紀元杉・樹齢3000年 ~「もののけ」と神々の島へ⑭
ヤクスギランドから宮之浦岳方面に向けて、山岳道路を更に6キロ。
安房林道沿い標高1,230mのところに神を思わす大樹が忽然と現れる。
「紀元杉」はそのスケールや威厳さから、これまで見てきた屋久杉とは明らかに一線を隔している。
日程上、とうとう、会えなかった「縄文杉」と並ぶ横綱格なのだろう。
訪問者は私以外では外人のカップルのみ。
この島もインバウンド旅行客が多い。
紀元杉は樹齢3,000年と島に伝わる。
木元に手を触れることができた。
おそらく、私が触れた最高齢の生き物に違いない。
木元の筋状の瘤、苔むした幹に強い生命力を感じる。
片や「縄文杉」は樹齢7200年という説もあるが、中心部が空洞になっており、その内側から採取した資料の科学的計測値は2170年となっている。
実際のところ、幼年期の中心部分が吸収され、空洞化する屋久杉の実年齢を測定するのは難しいようだ。
それにしても、3000年である。
人間時間からすると、悠久の時間のように思えるが、地球時間からすると、おそらく、一瞬なのだろう。
ここでも、生命の素、冷たい伏流水が迸っていた。
飲みほすと生命をいただいたような気がした。
旅の終わりも近い。
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