ヒスイにおける「モノ売りからモノガタリ発信」の一環として、古代風首飾りをレンタルすることにした。
大小ペアの首飾りで、男性的な意匠の大きい「ぬなかわ彦」、女性的な意匠の小さい「ぬなかわ姫」だ。
2018年に松阪市から注文を受けた「平成の大首飾り」の経験を活かすべく、実測図を手本にした弥生~古墳時代の勾玉類をメインに据え、切子玉、管玉、丸玉で作られた首飾り。
某大学の考古学教授から、玄人でも古物と見分けが付きがたいので、売ってしまうと古物と偽って転売される恐れがあると指摘されてしまい、「大首飾り」複製と違ってエイジング加工していないし、レンタル専用にした経緯があるのデスヨ。
「ぬなかわ彦」は円周81㎝、重さ199g
「ぬなかわ姫」は円周71㎝、重さ168g
ぬなかわヒスイ工房の来客にも身に付けてもらえるように、桐材で箱も自作。
焼印を特注して正解でしたねぇ・・・。
「ぬなかわ彦」は「ぬなかわ姫」の父親、「黒姫」はその妃の名前であると同時に「ぬなかわ姫」と口碑にあり、政治的族長である「ぬなかわ彦」と妃の「黒姫」の間に生まれた子供の中から、巫女の才能がある娘を選び、祭祀リーダーの「ぬなかわ姫」として、代々と世襲した母系集団が、古代ぬなかわ族なのであると私は推測している。
弥生時代中期~後期にかけて、東征を続ける出雲勢力がヒスイ交易権を巡ってぬなかわの民と争いになり、戦に負けたぬなかわ郷は出雲の支配下に置かれ、ぬなかわ彦は殺され、ぬなかわ姫は能登に拉致され政略結婚させられたが逃げ帰って自害された・・・考古学と口碑、古文書などの検証から私はそう結論付けているが、このペア首飾りは、昨今の糸魚川で莫大な宣伝費をかけて官民挙げて喧伝されている「古代のラブロマンスをテーマにした観光客誘致策」へのカウンターカルチャーであり、ぬなかわ一族の慰霊でもある。
むろん、モノ消費、もしくは希少鉱物としての価値ばかりが取り沙汰されるヒスイを取り巻く現状に対し、文化的価値にも興味を持って欲しいという願いもある。
ぬなかわヒスイ工房の来客には、首から下げて記念撮影してもらいたい。
レンタル価格は当面は応談だが、興味ある方は観に来て欲しい。
願わくば届いて欲しい・・・ぬなかわ姫へ!