『武蔵野に散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない。どの路でも足の向くほうへゆけばかならずそこに見るべく、聞くべく、感ずべき獲物がある。武蔵野の美はただその縦横に通ずる数千条の路を当(あて)もなく歩くことによって始めて獲(え)られる。春、夏、秋、冬、朝、昼、夕、夜、月にも、雪にも、風にも、霧にも、霜にも、雨にも、時雨にも、ただこの路をぶらぶら歩いて思いつきしだいに右し左すれば随処(ずいしょ)に吾らを満足さするものがある。これがじつにまた、武蔵野第一の特色だろうと自分はしみじみ感じている。武蔵野を除いて日本にこのような処がどこにあるか。』・・・国木田独歩「武蔵野」より
この一節は「武蔵野」のなかでも、とくに有名な一節で、よく引用される。“武蔵野に散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない”
その通り・・・だとわたしはおもう。
ほんとうの「街歩き」は、地図を捨てるところからはじまる。
. . . 本文を読む
goo blog お知らせ
プロフィール
最新記事
カテゴリー
- Blog & Photo(1893)
- シャッフル/photos(1137)
- シャッフル/books(130)
- 俳句・短歌・詩集(471)
- 小説(国内)(82)
- 小説(海外)(38)
- エッセイ(国内)(182)
- エッセイ・評論(海外)(16)
- 夏目漱石(14)
- ドストエフスキー(16)
- 塩野七生(23)
- 吉村昭(28)
- 哲学・思想・宗教(41)
- 歴史・民俗・人類学(118)
- 写真集、画集など(38)
- ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記(44)
- ファンタジー・メルヘン(10)
- 座談会・対談集・マンガその他(68)
- 音楽(クラシック関連)(125)
- YouTube 動画(4)
- ミステリ・冒険小説等(国内)(1)
- ミステリ・冒険小説等(海外)(33)
最新コメント
- 彦星(池修)/春の足音
- 小野/植物ワイパーと路上観察
- 自転車通勤人/散歩写真と「時の化石」
- syugen/私小説のすすめ 小谷野 敦
- 小谷野敦/私小説のすすめ 小谷野 敦
- syugen/「ノア・ノア」ゴーギャン 前川堅市訳(岩波文庫)
- VIN/「ノア・ノア」ゴーギャン 前川堅市訳(岩波文庫)
- GAIA/「いわゆるA級戦犯」 小林よしのり
- GAIA/「いわゆるA級戦犯」 小林よしのり
- ガイア/21世紀ドストエフスキーがやってくる 集英社