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永遠のニシパ・・・松浦武四郎のドラマに寄せて

2019年07月14日 09時49分13秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

幕末の蝦夷地探検家の松浦武四郎を主人公にしたドラマがNHKで放送される。

ニシパとは旦那を意味するアイヌ語だから、永遠の武四郎旦那ということになる。

内容に期待はしていないけど、彼の存在を知ってもらえることと、昨年追い続けた武四郎の歩いた風景を観ることができるという点で愉しみ。


武四郎記念館から依頼された彼の遺品「大首飾り」の複製が完成した時、身に付けた写真を学芸員に見せたら「武四郎本人の写真だと思いました!」と驚いていた。

現存する唯一の松浦武四郎の写真には、大首飾りが飾られている。

 

有名なイケメン俳優に主演させないと視聴率が取れないのだろうが、リアルさを追求するならアウトドア系バックパッカーでもある私に主演させるのもアリだと思うが( ´艸`)


彼の研究家が口を揃えて「武四郎は知れば知るほど面白い男」と言う。

吉田松陰と一枚の煎餅布団を被り、一晩憂国を語り明かした尊王攘夷の志士。

超絶な健脚を持つ旅行作家、名文家、優れた画家、探検家、本草学者、和人から収奪や暴力を受けていたアイヌの窮状を世に知らしめた孤高のフリージャーナリスト、アイヌ文化研究家、そして北海道の名付け親。

明治政府の同化政策で途絶したアイヌの祭礼を復活させる時、武四郎の遺した図解入り詳細記録を元が役立ったと聞いている。

玉類243点が繋げられている完成した大首飾りの複製。昨年は北海道各地を巡回展示していたので観たよ!と、お世話になったアイヌの方から手紙を頂いた。


北海道でアイヌ女性と会った時、武四郎が大首飾りを作った理由を知りたくて旅をしていると言ったら、急に直立不動の姿勢となり「武四郎はアイヌの味方です・・・」と、涙を流しながら彼女がそれまでに受けてきた差別を語り出した。

私が作った「平成の大首飾り」は、伊勢松阪市の「松浦武四郎記念館」に収蔵展示されているが、訪れることがあれば彼の描いた「アイヌの鶴の舞い」の掛け軸にも注目して欲しい。

画面の右上から左下にかけて流れるように、鶴の舞いをするアイヌ民族が生き生きと描かれている。

本当に愉しげで歌声やざわめきまで聴こえてきそうだ。

武四郎の柔らかくも温かい眼差しを感じる。

理不尽に対しては命をかけて激しく糾弾する強い男。

異文化を柔軟に受容し、敬愛の念を露わにする。

こんな人になりたいと思える人。