今日の授業は心についてらしい。なんだか難しそうだ。でもスケール号は世界探査のためにどこにでも出かけて行かねばならない。だからいろんな勉強をしなくてはならないのだ。
「心でヤすか、そりゃ、この胸のところでヤしょう。」
「では、どんな形をしていると思うかね。」
「丸でヤすかね。」
「いや、きっと四角ですよ。」
「うんにゃ、三角だスよムニャムニャ」ぐうすかは居眠りの中で授業を受けている夢を見ているらしい。
「丸や三角と決まってないんじゃないですか、博士」艦長が答えた。
「そうだな、心には決まった形はないんだ。たとえば水のようにね。丸い容器に入れられれば丸になるし、四角のものに入れられれば四角になるんだ。」
「では博士、色はどうですか、心の色は。」ぴょんたが質問した。
「白色に決まっているだス。ムニャムニャ。」ぐうすかが寝言を言った。 「気持ち悪い奴でヤすな。」
「ぐうすかは現実と同じ夢を見ているんだろう。」博士があきれ顔で言った。
「試してみるでヤす。」そう言って、もこりんは指を二本立てた。
「ぐうすか、これは何本に見えヤすか。」
「二本だスな。ムニャムニャ」
「ばかだなこいつ、これじゃ寝ている意味ないじゃん。」ぴょんたが言うと皆が笑った。
「ハハハハ、ムニャムニャ。」よだれを垂らして眠りながらぐうすかも笑った。
「ところで、心はスクリーンのようなものなんだ。やって来る色に染められていろいろに変わるんだ。」
「形も色もないものなんて、想像つかないですね。」
「想像することは出来ないが、じっさいに私達は毎日心を体験している。見ることは出来ないが感じることは出来る。それが心なんだ。」
「電気のようですね。」
「電気でヤすか?」
「電気は見えないけど、触るとビリビリって感じるだろう。」
「いいところに気がついたね。電気のように単純なものではないが、心はエネルギーの一種なんだ。」
「つまり心はエネルギーだという事なんですね。」
「すると、心に、いい心と悪い心があるように、エネルギーにも、いいエネルギーと悪いエネルギーがあるのだスか博士ムニャムニャ。」ぐうすかが寝言をいった。
「そういうことになるね。」
「博士、いいエネルギーってどんなエネルギーですか。」
「いいエネルギーとは、愛のことだ。」
「すると、悪いエネルギーというのは、愛を壊してしまうものなんでヤすね。」
「そうだ。それにはどんなものがあると思うかね。」
「えっと、なんでヤすかな。愛の反対。」
「意地悪かな。」
「悪いエネルギーとは、恐れや憎しみ、怒りやねたみ、疑いや病気などの事なんだ。」
「悪いエネルギーって、たくさんあるんですね。」
「だからこそ、愛は大切にしなきゃならないんだ。一つしかないからね。」博士はそう言って授業を締めくくった。
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