園長です。
「遠雷」や「道元禅師」を書いた立松和平氏が亡くなった。あまり小説は読んでいないが、この人のエピソードは面白い。代表例は「オニオンスライス」。早稲田の貧乏学生だった彼が、なけなしのお金を握って、学生食堂に入り、メニューをぐっると見渡し、安くて量が多くありそうなものをたのんだ。それが「オニオンスライス」。注文した後に出てきた、玉ねぎのスライス、鰹節がスライスされた玉ねぎの上でゆらゆら揺れて、自分を馬鹿にしたように思ったそうだ。その後、彼はもう一品出てくるはずの「ライス」をひたすら待ったのだそうだ。彼はメニューを見て、「オニオン」と「ライス」の組み合わせだと思ったそうだ。オニオンに複数形のSが付いているので「山盛りの玉ねぎとご飯」が出てくると思ったのだ。オニオンス・ライス。大笑いである。
オニオンスライスと言えば、私にも思い出がある。大学1年生の夏にアルバイトをした。「三浦海岸で1日5,000円、実働3時間、寮、食事付き」といううたい文句に、心躍らせて応募したのです。行ってみたら「テキヤさん」(ふーてんの寅さんみたいな人たちのやっている仕事)のアイスキャンディ売りでした。1個30円のアイスを150円で売ると言う、凄まじいものでした。ノルマは1日100個。八戸では考えられない商売だったが、これがまた売れるんです。慣れた先輩方は近くの店で自分で仕入れて小遣い稼ぎをしていたが、真面目な私にはそれが出来ず、とても苦労して100個捌いた記憶がある。・・・まあ、それはともかくとして、このときの食事が「オニオンスライス」だったのである。鰹節なし、卵もなし、醤油だけ。10日間いましたが、毎日「オニオンスライス」のみ。そこでは「さしみ」といい、玉ねぎのさしみ・・・「玉ざし」と言っていた。今では考えられないが、当時はそれで通っていたのだ。朝と晩は「玉ざし」、昼だけは近くの食堂で「アニキ」によるおごり。たいていはラーメンライス、たまにギョーザライス。健康には最高のアルバイトでしたが、10日間で5千円もらったアルバイト料は、完全に赤字でした。後で聞いた話では、1日で止めた人も5,000円だったとか・・・。いい人生経験をさせてもらいました。ああいう社会は縦の序列が厳しく、上の人の前では言葉使いも態度もしっかりしていました。ただ、それ以外のところではとても楽しい思いをさせてもらいました。だから10日間もいたのだと思います。でも今だったら、仕事自体出来ないだろうなあと思います。だって大きな声で「アイス、アイス、かき氷はいかがあ」といって歩き回るのは、貧乏と若さと度胸がなければ出来ない仕事なのです。今の私には貧乏しか残っていないのです。でも、最近玉ねぎが「高血圧」によいという話を聞いたので「玉ざし」を作って食べようと思います。たっぷりの鰹節をかけて・・。
「遠雷」や「道元禅師」を書いた立松和平氏が亡くなった。あまり小説は読んでいないが、この人のエピソードは面白い。代表例は「オニオンスライス」。早稲田の貧乏学生だった彼が、なけなしのお金を握って、学生食堂に入り、メニューをぐっると見渡し、安くて量が多くありそうなものをたのんだ。それが「オニオンスライス」。注文した後に出てきた、玉ねぎのスライス、鰹節がスライスされた玉ねぎの上でゆらゆら揺れて、自分を馬鹿にしたように思ったそうだ。その後、彼はもう一品出てくるはずの「ライス」をひたすら待ったのだそうだ。彼はメニューを見て、「オニオン」と「ライス」の組み合わせだと思ったそうだ。オニオンに複数形のSが付いているので「山盛りの玉ねぎとご飯」が出てくると思ったのだ。オニオンス・ライス。大笑いである。
オニオンスライスと言えば、私にも思い出がある。大学1年生の夏にアルバイトをした。「三浦海岸で1日5,000円、実働3時間、寮、食事付き」といううたい文句に、心躍らせて応募したのです。行ってみたら「テキヤさん」(ふーてんの寅さんみたいな人たちのやっている仕事)のアイスキャンディ売りでした。1個30円のアイスを150円で売ると言う、凄まじいものでした。ノルマは1日100個。八戸では考えられない商売だったが、これがまた売れるんです。慣れた先輩方は近くの店で自分で仕入れて小遣い稼ぎをしていたが、真面目な私にはそれが出来ず、とても苦労して100個捌いた記憶がある。・・・まあ、それはともかくとして、このときの食事が「オニオンスライス」だったのである。鰹節なし、卵もなし、醤油だけ。10日間いましたが、毎日「オニオンスライス」のみ。そこでは「さしみ」といい、玉ねぎのさしみ・・・「玉ざし」と言っていた。今では考えられないが、当時はそれで通っていたのだ。朝と晩は「玉ざし」、昼だけは近くの食堂で「アニキ」によるおごり。たいていはラーメンライス、たまにギョーザライス。健康には最高のアルバイトでしたが、10日間で5千円もらったアルバイト料は、完全に赤字でした。後で聞いた話では、1日で止めた人も5,000円だったとか・・・。いい人生経験をさせてもらいました。ああいう社会は縦の序列が厳しく、上の人の前では言葉使いも態度もしっかりしていました。ただ、それ以外のところではとても楽しい思いをさせてもらいました。だから10日間もいたのだと思います。でも今だったら、仕事自体出来ないだろうなあと思います。だって大きな声で「アイス、アイス、かき氷はいかがあ」といって歩き回るのは、貧乏と若さと度胸がなければ出来ない仕事なのです。今の私には貧乏しか残っていないのです。でも、最近玉ねぎが「高血圧」によいという話を聞いたので「玉ざし」を作って食べようと思います。たっぷりの鰹節をかけて・・。