のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

千歳 6

2009-06-12 | 小説 忍路(おしょろ)
雪解けの水が道路にあって、周囲の雪は黒ずんでいた。それは雪というよりシャーベットのようなものだった。  道が自然に登り始めるとすぐにその右手から疎林が立ち上がってくる。それはいつまでも登り道と共に伸び拡がってゆくらしかった。  私は何度かその林の中に入って行こうとしたが、そのたびに奥の未踏の雪溜まりに阻まれて空しく引き返さなければならなかった。しかしやがて広い通りが林の中に続いている場所に出 . . . 本文を読む
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