絵画を発表するときにはどうしてもタイトルを要求されます。
しかし実際には、私の絵画にタイトルをつけることが出来ないのです。
言葉で言い表せないからこそ絵で表現しているのですから当然のことです。
心の絵に対して言葉を使ったとたん、その言葉が絵画の可能性を縛り付けてしまいます。鑑賞者はタイトルによって絵を見る前から色めがねをかけさせられてしまいます。
「具体」の理念から言っても、タイトルは精神が物質を従属させる危険性をはらんでいるのです。
そこで私は、鑑賞者が自分で意味を考えなければならないものをタイトルにしました。
それが「のしてんてん」です。
のしてんてん
韓国の友人がプレゼントしてくれたこのバナーが示すように
心という漢字をを分解して言葉にした私の造語です。
「のしてんてん」を作り出したことで私の創作活動はとても楽になりました。
言葉から自由になると、心はすぐそこにあるのです。
こうして作者も鑑賞者も、絵という物質を通して自由な自分の心の空間を見つめることが出来るようになったのです。
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