のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

居酒屋 1

2009-06-20 | 小説 忍路(おしょろ)
   ホテルに帰ると、私はロビーに設けられたカフェーでコーヒーを飲んで冷えた体を温めた。そして部屋に戻り、何度も時計を見ながら踊る心をもてあましていた。  テレビをつけても流れる映像にさしたる興味が起きるわけでもなく、思いはいつも里依子の面影に帰ってくる。するともう部屋の時計に目が向くのだ。ほんの数分動いただけの時計を恨めしく思いながら、私はベッドに座ったり寝転んだり、備え付けの机の引き出しを開け . . . 本文を読む
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