からして、ハクエイの故郷を思い浮かべる曲、トリオ結成すぐ後なので、まだ曲へのなれははい。
2 ニュータウン
杉本さんはアルコを持ってニュータウン、これも太い音とうねり具合が良い感じ。
曲自体はこれまでと感じが少し変わった叙事詩のようなニュータウンでした。
3オールズ・シングス・ユー・アー
この曲も簡単には弾かない。ピアノ、ベース、ドラムスがそれぞれの音だしに常に反応し、そこにはタイミングの妙、素敵なスウィング感が生まれたのです。
スタンダードでこのグループの求めるグルーブ感が発揮できました。
ucciさんもこれで納得してくれるかなと思います。
カルタさんのドラムソロに華がありました。
4 ブロッサム
キースの曲ブロッサムの演奏は初めてでしょうか、本日キースの曲が2曲、キースにこだわりをはっきり表すのもよいことだと思います。
5 クワラアルンプール
新曲、クワラルンプールって何処だっけなどと余計なことを考えてしまってちょっとっ集中落ちました(私のことです)、新曲は何度か聞いたころに良さが解ってくるのです。(感度鈍いみたい)
6 ドライ・ダンス
この和音が流れるとオゥッと息がでる感じ、今日のステージを無事に、見事に進めた後の、落ち着きと明るさが出た演奏、ピアノ、このフレージングも凄い。
アンコール
ホーム・ビヨンド・ザ・クラウド
やはりこの曲を演ルことも大切ですね
昔からのファンを次につなげて行かなければね。
私も嬉しい、ありがとう。
舞台がはねて、ハクエイには、お客さんが列作っています。
明日は早い時間に家を出なければならないので、ちょっとだけ渡すものを渡して、「○○さぁん。」「この人、生で聞いたけど、これは知りません」とかがハクエイ、私が話したのは「はい、これ」と「じゃ~ね!」だけだったみたいな。
うんうんとうなずきながらも、新たに開いたページはまだ一面を眺めただけという感じです。
今日のステージからはこの先、絡みつくようなモーダルな演奏、はじけるように4方に広がる破線と集光、ゾクゾクするようなスウィング感、爽やかな風の流れに優しい慕情など、それぞれの色をはっきりとさせていくだろうと、予感したのでありました。