ドキュメント「土版を石でつくる」その1
実用品ではない「第二の道具」の土製品で、土版(どばん)という縄文晩期の遺物があり、石でつくってほしいと昨年11月の依頼に取り組む。4ヶ月も前に頼まれていたのだが、体力が回復するまで待ってもらっていたのだ。
土版は東北を中心に関東や中部日本の遺跡から出土する亀ヶ岡文化圏の遺物で、土偶を抽象化したものと推測されている。
呪術や護符と推測された遺物で、ふたつある小穴が目のようにみえるのは、「睨みかえし」の意味があるのか、紐で吊るす用途なのか、あるいは両方の意味があるのだろうか?と観察。
観察の次は学芸員の友人知人たちから教わった勾玉の実測図形とり方法に準じて、直角定規をあてて鉛筆でプロットして、線でつないでアウトラインを写し取る。
腹部のエグリ部分に直角定規を当てにくい勾玉の実測図などは、本職の仕事でも実物とは似ても似つかないものもあるw。立体物を二次元表現するのは難しく、わたしはさらに二次元から立体物にもどす仕事をしているので、実測図と写真を見比べて補正した実測図をつくらないとダメなのですわ。
ふたつある小穴の位置は、模様の基準点にするため正確に写す。
こういった仕事を頼まれるのも、請け負うのヒスイ職人はわたしくらいだろうな・・・たのしいデスw
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