園長です。
3年もかけて大騒ぎした「幼保一体化」は一体何だったのでしょう。「子ども・子育て新システム」は、自民党もできなかった民主党の目玉政策だったはずなのに、終盤国会を迎えて、消費税増税法案を何が何でも通すため、妥協に妥協を重ね、自民・公明政権でできた「認定こども園制度」を拡充する方向で収束するようです。これまでの議論は一体何だったのでしょう。これでは「日本の子どもたちの将来はない」という発想で出来上がった子ども子育て新システムの理念はどこへ行ってしまいます。子どもに関する予算は「子ども省」を作り一本化するという高邁な理念は、政党間の党利党略により、「認定こども園の拡充」で落ち着くということは、これまでと何ら変わらないということです。認定こども園は制度上の不備があり、浸透できませんでした。まして、保育園には何のメリットもない認定こども園制度。雇用が不安定になり終身雇用制度も崩壊し、女性が就労しなければ日本はやっていけない状態になりました。女性の就労なしでは日本の経済が成り立たないのです。だから「就労支援」の保育所制度は必要なのです。幼稚園は「教育」。保育所は「ただ預かるだけ」という間違った考えを持った国の役人により保育所は幼稚園より教育が足りないと言われましたが、これは現場を知らない役人の思いあがりであり、是非実態を見てもらいたいと思います。保育所のほうが上だ・・・とは言いませんが、保育の理念があり、保育所の保育方針、保育方法があり、幼稚園と何ら変わらない「教育」をしているのです。
民主党の理念のなさには本当に失望してしまいます。「子どもは社会で育てる」という高邁な理念を支持していただけに残念な気持ちです。私達が提案し、要望したことには「既得権の確保」と批判しながら、消費増税成立のためには全てを捨ててしまう理念のなさ・・・。いったい政治家はこの国をどうしたいのでしょう。「決められない政治からの脱却」などとかっこいい言葉を並べても、所詮は個人の利権、党利党略の政治しかでないのでしょう。これが日本の現状なのでしょう。経済も国民の意識も「右肩下がり」の現状を打破するには元気な子どもたちに期待するしかないのです。ここで目を覚まさないと日本の将来はありません。何回も言いますが「子どもを大事にしない国、こどもが生まれない国は滅びるのです。」今の大人が犠牲になっても将来の日本を背負う子ども達のためにお金を使ってほしいと思います。それが国の理念であってほしいと思います。
私たちは、今の保育所制度が一番いいとは思っていません。また、経営の既得権を守るために抵抗しているわけでもありません。すべての子供たちが未来に希望を持ち、健やかに育ってほしいだけなのです。子供も、親も「選ぶ権利」があっていいのではないでしょうか。保育園と幼稚園はそもそも機能が違います。歴史も理念も違います。それぞれが自信を持って経営してきたのです。すべては少子高齢化による負の連鎖です。右肩上がりの経済背帳も人口増加も過去のものとなりました。今までの制度では対応できないことがたくさん生まれてきます。思い切った法律改正、コペルニクス的転換の考え方が必要なのかもしれません。私たちも協力すべきところは協力しますが、子供のためにならないことには大きな声でもの申したいと思います。
6月21日が今国会の会期末です。日本の将来が決まる大事な日です。みんなで心して日本の行く末を見つめようではありませんか。