"甦った天女″ 五重塔 ~女人高野・室生寺の紅葉 ③
「金堂」を出て、参道をさらに登ると室生寺の本堂である「潅頂堂(かんじょうどう)」が見えてくる。
こちらも国宝で、建立は鎌倉時代、日本三如意輪の一つに数えられる如意輪観音菩薩像が安置されている。
本堂から奥ノ院へと続く石段の下から見上げると、樹齢600年の50メートルはある杉の木に囲まれ、自然と調和した朱塗りの日本一小さい五重塔が見える。
その美しさから ”舞い降りた天女” のようだと評されてきた。
室生寺の国宝建造物は、五重塔・金堂・本堂と3つあるが、創建時にまで遡ることができるのは、この五重塔のみである。
ところが、平成10年、台風でなぎ倒された巨木が塔に倒れかかり、初層から五層までが損壊し、倒壊寸前となった。
その後、宮大工さんの努力と技のお蔭で漸く、甦った五重塔を見上げると感慨もひとしおである。
紅葉は本坊あたりが一番、鮮やかだった。