「ゆめのなかの堀尾貞治展」展示風景 私の出展作品は壁掛けの作品と冊子(宇宙論)
あたりまえのこと 音の形 コロンコロン (90cmx1000㎝) (24, JUNE 2017)
堀尾貞治遺作 何を描くかという明確な意思を自動筆記に変換するドローイング作品。2017年、ギャラリー由芽で制作された。
これは何メートルもある棒の先に筆をとりつけて描くか、あるいは長いひもに筆を結び付けて、たとえば屋根の上から軒下に置いたキャンバスに文字や絵を描く手法の作品である。この作品は、墨を塗った石ころを棒でコロコロ転がして描いたものだ。
私が直接体験したパフォーマンスで言えば、たとえばチャンバスに「あたりまえのこと」と書くのだが、筆を思うように動かせなくてうまく書けない。書こうとする意志は長い棒やひもを通るうちに勝手に変化する。普通に言えば思い通りにいかないもどかしさでばかげたこと、となるのだが、堀尾さんはそのすべてを受け入れる。むしろ思い通りにいくと思うのが幻想だと言いたかったのだと思う。「空気を可視化する」ということの一つの挑戦的な作品だろう。そこには自分の意志を空気が自在に変えていく姿が見事にとらえられているように思える。
同展に賛同して集まった作品たち 「空気を可視化する」という堀尾さんの思いとつながる糸口をどこかで感じられるような空間である。
「本来無一物」は堀尾さんのテーマから必然的に現れる言葉。人はただ空気に包まれて、無一物で生まれ無一物で死んでいく。そう言いたかったのでしょう?
「そうや」堀尾さんの笑顔が浮かぶ。
このほか画廊において、2017年に開催した堀尾展で披露されたパフォーマンスの様子を常時流している。
他に資料なども展示しているので、是非この機会に堀尾貞治の芸術に触れて頂きたい。価値ある展覧会です。
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