(母なる大地、地球。神のからだをつくる原子ではと、思いたくなる)
空間をコップにいれた水だとすると、スケールの世界で見えてくる原子や分子、人体や天体はみな、まとめてこの水の中に浮かんでいるということになります。
そう考えると、空間は一つだということも案外わかりやすいのではないでしょうか。
原子でも地球でも、みなコップの中で浮かんでおり、私たちもまた例外なく、このコップのどこかに浮かんでいるわけですね。
私たちの身体は、内側も外側も、くまなく空間が取り巻いていて、この肉体に作用を及ぼしているのです。
この空間の作用は、様々な物質を生み出した末、この世に頭脳をつくりあげました。私たちが誕生したのです。
頭脳には空間の作用をイメージとしてとらえる力があり、それが五感として私たちには感じられます。そして思考は、脳内でエネルギーを操作して新たなエネルギーを生み出すことを始める。まさに、実体のないエネルギー(空想)が生まれるのは、思考本来の姿だといえるでしょう。
何日か前に、(さらに深い真実(2)) (さらに深い真実(3))で、思考には虚構と実在の二面性があることを書きました。
認識は、思考と気付きという相反する二つの要素から成り立っているということを、考えたものです。するとそこには、思考による虚構の空間と、それを見つめる実在の目(気づき)。というイメージが見えてきました。
こんな例があります。
AとBが朝職場で顔をあわせます。Aはそのとのとたんに顔をしかめました。
Bは丹精込めて仕上げた髪型をけなされたと思い、Aをにらみつけて挨拶もせず一日不愉快です。
AはBと顔を合わせたその瞬間、Bの後ろに嫌いなCを認め、Cのしぐさに顔をしかめて見せたのです。Bに挨拶しようとしたら、Bは不愉快そうに自分を避けるではありませんか。
話せばわかることでしょうが、この日職場は一日不愉快が蔓延していたことでしょう。
私たちの思考はABと大差はありません。これは思考の虚構性をよく現わしています。AもBも、自分の頭脳がつくり出した幻想を見て、そこからさらに不愉快なエネルギーをつくり出すでしょう。そのエネルギーはABの態度から空間に伝わり社内に感染していきます。小さな心の中の出来事が大きなエネルギーに成長していくのです。
よくある日常ですが、まさにこれは頭脳が、真実とは無関係に、エネルギー(空間)を負の姿に変えていこうとしている証拠ではないでしょうか。
それが思考なのです。ですから、逆に、正のイメージを加えるだけで、思考は逆転するでしょう。
例で言えば、互いに真実を伝えだけで、AとBは和解し。今までの行いを反省するするあまり、AとBの親密さはさらに深まるかもしれません。
さてこの時、とても重要な問題を私たちはまだ気付いていません。それは何でしょうか?
それはABが自らの思考に対して、評価を下していることです。
思考して生まれるイメージに対して「良い悪い」の判断をしていますね。それが感情だということはすでに見てきたことで、それを今問題にするつもりはありませんが、
取り上げたいのは、そこに「気づき」が介在しているという事実なのです。
「気づき」が無かったら、その瞬間BはAに無視されたと思っても、思考はそれ以上発展しませんね。不愉快がやってくるのは、無視されたという思考に自分が「気づき」、判断する必要があるわけです。
では「気づき」とは何なのでしょうか。
頭脳の中で変遷し、様々な形に変えられる思考エネルギー、それは言うまでもなく空間ですね。
頭の中で良し悪しの別なく、生まれる思考に対する「気づき」、それは空間自身の持っているエネルギー以外にはないでしょう。
実在というと、私たちはまず物質の存在を念頭に置きます。「私」と問われれば、肉体をおいてほかにはありませんね。
しかし本当のところ、この肉体は、空間に浮かんでいる物質の集まりであり、空間によってひとつのかたまりとなっているものですね。
この肉体をつくっているのは、空間であり、本来「私」の主人公は空間であるはずなのです。
空間を主人公にすると、私たちは死から解放されますし、孤独を嘆くこともありません。
空間を主人公にするということは、つまり明け渡すということです。物質から空間に「私」を明け渡すと、私たちの体内にある五感が冴えわたってきます。
このシリーズの冒頭に紹介した、笑福亭笑瓶さんの話は、まさにこの五感をまだ十分に味わえない前に死ぬのはいやだ。「ちくしょう!」と叫んだということでしたが、まさに私たちはこの五感を研ぎ澄まし、味わい尽くす思いが必要なのではないでしょうか。
なぜなら、五感は、空間の持っている体感に他ならないからです。
思考の中にまぎれている「気づき」を体感できるようになれば、私たちは空間こそ自分であるという実感を持てるようになります。
空間を自分と定めれば、思考の中で起こっている苦悩を客観的に眺めることが出来るようになります。
「気づき」とは空間の体感である。
今や、私はそう思うのです。
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初めての方へご案内。この物語は、皆様とともに心の旅をするという想定で進めています。 お時間がありましたら、カテゴリー5次元宇宙に生きる(空間) から初めて、5次元宇宙に生きる(心)、そしてこの5次元宇宙に生きる(神) へと読み進めて頂ければ幸いです。::)
冊子のしてんてん系宇宙(五次元宇宙論)の解説だったのですが、理解していただけたでしょうか。