監修者の考古学者の先生に大首飾りの試作品を送って、試作品に切削傷を付けさえすれば見分けが付かないという事が解って一安心。
沢山の宿題を貰って帰ってきたが、このプロジェクトの大きな意義がより鮮明になってきた。
試作した煙水晶のナツメ玉、赤瑪瑙の丸玉、青碧玉の管玉。
249点の内、ヒスイと滑石以外の石材が、現在では枯渇や安価な外国産に圧されて国産品が入手できない現実。
糸魚川ヒスイの未来を暗示しているようにも想えるが、創業6年を迎えた縄文好きの零細工房の名誉という個人的な意味合いを越えて、奴奈川姫と古の職人達や玉類を身に付けていた人々が、稀代の好事家、松浦武四郎を通して時空を超えて何かを訴えようとしているのではないか?
来し方を今一度振り返り、現代の産業や流通、社会の在り様まで想いを馳せてしまう。
大きな流れにいることは間違いないと確信している。