縄文人(見習い)の糸魚川発!

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ヒスイの神様がやってきた!・・・大首飾り令和の大改修

2021年12月24日 09時18分26秒 | ぬなかわヒスイ工房

俳優の斎藤晴彦さんだったか不破万作さんだかが、「芝居の神様っているのよ。どんな客が入らない芝居だって、くさらずに一生懸命やってると芝居の神様がちゃんと見ていて、ある日突然、客が入り出すんだ。」と、高校の頃に観たTV番組「今夜は最高!」でタモリさんに言って、「でた~、アングラ役者の苦労話!」と、いじられていたのを覚えている。

ヒスイ加工も同じで、集中し続けていたら神様がやってきたと実感することがある。

「大首飾り令和の大改修」は玉類243点をPEラインから絹糸で繋ぎ直し、あとは装飾用の絹紐を取り付けるだけ。実質2週間ほどかかった。
 
「平成の大首飾り」の時は実物と同じ太い結束用の絹糸の他に、装飾用の直径1㎜の三つ撚り絹紐が見つからず、八つ撚りの江戸組紐で代替したことがずっと心残りだった。専門業者に問合せしたら、絹の三つ撚り紐はどこも作っていないと言われたが・・・。
直径0.4㎜の絹紐は、京都の「西陣の絹糸屋」さんで見つけることができた。左が絹糸で右が「平成の大首飾り」で使ったPEラインで、撚りの緻密さと光沢が段違いに美しく、結束の時にきゅっと締まる感じもいい。
 
それでもあきらめきれず、タイムリミットぎりぎりまで粘っていたら、なんと検索トップに三つ撚りの絹紐の画像がでているではないか!
 
三つ撚りの絹紐を売っていたのは「パーツビレッジ ハーテン」さんで、なんと上京のたびにパーツの買い出しに行く浅草橋の店舗だった。
 
3年越しで探し物が見つかったことが嬉しくて電話で興奮気味に詳細を確認していたのだが、商品に「お手伝いできてうれしいです!」とかわいらしい女文字のメッセージが添えられていた。美人に違いない!来年11月の個展で上京する時は、お礼参りしようではないか(笑)
左が「パーツビレッジ ハーテン」の絹紐。右が「平成の大首飾り」の時の飾り紐に使った八つ撚りの伊賀組紐で、連結用のPEラインともども交換前。三つ撚り絹紐をつかった実物の飾り紐はふんわりと柔らかい印象があるが、伊賀組紐はみっちり堅くて重い印象だったのが心残りだったのだ。取り寄せた三つ撚り絹紐は、寸法と風合いとも実物とよく似ている。
 
ぜんぶ組み上がったので、これより立てて飾っても結束が抜けないかの実証実験開始。
 
きっちり堅く結べたので抜ける恐れはないとは思うが、期限の限度までは経過観察して、大丈夫なら飾り紐をつけて完成、そして納品だ。
 
大首飾りプロジェクトのお陰で、異分野の青碧玉・赤メノウ・水晶といった玉類、絹糸と絹紐に詳しくなったので、仕事は学びなのだと実感する。これで責任は果たせたし、心残りはなくなったので緊張の日々から解放された。近所の温泉にでも入ってゆっくり休もう。
 
 
 

 



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2 コメント

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Unknown (mash1125(世界の街角))
2021-12-26 14:45:36
時々拝見していますが、素晴らしい出来栄えですね。相当な技量をお持ちと推察します。
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恐縮です (縄文人(見習い))
2021-12-26 18:57:29
お褒めの言葉、痛み入ります。
できる限りの努力はしましたが、過去の作品をみるたびに拙さを感じて手直ししたくなる未熟者でございます。10年後を期待して応援のほどをよろしくお願いいたします(笑)
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