のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

スケールマシン(スケール号の冒険)

2019-05-31 | 5次元宇宙に生きる(神)
 

 猫型宇宙探査船スケール号:目に艦長たちのいる操縦席がある。この連載のトップを飾ります。

 凡人の語る宇宙論を書き終え、スケール号が新鮮に思えるようになりました。空間の中で活躍するスケールマシンの物語をもう一度。再掲38回連載です。(文末に宇宙の小径) 

    

 第四話   スケールの世界探査旅行

  

   一、スケールの世界

 

  スケール号はのしてんてん博士が造った猫型の宇宙ロケットだ。艦長の命令で動き、自由に自分の大きさを変えながら、どんな世界でも旅行することが出来る。

 艦長はあなた、そう、今これを読んでいるあなたなのです。

 あなたは今までにスケール号を操縦して、クリームソーダーの世界や、彗星の世界や、心の世界を旅して、冒険を重ねて来た。その度にスケール号の操縦が上達して、今やあなたは自由自在にスケール号を操ることが出来る。

 それでもまだ、スケール号の能力が全部使われたわけではない。それほどスケール号はすばらしい乗り物なのだ。

  スケール号の乗組員は、ウサギのぴょんた、モグラのもこりん、ナマケモノのぐうすか、それに時々、のしてんてん博士も一緒に乗る。

 ほら、もうあなたの後ろに乗組員達は整列しているよ。

  「ぴょんた、参りました。」

 「もこりん、参りヤした。」

 「ぐうすか、参っただス。」

  あなたは艦長らしく、後ろで手を組んで、胸を張って三人を見た。そして重々しい声で命令を伝えた。

  「諸君、我々は今までに経験したことのない世界探査の旅に出る事になった。これまでにまして、頑張ってもらいたい。すでにのしてんてん博士がスケール号に乗り込んで我々を待っておられる。直ちに乗船だ。」 艦長の命令で乗組員はいっせいにスケール号に乗り込んだ。

  スケール号の操縦室に博士が待っていた。

 今まで、博士がスケール号で待っていることなどなかったから、これはきっと何か大変な事が起こったにちがいない。艦長以下乗組員の面々は緊張して博士と向かいあってテーブルに座った。

 一体どんな大事件なんだろう。みんなは期待と不安の入り交じった気持ちで博士の言葉を待った。

 ところが博士の方はなんとなく楽しそうで、にこにこした顔をみんなの方に向けた。

  「博士、どうしたのですか。どんな事件が起こったのですか。今までにない世界探査と言うと、どこに行くのですか。」艦長が聞いた。

 「ハハハ、そう一度に聞かれても答えるのが大変だな。」博士がうれしそうに答えた。 

  「実は私の研究の成果を確かめるために、世界探査旅行が出来ることになったのだよ。」

 「研究の成果でヤすか。」

 「そうなんだよ。」

 「研究と言うと?」

 「それをこれから君達に話しておきたいのだ。」博士が言った。

 「博士、むつかしいだスか。」

 「あんまりむつかしいのはだめでヤすよ。」

 博士の話はいつもむつかしいので、みんなは少し警戒している。ぐうすかなどは有名な勉強嫌いだから、なるべく早く博士の話は終わってもらいたいと思っているのだ。もっとも、ぐうすかは、ほとんどその間中寝ているのだけれどね。

 「まあまあ、それよりこれからみんなと、大きさ比べゲームをやろうじゃないか。」博士はみんなの機嫌をとるように言った。

 「ゲームですか。」

 「ゲームでヤすか。それならいつでもいいでヤす。」

 「その、大きさ比べゲームと言うのはなんだスか。」

  「ルールは簡単だ。最初の人が動物でも何でもかまわない、自分の好きなものを言う。それから順番に、一人ずつ、前の人の言ったものよりも大きなものを言って行くんだ。大きさ比べをして、前の人の言ったものより小さかったら、その人はアウトになる。」

 「なんだかおもしろそうでヤすね。」

 「やろうやろう、博士。」

 「それじゃ、最初はグー、ジャンケンポン。」

 ジャンケンポンをして、最初に言う人が決められた。ぴょんたにその役が回って来た。

 「それじゃ、えーっと、ゴキブリ。」

 「ゴキブリゴキブリなんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

 「えーっと、ネズミだス。」

  「セーフセーフ、ネズミネズミなんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

 「ネコ。」

  「セーフセーフ、ネコネコネコネコなんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

  「クジラ。」

  「ひえーっ、クジラなんて大きくなりすぎでヤす。」もこりんは文句を言ったが、みんなから無視された。

  「セーフセーフ、クージラクジラなんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

  「えーっと、えっと、なんでやス・・・」

  「動物じゃなくてもいいんだよ。」博士が助け舟を出した。

  「それじゃ、海でヤす。」

  「セーフセーフ、海海海海なんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

  「地球!」

  「おおっ、セーフセーフ、地球地球なんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

  「えーっと、つ、月だス。」

  「ブッブーッ、ぐうすかアウト!」ぐうすかがみんなの輪から外された。

  「あっ、それそれ、地球地球なんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

 「銀河系。」博士は余裕だ。

  「ええーっ、セーフセーフ、銀河系ってなんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

  「博士のあとはいやでヤす。銀河系より大きいものって、あっ、分かった、宇宙でヤす。」

  「セーフセーフ、宇宙宇宙なんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

  「えーっ、宇宙より大きなもの、ええっと、ええっと、大宇宙!」

  「ぴょんた、ずるくないか。」艦長が文句をつけた。

  「いやいや、セーフセーフ、大宇宙ってなんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

 「うーん、大大宇宙!」艦長が苦し紛れに言った。

  「ブッブーッ、艦長アウト!」

  「もうこれ以上大きなものはないだろう。」艦長は納得しない。

  「あっ、それそれそれ、大宇宙ってなんだろな、それより大きいものなんて、知ってる人はどこにいる。それそれそれそれ、どこにいる。はい!」

(つづく)

 

 

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 宇宙の小径2019.5.31 

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大きさ

 

兄弟でケーキを分ける時ほど緊張するとはない。

みなの目はケーキに集中して、どれが大きいか品定めをするためだ。

子供の頃から大きいものにあこがれた。

大人になても、AカップがどうのBカップがこうの。

ところが、

「たった一つのもの」に大きさがないことには気付かない。

霧に包まれた何も見えない空にボールが浮かんでいたら

ピン球か、野球ボールか、バランスボールか、アドバルーン?分からない。

巨大ドームかも知れない。

一つのものに大きさはないという事だ。

気が付かないほど比較の意識は

人の心に沁みついている。

四つに切り分けられたケーキ

大きなものがいいのは分かっているが

喧嘩をするとケーキの味が半減する

受け取った一つに大きさはない

おいしい甘い、とろけるような味がする。

一つを味わうことの喜びを

今になって分かっても

あの兄弟喧嘩はどうにもならないが、

せめて自分という一つのものを

比較しないで楽しみたい。

ところで宇宙もまた一つのもの。

つまり大きいか小さいかなんてわからない。

大きいと思ったら、そんなもの自分の中に入らないと考えるし

小さいと考えたら、そんなもの見えない些細なことと思ってしまう。

大きさの秘密は比較する心。

それが消えれば

一つという事に神々しささえ感じる

喜びが拡がる。

自分というケーキを丸ごと味わえばいい。

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9 コメント

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Unknown (Keiren)
2019-06-01 07:06:19
今日、やっと体調が回復できたので、
メールテキストを読み始めました。
今、7ページまでしか進んでいませんが、
送ってくださったことに
深い感謝の念に満ちたので、
完読の前に取り急ぎ、コメント残します。

7ページまで読んで、
見事で簡潔な論拠に心を打たれました。

一気に読まず、
映像化にしてから
また続きを読む予定です。

光子⒱
振動数νの光= hν ( h はプランク定数) として説明されるより、
c×cとして簡略に要約されているから
私には理解しやすい感じがしました。

読みながら思ったのは
私は内容そのものより、言い方や展開の仕方に左右されてしまうと気づけたことです。

ブログ記事の優しい丁寧語よりは
文正体の論調で書かれた文がすんなり入れることです。
これは愚かな性分で私自身もうんざりしているところですが、
同じ内容の丁寧に説明されたブログ記事は
読むのに余計な念が入って
集中して読めなかったのに、
論調で書かれただけで
内容に焦点を合わせることができました。

これもそのテキストを送ってもらったからこそ
分かってきたことなので、
改めて感謝の念を表します。

また、じっくり読み終わって
報告に参ります。

今回の記事は
E=mc²のシリーズを終えてからにします。
返信する
追伸 (Keiren)
2019-06-01 07:22:50
最近、バレエの基礎体力作りに没頭していて
自分の勉強関連もあまり気を向けてないです。
体調を整えることに時間を費やしているので、
例のテキストを読み始めるのも遅れてしまいました。

酷い筋肉痛をやっとほぐせたので、
体調が普段に戻った感じです。
日本にいた時に比べて10キロ以上体重が増えて
先月から本格的に体調管理に入ったのです。
それらがやっと安定期に入ったので
まあーこれからは気力を普段とおり保てるようになると思います。

そうなれば、ブログ関連のことも
活発になれると思うので、
より積極的に関わっていけると思います。

のしてんてん様も毎日の町掃除修行、頑張ってくださいね。
偶には、後ろ歩きも試してみてください。
普段使っていない筋肉を鍛えるのにいいと思うので。
返信する
おはようございます (のしてんてん)
2019-06-01 07:59:45
余計な装飾を取り払うという事はとても大事だという事が、Keiren様の身をもってのお話で、気付かされました。
私の方こそ、感謝申し上げなくてはなりません。
ですます調はブログを書く際に、見えない相手を意識してしまって、ついその人に向って書いてしまうという、これは私の悪い癖なのかも知れません。
心の底に、嫌われたくないという思いで過ごした少年期の心が今も生きているんだと。そんな発見をさせてくれました。

凡人の宇宙論は、私が体験したことだけを素材にして、心に残る科学の言葉と関連付けたものですので、非科学的な部分も自覚しておりますが、まずはお楽しみ頂ければ嬉しいです。


返信する
keiren様 (のしてんてん)
2019-06-01 08:14:50
私が草引きをしているマーブルビーチは、2キロほどの直線遊歩道があります。

そこを時々後ろ歩きしてます^よ^
いつも使う筋肉が逆になって、足の前の筋肉が痛くなります。
その分強くなっているのでしょうね。

私の体験では気力もまたエネルギー、波だと思います。
みなぎる気力も
なえる気力も
私の場合、そのありのままの波を受け入れるようにしています。
なえる気力には苦悩が伴うのですが、それを越えたらさらなる気力がやってくる。
まるで階段を上るようにですね。

だから気力がなえた時、
それは波の底辺で、それがなかったら波は成り立たないと思うと、なんとなく萎えた自分もありがたく思えます。

そんな時な、何かしなくてはならないという思うを捨てて、萎えた気力を抱きしめてやる感じですね。
そんな感じで乗り越えてきました。

私の風景から見ると、これからの上り坂、楽しみですね。
返信する
追伸 (のしてんてん)
2019-06-01 10:20:39
「光子⒱
振動数νの光= hν ( h はプランク定数) として説明されるより、
c×cとして簡略に要約されているから
私には理解しやすい感じがしました。」

それこそ、Keiren様のおっしゃる通りだと思うのです。プランク定数を知らなければ光を語れないというのは本末転倒ですよね。
光はこの宇宙が生まれる前からあるものだと簡単に想像できます。科学などまだ生まれたばかり。でも間違いなく今この瞬間にも私を照らしているのですよね。

自分の持っている感覚と感性で、宇宙を考えたらいいと思ったのです。

自分には分からない言葉を、さも分かったように語る自分がいかに虚しいか。それが分かっていますので・・・(失敗しましたか^ら^)

探求者として、宇宙のことは科学に任せっぱなしにしないという思いですかねぇ

上の言葉に対する想いをどうしても書いておきたく追伸いたしました。
返信する
Unknown (Keiren)
2019-06-02 14:32:24
光子について最も知っている人は
アインシュタインでしょうね。
(アインシュタインの光量子仮説)

ある時期、私も光子の粒子に惹かれて
結構、調べた時がありました。

そうですね、科学的に証明するのは
科学者の仕事であって、
私達凡人は彼らの仕事でものごとが分かるようになるのでしょうね。

宇宙が終わる時
最後の素粒子が消えて、
やがて、ブラックホールも消えて、
全てが消滅された時、
『時間が意味を成さない』ようですね。

私も私流の方法で
時空間を理解しているから、
人それぞれ分かっていく道は違うと思います。

今日はうちらの結婚3年目になった日なので
朝から出かけてました。
返信する
keiren様 (のしてんてん)
2019-06-03 00:02:26
結婚三周年おめでとうございます。
互いの思いが、3年目になると自然になじんできて、お祝いも楽しかったのではないでしょうか。

光を波と考えるか、粒子と考えるかという問題を科学がどう決着をつけるかというのは、興味深いことですね。

粒子と波の二面性を持つ光を説明できる理論はいつか生まれると思います。そのときはおそらく、空間が物質を生み出すという真理に基づいているのではないかと思います。
私の考えで言えば、粒子は物質であり、波は空間。光がその二つを兼ね備えているという科学の答えは、深い安心感を与えてくれるように思います。
この身を包んでくれている「c」をアインシュタインが身近に示してくれたという事でしょうか。

私が宇宙を知りたいのは、知識のためではなく、己の呼吸と心の悟りに行き着きたいためなので、その理解は当然それぞれの違いがある筈ですね。

その違いを共有することがこれからの時代には必要なのではないでしょうか。

一色に染まる怖さを持ちたいです。
道の違いを喜びたいと思います。

返信する
Unknown (keiren)
2019-06-03 01:45:49
>一色に染まる怖さを持ちたいです。
道の違いを喜びたいと思います<

上記は、私の基本路線と直結しているから
真正面で受けました。

私は色が色彩学的には好きですが、
日常では色を排除しています。

のしてんてん様の画流が好きなのも
色を極限的に抑えているからでもあります。

無差別に色を使うのは
私にはあまり好きになれないです。
知識も、知っているからといって
無差別に使う人を嫌うから
そんな路線で
のしてんてん様と共有できる何かがあると思うのです。

今回の相対性理論シリーズは
その証でもありますしね。

色の使い過ぎ、
知識の見せびらかし、
それらは誘惑でもあるので、
怖さを知っていきたいのかな。


返信する
おはようございます (のしてんてん)
2019-06-03 10:05:10
絵を描く者として思うことは、色彩は雰囲気なんですね。
私は移り気な性格なのかも知れないですが、色が苦手で、普通の油絵を描いていた時も色を、もの(絵の具)として扱っていたように思います。色を見てたら絵が進まないというのか、違う世界に迷い込む感じがしたものです。

絵を描くのは知識ではない。自分の命の体感なので、それを飾り立てたくないという事でしょうか。

その思いがつながって嬉しいです。

「私は色が色彩学的には好きですが、
日常では色を排除しています。」

この感性はよく分かるように思います。ように思いますというのは、思い違いもありますので、断言を避けたのですが、色彩学という言葉に、ご自分の中で体験する掛け値なしの色彩を感じていらっしゃる。そう思いました。

色であれ言葉であれ、自分の心と直結していないものは、やはり寂しいですからネ。



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