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雪深い鄙の郷から文化発信・・・十日町ミティーラ美術館

2014年12月21日 09時12分08秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

 

15年振りくらいに十日町にある「ミティーラ美術館」を訪問。

この美術館は、インドのビハール州ミティーラ地方の民家の外壁に描かれた壁画をコレクションした世界唯一の個人経営の美術館。

本来は壁画なのだけど、オーナーの長谷川さんがその芸術性に着目して、ミティーラから画工を招いて絵を描かせたのである。

板を張った木枠にモルタルを仕上げした上に壁画を描かせたり、長谷川さんのアイデアで紙に描かせたり、画材やタイトルを様々にプロデュースして、それまで人に知られていなかったミティーラ美術を世に出したのである。

ミティーラ地方は壁画だけでなく、テラコッタも有名。よく地震で倒壊しなかったもんだ。

オーナーの長谷川さん。浅草橋出身の江戸っ子で、元はミュージシャンだから相変わらずダンディー。

 

久し振りに訪れる美術館は、雪に埋もれていた。

12月のミティーラ美術館は、訪れる人も少ない白一色のモノトーンの世界・・・廃校を利用しているので、アプローチへの除雪は個人負担。

 

中越地震で相当に揺れたそうだが、個人経営の美術館では修復も大変ということもあり、記念碑の意味を込めて事務室の壊れた壁画はそのままにしているそうだ。

地震で崩れた壁画が長谷川さんの頭を直撃して、危機一髪だったそうだ。

 

景気が悪くなってから行政からの助成金も無くなり、かってのように各地で巡回展覧会を開くことは無くなったそうで、来客時以外は無人である。

俺は巡回美術館のボランティアをしていたことがあるので、寂しい限り。

当時はインド人の画工や、長谷川さん一家とボランティアスタッフが寝泊まりしていて、お祭り騒ぎの日々だったのだ。

しかし不景気だの行政支援がないといっても、長谷川さんは意気軒昂だ。

鄙びた山村に、わざわざ長谷川さんに会うためにインド大使やインドの財界人が訪ねてくるのだ。

今や長谷川さんは、対インド貿易のキーマンとして財政界の注目を集めている文化大使。

雪深い越後の田舎から文化を発信する熱い男!

格好いいねえ。