「もののけ」と神々の島へ ① ~屋久島プロローグ
旅に出ようと思った。突然、一週間という長い休暇をいただいたからだ。
切れていたパスポートを再交付するため、あわてて本籍地の役所と旅券事務所に行った。
自由に使える時間がそこそこあれば、旅に出るというのが、私たちにとっては当然のこと。
が、行き先がイメージできない。
国内に目を向けてみた。北の大地は大好きだが、何度も行った地。
行ったことがないところに行くというのが、これまた、私たちのポリシーではなかったか。
そして、浮かんだのが、屋久島だった。10日ほど前のことだ。
思えば、世界遺産に登録される、ずっと以前から、訪れるべく計画をしていたが、そのたび、何らかの不都合が生じて、屋久島行きはならなかった。
突然、屋久島のイメージが広がった。
深い森と海ガメである。
とは言うものの、私たち、旅族は旅においては、目的をもたないようにしている。
同時に綿密な計画もたてない。
目的や計画に縛られてしまわないようにだ。
旅の途上では自由な発想があった方がいい。
また、私たち、旅族は質素な旅を旨とする。
宝くじが当たったとしても、豪華なリゾートホテルには泊まらない。
(これは強がりではなく・・・ほんの少し、強がりかもしれないが)
さて、本題の屋久島である。
思えば、前世紀末に爆発的な大ヒットをしたジブリの「もののけ姫」のモチーフは、この島にあるという。
<ストーリー> 蝦夷の隠れ里に住む青年アシタカは、村を襲おうとしたタタリ神に呪いをかけられる。ただ死を待つより、己の運命を切り開くため、はるか西方の地を目指して旅立つ。そこでアシタカが見たものは、森を切り開いて鉄を作るタタラ場の民とその長エボシ御前、森を守る山犬一族、そして山犬と生きる人間の少女サンであった。アシタカはその狭間で、タタリ神が発生した理由を知る。
キャッチコピーは「生きろ!そなたは美しい」である。
作中には、「コダマ」と呼ばれる不思議な精霊の群が登場する。
豊かな森に宿る「樹の精」らしい。
人間に対する敵意はなく、大変親しげである。
森を破壊することは、莫大なコダマを殺すことにもなるのだ。
「生きろ!」のイメージが膨らみ、屋久島への想いが高まってきた。
ところが、あろうことか、出発を目前に控えたころに突然、台風が発生。
あれよあれよという間に小笠原から東海を直撃。
台風は三重に上陸し、奈良、岡山、広島、北九州と未だかつて、見たこともないようなコースを辿った。
お陰で、大阪南港から乗ろうと思っていた鹿児島行きのサンフラワーは欠航。
天気予報を見ると、何たることか、南下する台風の進路の先には屋久島があった。
ありえない進路・・・ここで、私はこの台風は意思をもっているのではと思った。
しかも、意地悪な意思である。
それを証明するかのように、台風は屋久島のまわりを廻り始める。
欠航は土曜日から、4連続となった。
さすがに屋久島行きは断念せざるを得ないと思った。
5日目、日本に居座り続けた台風が東シナ海に向かって、動き始めた。
やっぱり、屋久島への想いを断ち切れない私は弾丸でもいいからと出かけることにした。
さて、このストーリーは続くのだろうか。まだ、私にもわからない。
※当頁画像はプリ画像byGMOより拝借
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