のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

居酒屋 2

2009-06-21 | 小説 忍路(おしょろ)
 私は満身に笑みをたたえて手を上げて里依子を見、里依子は身を引き締めてお辞儀をして遅れた詫びを口にするとすぐに笑顔になった。    「出ましょうか」  「ええ、いい所があるんです」  私達は肩を並べてロビーを出た。外は微かに雨が降っていた。里依子がこちらにといって私の横で手を伸ばして、その先にあるタクシーを示した。里依子が職場から乗ってきたタクシーをそのまま待たせていたのだろう、乗り込んだタク . . . 本文を読む
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