ワンダースター★航星記

写真を撮るとは、決して止まらない時間を止めること。旅や日常生活のインプレッシブな出来事を綴ったフォトエッセイ集です。

EXPO’70パビリオン ~時空回帰

2014-03-06 | 旅行
  EXPO’70パビリオン ~時空回帰

              

 万博記念公園内に当時のまま、唯一、残されていたパビリオンである「鉄鋼館」。
 長く閉鎖されたままであったが、「EXPO’70パビリオン」として復活している。

 この3月より、鉄鋼館の内部施設「スペースシアター」が当時のままの演出で公開されるということで、久し振りに訪れた。

              

 斬新というか、奇抜というか、個性的なパビリオンがひしめく中にあって、鉄鋼館は「昔の保険センター」のような地味な建物であったが、内部はプロデューサー武満徹氏による当時の世界最新鋭の音響システムとレーザー光線のショーを備えたホールがあった。

              

 ショーが始まると、まざまざと当時の記憶が甦ってくるから、不思議だ。
 あの頃、私は万博マニアの少年だった。

              

              

 千里丘のEXPO’70会場は、今では考えられないようなパワーに溢れた空間だった。
 すべてが右肩上がりで、退潮することなど、考えられなかった時代。
 すべてが限りなく進歩していくと信じられていた時代。

 ソ連館や西ドイツ館、ビルマ館など、21世紀生まれの人からすれば、どこの国?と思うだろう。

              

 シンボルであった「太陽の塔」の作者、岡本太郎のイメージ空間。

              

              

 「太陽の塔」自体もパビリオンで、現在は未公開ながら、今後の再開も計画されているそうだ。
 内部の「生命の樹」のモデル。

              

              

 電気自動車や缶コーヒー、LANなどは、この万博を契機に世に出たと云われている。
 
              

 万博コンパニオンのユニフォーム。
 彼女らも、今やおばあさん!? 時の流れは時として無情だ。

              

 そして、私は、はたとして、立ち止まる。

 人類はあれから、本当に進歩したのだろうかと。

 技術革新は確かにあった。
 それがイコール進歩ではないことを当時から気づいていたはずだ。
 だからこその「進歩と調和」。

 にもかかわらず、表面的な便利さに流され、世渡りの術に長け、それを進歩と勘違いしている輩の何と多いことか。
  


               


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