徒然なか話

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オードリー・ヘプバーン 没後23年

2016-01-20 15:19:35 | 映画
 今日はオードリー・ヘプバーンの没後23年にあたる日。毎年、この日には彼女の出演作を振り返ることが習慣になった。彼女が生涯で出演した作品は意外と少なく、25本くらい(主役級のもの)でしかない。その中には「ローマの休日」「麗しのサブリナ」「昼下りの情事」「ティファニーで朝食を」などのように大成功したものもあれば、失敗作といわれるものも何本かある。しかし、今となっては、失敗作といわれる作品の方がむしろ愛おしい。そんな中の1本、「許されざる者」をあらためて紹介したい。なお、僕自身は決して失敗作とは思っていないのだが。

 彼女の出演作の中では異色中の異色、唯一の西部劇である。僕にとっても思い出深い作品の一つだ。公開されたのは1960年(昭和35年)、中学3年の時だった。製作中から「スクリーン」誌などで取り上げられていたので、逐一チェックしていた。オードリーが撮影中の落馬事故で大怪我をして製作続行が危ぶまれた時期もあった。待ちに待った公開が、熊本の洋画封切館「新世界」(今のパルコ)で始まると早速観に行った。映画評論家らの評価は散々なものだった。いわく、中途半端なアクション、中途半端なヒューマン・ドラマ、尻切れトンボ(ジョン・サクソンが途中で消えたり)、オードリーの起用は間違い等々。何せまだ中学生だったから、そんなものかなぁと思った。その後、ヒューマンな歴史劇にしたかったジョン・ヒューストン監督と、大活劇にしたかった製作会社ヘクトヒル・ランカスタープロ(主演のバート・ランカスター主宰)が、作品のコンセプトで衝突し、妥協の産物のような作品になってしまったという情報も伝わってきた。さらにそのジョン・ヒューストン監督が、自分の作品の中で最悪の一本と述懐したとかいう話も伝わってきた。その後、今日まで僕はこの映画をDVDなどで5、6回は観ているが、観るたびに、そんなに出来の悪い作品なのだろうかという疑問が段々強くなってくる。オードリーはチャーミングだし、名優たちの丁々発止のやりとりは作品の風格を感じさせる。同じアラン・ルメイ原作の「捜索者」(ジョン・フォード監督 1956)がアメリカ映画オールタイム・ベスト100の12位(西部劇では1位)にランクされていることを考えると、いったいこの差はどこにあるのだろうと思わざるを得ない。

【あらすじ】
 テキサスの平原で営む牧場がやっと軌道に乗り始めたザカリー家の長男ベンは、周囲の信望も厚く、いよいよ今迄でも最大規模のキャトル・ドライヴに出ようという矢先、妹レイチェルの出生をめぐっての悪い噂が立ち困惑した。その主はかつては彼の父のパートナーだった老人ケルシー。妹が養女であるのは確かだが、カイオワに殺された移民一家の生き残りと、亡父からは聞かされていた。それをケルシーは、彼女はカイオワから奪った娘でやがてその報いがあるだろうと、不気味な予言をし、ベンの仲間たちも怒って老人を吊るし上げるのだが、彼は真相を知るザカリー家の母を冷たい目で見つめるのだった……。そして、一家は孤立し、レイチェル奪還に現われたカイオワたちと死闘を繰り広げる・・・。(allcinemaより引用)


生涯唯一の西部劇となる


撮影中の落馬事故で大怪我をして製作続行が危ぶまれる


往年の名女優リリアン・ギッシュと


大スター バート・ランカスターと


西部劇スター オーディー・マーフィーと


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (小父さん)
2016-01-20 16:26:37
この作品は1992年のクリント・イーストウッド監督のものや2013年の渡辺謙主演のものとは関連性はないんですか?

素朴なオードリーの格好に惹かれるものがあります。
ストーリーにも興味が湧きますね。

「麗しのサブリナ」のことを話しても知らない若者の方が多いですが、これをBSで観た時なんて可愛いんだと思ったものです。

西部劇映画って今本当にすくなくなりましたね。

昨日は運よく「赤い河」が放送されましたのでじっくり観ましたよ。

ローハイドを観ていたのは随分昔ですけど、カウボーイの姿はこんなんであったのか、なるほどなるほど感心したものです。

比較するには時が経ちすぎていますが、ローハイイドは放送時間内に完結していたのでまとめられている気がしました。

それに、たくさんの牛を使っての撮影には圧倒されました。
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Re: 小父さん様 (FUSA)
2016-01-20 19:37:16
クリント・イーストウッド版とは全く違う話です。
アメリカでも大傑作になりそこなった作品という定評があるようです。
もうヘプバーンと聞いてもピンとこない世代が多くなっているんでしょうね~(涙)

「赤い河」のトーマス・ダンソンとか、「捜索者」のイーサン・エドワーズというのは、良くも悪くもアメリカを象徴する人物なんだと思いますね。でも両方とも最後は身内からしっぺ返しを受けるところが似ていて、ホークスもジョン・フォードもそこらへんはちゃんとわかってたんですね(笑)
昔はCGなんかありませんから、牛の大群の場面では本当に牛の大群を走らせなくてはならなかったんですね~
まぁ、そういう意味では昔の映画作りの方が真面目だったと言えるんじゃないでしょうか(笑)
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