縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

勾玉形の石笛・・・ちょっと一休み

2018年03月25日 18時50分50秒 | ぬなかわヒスイ工房

大首飾り作りに明け暮れていたので、気分転換に久々の石笛つくり。

勾玉形の石笛を以前から作りたかったが、すでに先に作っている人がいるようなので思いとどまっていたのだけど、要望も増えてきたので重い腰を上げて作ってみた。

姫川薬石で作ったが、これまで作ったなかで最大の勾玉・・・手を滑らせて落とさないように、敢えて鏡面仕上の手前に研磨。

 

人に真似される事は多くても人の真似はしない流儀だし、オンリーワンのオリジナル作品に拘っている。

そこで他の人の石笛デザインと被らないようにネット画像を検索してみたら・・・。

幸いにも勾玉に孔を開けただけの「吹けば音がする・・・掠れて小さな音だけど」といった程度の作品しか見当たらず、安心して作成。

孔を吹くと音がするから石笛だというのなら、大珠や大き目の勾玉は石笛ということになってしまう。

 

因みにネットで縄文時代出土の石笛として流布している情報の9割以上は、何の検証もないまま大珠や垂れ飾りを石笛と誤認しているだけのようだ。

恐らく某神道系教育サイトの誤認情報が孫引きされて拡散したらしい。

私はそれらの情報を出土地の埋蔵文化財センターや教育委員会、出土品を管理する大学の考古学者に問合せて、実測図や俯瞰写真を送ってもらって確認しているのだけど、問い合わせた専門家たちも「えっ?うちの遺跡から石笛が出ているんですか?初めて聞きました。」というようなのばかり(笑)

石笛と断言できる人は当の縄文人しかおらず、我々現代人は様々な検証をした上で「石笛と推測される出土品」くらいしか言いようがないのだ。

取敢えず無難なところで紐孔と背中が吹けるようにした。オクターブ超えは無論、ちゃんと楽曲演奏できる操作性も持っている。

各地で引っ張りだこの有名な石笛演奏家から要望されて、長らく待って頂いていたのだが、守山鷲声さんではない(笑)

 

Nさん,こんなのでよかったらヒスイで作りますが如何?(笑)

 

 


植物の潤いに癒される・・・大首飾りプロジェクト

2018年03月25日 09時06分45秒 | ぬなかわヒスイ工房

アメリカのお客様からコケ玉の土産を頂いたので、自作の縄文土器式抹茶茶碗に入れて工房に飾った。

大首飾りに没入しており曜日も分からなくなっているので、こういう時の来客は助かる。

来月は縄文時代のヒスイ装飾品を研究しているオランダ人の考古学者も訪ねて来るが、これまでの活動に興味を持つ専門家が出て来たことは慶賀の至り。

茶道を学んでいた時に縄文土器で抹茶茶碗を作ってみたが、素焼きなので飲むと唇の水分が吸われてくっついてしまい、使い物にならなかったので丁度いい植木鉢!


寝ても覚めても大首飾りという状態だったので、植物の潤いに癒される。

亀ヶ岡式土器もどき・・・

煙水晶の丸玉が完成・・・1点づつ寸法が違うのでナンバリングしてある。

 

最近は、考古学者ばかりか鉱物学者や異分野の職人の知恵も借りて、瑪瑙の染め実験や他の石材の変色実験も行っている。

大首飾りに色合いを似せるための変色実験・・・苛性ソーダ溶液に浸してみる

瑪瑙の染め実験・・・成功したらすぐに真似して「古墳時代の出土品」としてヤフオクに出品する輩がいそうだから、溶液は秘密だ(笑)

蛇紋岩とロディン岩の染め実験・・・これも秘密!

 

使う技術かどうかは別問題で、次々湧き出る疑問を検証していかないと次に進めない性分だから仕方ない。
「大首飾り」は茫漠とした大海のよう。
難破しないために、見えた島影は調べる必要はある。
趣味は仕事にしない方がいいとよく聞くが、好きな事を続けて仕事になると、お金にならなくても人生愉しいぜと、私は想う。