以前から気になっていた、有間川漁港に停泊している木造ヨットが、メンテのために上架されていた。
木造というだけでクラッシックなのだが、船首から槍のように突き出た「バウスプリット」が帆船のような絶滅危惧種のヨット。
しかし、水押し(みおし・バウ)が垂直になった「サバニ船型」、ウイングキールと、船体はモダンな設計だから帆走性能は高そう。
もしや天才ヨットデザイナー横山晃の設計では?と、物音のするキャビンに声をかけたら、オーナーが出てきて、上がってきなさいと声をかけてもらった。
やはり設計者は横山晃で、20年かけて自作!使用材はマホガニーとチークという現在では入手できない超高級材!
頂いた名刺を頼りに調べたら、オーナーは日本有数と評判の脳外科医だった。
「スマートで、目はしが利いて、几帳面、これぞ船乗り」という格言そのままのオーナー。その名は江塚勇船長。船名はEzkism号
新潟大学医学部時代にはボート部所属、音楽家であり登山家でもある多趣味な紳士。糸魚川の高名な登山家の故小野健さんとは、登山仲間だったとのこと。小野さんは親父とも友だちだった。
ナイトクルーズが好みで、越佐海峡を横断して佐渡一周クルーズをした時などは、360度全周が満天の星で、天の川が水平線から水平線へと繋がって観えたそう。
私は客船でのナイトクルーズ経験はあっても、プライベートヨットではデイクルーズしか経験していない。
小さな船の方が見晴らしはいいし、マストトップの航海灯だけで済むので星空も凄いだろう。今時はアルミ製が普通だが、マストもブーム(帆桁)はスプルース製。オーニング(日除け)のフレームはハホガニー製。
今度は能登へ行きたいというので、クルーを志願した。すごい先輩と知り合ったもんだ。