のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

居酒屋 5

2009-06-24 | 小説 忍路(おしょろ)
カウンターに座ると、里依子は手際よく酒と肴を注文した。目の前にあるショーケースを覗いては、細い指先で積み上げられた魚を示してその名前を私に教えた。  ほとんどが私の知らないもので、ここでしか食べられませんからと、笑いながら里依子はそれらを注文するのだった。    酒が入ると私達は話に夢中になった。職場のことや家族のことなど、ありふれた会話が途切れなかった。しかし徐々にではあったが、私の心に焦 . . . 本文を読む
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