この間観た「奇跡のひと マリーとスルグリット」という映画の中でながれるチェロの演奏がよいので、しらべたらソニア・ヴィーダ・アサートンというチェロを弾く女性だった。
なんと師匠はロストロポーヴィッチだから知らないで書いていて冷や汗もの、1961年、ロサンジェルス生まれでフランスで活躍しているそうです。
1996年から11枚のアルバムがリリースされていて、一番新しい作品はなんとニーナ・シモンの愛唱集という渋いものでした。
これは手に入らないかとおもったら、ちゃんと熱帯にあって、もう一つ合わせてかったらそちらは2枚をセットにしたものだったから一挙に3枚のアルバムがそろいました。
映画音楽とか非常に個性的な活動をしている方のようで、演奏もちょっと個性的かもしれません。チェロでニーナ・シモン集はそれだけで1つの話題になるでしょう。
曲によってピアノとパーカッションが加わりますが、ピアノの人はクラシックの人ですから、ジャズと言うよりか民族色のあるアルバムでしょうか。
ニーナ・シモンを特に好きでないので(嫌いじゃない)曲はあまり知らない。2曲目のトラディション“BLACK IS THE COLOUR OF MY LOVE’S HAIR”はついこの間、コッペルのトリオできいたばかりだから、またつながった感じです。
1曲目低いピアノで始まって“BLACK SWANN”というタイトルに似つかわしいダークな感じ、チェロとピアノと打楽器で演奏される歌劇「聖霊」の曲だそうで厳かな感じです。
2曲目がこの前も効いた曲で、ニーナ・シモンのうたっている場面も確認しましたが、感じがよくでている、とてもスピリチャルな感じでいい。
3曲目がタイトル曲、ジャニス・ジョプリンが「パール」で歌っているR・ロジャースの曲、それとは雰囲気はだいぶ違う。ニーナ・シモンのデヴュー・アルバムに収められていて、出だしを似たアレンジにしています。そしてその後のチェロはメロディの美しさをそのまま表現してチェロにぴったり、歌詞は“指折り数えるしかない、不幸な少女の哀しみを”というつらいものだけれどそれがニーナ・シモンでチェロにあっているかもしれない。
4曲目はニーナ・シモンの曲、思いを切々とつづったようなこれもチェロにピッタリな曲。
タイトル曲もあるけれど、ニーナ・シモンの曲の雰囲気とチェロの特徴がとてもマッチしているように感じるアルバムです。
次はエリントンの曲。
6曲目はニーナ・シモンの曲、高いところでチェロのソロがこれも切々として、カザルスの“鳥の歌”に通じるようなところがあります。
切れ目なしに7曲目はクラシカルなピアノにつながってブラームスの曲、なぜこのつながりなのか解りませんが、舞台でピアノひいたのでしょうか。
13曲目にラフマニノフが入っているから、それはそれでクラシックをいれたのでしょうか。
9曲目はラグの入ったスウィングする曲てアルバムとしてホッと和むときでしょうか。
10曲目ゆったりとして相手に思いを伝えるラブ・ソング、ニーナ・シモンの歌ってある意味メッセージ性があるのでチェロに向いているのかもしれません。
11曲目、R&Bでしょうがこれもゆったりとした流れをたどる曲。
12曲目はこのアルバムで一番新しい曲、ゆったりと歌うようなメロディはアサートンの好みかもしれないけれど、私も好みです。
ラフマニノフの後はニーナ・シモンの2曲、ピアノレス、タブラをバックにゴスペルの詠歌。
最後はピアノが弾き始めて、そこにパーカッションがリズミックに入って、チェロがこれはアドリブのようにインプロしているのでジャズらしく締めますというところでしょうか。
このアルバム、通しで2回目だけど、そしてチェロをやっているからかもしれないけれど、ニーナ・シモンとチェロの共通点があるような、そんな気がしてしまう、これは手に入って良かった。
little girl blue from nina simone / sonia wieder-atherton
sonia wieder-atherton cello
bruno fontaine piano
laurent kaif percussion
1 BLACK SWANN
Gian Carlo Menotti (1946)
2 BLACK IS THE COLOUR OF MY LOVE’S HAIR
Traditional
3 LITTLE GIRL BLUE
Richard Rodgers (1935)
4 FODDER ON MY WINGS
Nina Simone (1981)
5 BUDDY BOLDEN
Duke Ellington (1956)
6 IMAGES
Nina Simone (1964)
7 SCHMÜCKE DICH, O LIEBE SEELE OP.122 N°.5
Brahms-Bach
8 YOU CAN HAVE HIM
Steve diamond & Susan Sheridan (1949)
9 I WISH I KNOW HOW IT WOULD TO BE FREE
William Taylor (1954)
10 THAT’S ALL I WANT FROM YOU
Fritz Rother (1955)
11 BROWN BABY
Oscar Brown jr (1959)
12 STARS
Mindi Beth Abair & Matthew W Hager (1974)
13 SONATA IN G MINOR OP.19 (ANDANTE)
Rachmaninoff
14 COME YE
Nina Simone (1966)
15 RETURN HOME
Nina Simone (1959)