ノブさんを稚児ケ池での慰霊の後に長者ケ原遺跡と姫川に案内した。
姫川に足を浸して石拾いに興じるノブさん。彼はご神事で火打石を使うそうだが、この日は火打石に最適なチャートを拾えて喜んでいた。正面向こうには、頂上にヌナカワ姫を祀る黒姫山がばっちり見える
長者ケ原遺跡に案内した誰もがそのおおらかで優しい雰囲気に癒されるというのだが、それは天津神社と稚児ケ池も同様で、ノブさんも同じことを言っていた。
竪穴住居内でイダキ演奏・・・物凄く濃密で贅沢な時間。
長者ケ原遺跡の東端は谷地があり、縄文人が沐浴やドングリの水晒しをした場所らしき小さな谷川が流れている。
夏でも涼しく、とても気分のいい所だが、ガイド無しだと誰も訪れることもない秘境的な場所。
案内した人の多くは清流に足を浸したり口に含むのだけど、なんとノブさんは大事なイダキを谷川で洗った。
いくら油気の多いユーカリとはいえ、湿気を嫌う木管楽器を小川で洗うというプロ演奏家の予想外の行為に驚愕!
彼にとってイダキは身体なのですな。
そして子供のように純真な人。
この谷川は城之川の源流部だ。
現在の市街地では暗渠化されて見る事はできないが、城之川はヌナカワ姫を祀る神社脇をの通り、幅5mくらいになって日本海に注いでいる。
糸魚川市教育委員会の学芸員さんに聞くところによると、長者ケ原遺跡で加工されたヒスイは神社付近にあった集落前に広がる沼地で丸木舟に載せられ、城之川を経て日本海に出て各地に運ばれたと推測されているそうだ。
すなわちこの谷川こそ海のヒスイロードの源流部。
すなわちイダキは丸木舟。
丸木舟は離れた人を繋ぐ原始の乗り物。
ノブさんは繋ぐ人なのだな、と納得。