二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

地獄の釜の中をのぞく ~「ピエール・リヴィエール」(フーコー編著)の衝撃(2)

2019年01月11日 | 哲学・思想・宗教
*ヨーロッパ型の人間が、いかにキリスト教という宗教に骨がらみになっているか、本書を読むとよくわかる。 人格あるいは主体の底辺は、わたしの眼から見ると、キリスト教によって形成され、ある意味で“支配”されいるということだ。人格はその宗教の上に組み立てられる。 ピエールが聖書やそれと関連する宗教書をどう読んだかは、多少ねじれた形ではあるにせよ、この男の内面を推定する大きな手がかりとなるだろう。 *本書 . . . 本文を読む
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地獄の釜の中をのぞく ~「ピエール・リヴィエール」(フーコー編著)の衝撃(1)

2019年01月11日 | 哲学・思想・宗教
本書の刊行は1973年、フランス語原題の日本語訳は、正しくは「私ピエール・リヴィエールは、母、妹、弟を殺害しました・・・十九世紀の親殺し事件」である。 本書は、哲学書ではない。ミッシェル・フーコーといえば、現代フランスを代表する哲学者・思想家として有名で、ついそういったカテゴリーの範疇で考えてしまう。 しかし、重要なのは、本書の核心が「ドキュメント」だということ。 わたしはフーコーがこういうドキ . . . 本文を読む
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