「パルガ、私には怒りを抑えることは出来ない。何か方法はないのか。」
「まずはこのふだを渡しておきましょう。」ジルが初めて口を切った。そしてバックルパーに黄色いふだを渡した。
「しかしバックルパーよ、そのふだだけではユングと同じ目に遭うだろう。」
「そう言われても、俺には何も出来ない。」
「愛するのだ。」
「えっ」バックルパーは耳を疑った。
「 . . . 本文を読む
「この世の不幸は世界が二分されたことから始まったのだ。」
「生と死、光と闇、天使と悪魔、」
「あのセブ王の噴水もそうですか。」カルパコが口を挟んだ。
「そうじゃ、そもそも、それが発端じゃった。」パルガが言った。
そのパルガの話しを引き取るようにダルカンが続けた。
「セブ王がランバード山脈を越えるとき、ヴォウヅンクロウゾを受け入れ . . . 本文を読む
パルマとパルガ
窓のない部屋の一角にテーブルが置かれ、そのテーブルの上にローソクが灯されている。ローソクが揺れる度に、黒い人影がゆらゆらと部屋の壁の上を動いた。テーブルに向かい合って座っているのは総勢で八人だった。テーブルに向かい合って座っているために、それぞれの顔が、ローソクの光を受けて照らされ、闇の中に浮かび上がっていた。
老婆が二人、体格のいい男とでっぷり . . . 本文を読む