のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

千歳 8

2009-06-14 | 小説 忍路(おしょろ)
 その立体は見上げるほど大きく、千歳市の記念碑であることが知れた。そこにどのような意味がこめられているのか知る術はなかったが、目にしている立体は、簡素な大理石の前衛彫刻に違いなかった。鏡面のように磨かれたその立体の表面は明度の深い石の味わいがあり、そこにおや?と思わせる驚きが仕組まれていた。  一瞬立体が背景に溶けて透明に見えるのである。立体の表面に写った木立だと知るまでの間、私の心は完全に支配 . . . 本文を読む
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