ワンダースター★航星記

写真を撮るとは、決して止まらない時間を止めること。旅や日常生活のインプレッシブな出来事を綴ったフォトエッセイ集です。

「秋風一夜百千年」 ~酬恩庵一休寺 ②

2021-12-03 | 京都の旅

「秋風一夜百千年」 ~酬恩庵一休寺 ②

 

   一休宗純は室町時代の臨済宗の僧でその生涯に様々なエピソードを残した事から、江戸時代に説話が作られ、「頓知の一休さん」として有名となる。

 応永22年(1425年)には、大徳寺の高僧である師匠から出題された公案(禅問答)に対する回答として、

 「有漏路(うろぢ)より無漏路(むろぢ)へ帰る 一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け」

 と答えたことから、師匠より「一休」の道号を授かる。

  ※有漏路(うろぢ)とは煩悩。無漏路(むろぢ)とは悟り=仏を指す。

 彼は破天荒で奇抜な人生を送った稀有の詩人であった。

 

 

 

 

 寺には彼の人となりを表す肖像画が多数、残っている。

 我々世代にはアニメ「一休さん」のかわいらしい画像が脳裏に焼き付いてはいるが、実像はどうだったのだろう。

 

 

 

 

 

 

  

   

   

 数々の説話を彷彿とさせる、一休寺の佇まい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   一休宗純が残した言葉(ウイキペディアより)  

  • 門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし
  • 釈迦といふ いたづらものが世にいでて おほくの人をまよはするかな
  • 女をば 法の御蔵と 云うぞ実に 釈迦も達磨も ひょいひょいと生む
  • 世の中は起きて箱して(糞して)寝て食って後は死ぬるを待つばかりなり
  • 南無釈迦じゃ 娑婆じゃ地獄じゃ 苦じゃ楽じゃ どうじゃこうじゃと いうが愚かじゃ
  • えりまきの 温かそうな 黒坊主 こいつの法が 天下一なり
  • 分け登る 麓の道は多けれど 同じ高嶺の月こそ見れ

 

 そのなかで、本記事のタイトルに使わせていただいたのが・・・・ 

  • 秋風一夜百千年(秋風のなかあなたと共にいる。それは百年にも千年の歳月にも値するものだ)
 

 この言葉を静かに心に刻む晩秋である。

 いつか、誰もいないときに、この寺を訪ねて彼の魂と禅問答したいものだ。

 

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