縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

ウ~ム、マンダムとラッタッタ~!・・・大林宣彦監督の功績

2020年04月12日 09時19分42秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
映画監督になるには、映画会社に入社して脚本家か助監督を務めてからという常識を崩したのが、学生時代から8㎜カメラで自主製作映画を撮ってはアングラ発表をしていた大林宣彦監督の世代。
 
新進気鋭の大林監督の才能に目を付け、テレビCMの監督を依頼したのが電通で、大林さんは外国人俳優を起用して短編映画のような革新的なイメージCMの傑作を連発、多くの流行語を生んだ。
周囲の大反対を押し切り、男性化粧品とは真逆の男くさいチャールズ・ブロンソンを起用して「ウーン、マンダム!」とだけ言わせ、男でも化粧品を使うことへの罪悪感(笑)を払拭することに成功!
イタリアの大女優、天真爛漫なソフィア・ローレンにホンダのスクーター「ロードパル」に乗せ、商品名とは無関係の「ラッタッタ~!」とだけ言わせて、男の乗り物だったバイクを女性向きのお洒落で便利な乗り物として認知させることに成功した。
 
あの当時の日本の男はブロンソンになりきって「ウ~ム、マンダム」と鏡に向かったし、田舎の老婆でもローレンになり切って「ラッタッタ~!」と颯爽とスクーターに乗っていたし、大人も子供もみんな真似をした。
ハリウッド俳優のカーク・ダグラスがインスタントコーヒーを美味そうに飲むという、現実にはあり得なそうな演出でインスタントコーヒーの高級感を演出!
 
黒澤明監督でさえも映画産業の斜陽化で黒澤プロの経営が苦しい中、やむなく受けたウイスキーのCMに、大林監督作品「さびしんぼう」を観た黒澤監督がCM監督に大林監督を指名し、大の露出嫌いの黒澤監督を御殿場の別荘でウイスキーを飲ませ、サングラスを外させた。
「初恋の恋人」カルピスCMは、当時絶大な人気を誇ったスケート選手のジャネット・リンを起用して「白い恋人」として売り出した。
 
映像作家としてのみならず商業広告界に革命をもたらせた大林監督の功績は大きい。
 
著名人、俳優の個性を引き出し、商品とマッチングさせて演出した大林監督は、人間が大好きだったのだと思う。
 
70年代以降は映画監督として快進撃を続け、晩年は地方創生の映画製作に活躍。
 
惜しい人を亡くした・・・。

青春映画の巨匠、大林宣彦監督を偲ぶ・・・青春デンデケデケデケ

2020年04月11日 09時59分50秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

映画監督の大林宣彦さんがお亡くなりになった。

思春期の心の揺れ動きを撮らせたらピカイチの大林監督は、ほんとうに繊細で優しい人。

黒澤明監督は、俺の跡継ぎと評価して「乱」のメイキング監督を任せ、映画評論家の淀川定治さんはベスト映画を聞かれるたびに、「全ての映画を愛しているのでどの映画もベストワンです」と答えていたが、晩年になってチャップリンの「ライムライト」と大林さんの「さびしんぼう」が生涯のベストと答えたそう。

尾道三部作の「さみしんぼう」も確かに美しい映画だが、私は「青春デンデケデケデケ」をイチオシ。

60年代にベンチャーズのエレキサウンドに衝撃を受けた讃岐の田舎町、観音寺の高校生が仲間とバンドを組んで、周囲の人々に応援されながら文化祭ヒーローになる3年間の物語りで、団塊の世代のロックミュージシャンに薦めると電源を電柱の街灯から引っ張ったり、お寺の本堂で練習したりなどのエピソードに共感して、みなさん涙を流して感動するようだ。

原作も面白い。映画化にあたっては舞台を湘南に変えたり、主人公を女の子にするプランもあったそうだが、大林監督の意向で原作に忠実に撮影されていて、このことにより普遍的な青春映画になった。

私はずっと下の世代だけど、誰もが「こんな高校時代を送れたら・・・」と感情移入して、主人公たちを応援したくなる映画。

偉大な監督の生涯に感謝を贈ると共に、多くの人にもご覧になって欲しいと紹介します。


「佳い」と「浅い」の断絶・・・いにしえの勾玉に学ぶ

2020年04月09日 07時51分15秒 | ぬなかわヒスイ工房
ある書籍で紹介されていた弥生時代っぽい勾玉の流麗な姿に惚れこんで、僅かな情報を頼りに調べたら、近畿地方の4世紀後半の前方後円墳から出土した勾玉であることが解った。
 
当該の埋蔵文化財管理者も詳細が解らないとのことだが、だいぶ昔に一般人が表土採取して現在は国立博物館に収蔵されているからとのこと。
実物は青碧玉だが、赤瑪瑙と水晶で「写し」を作ってみた。
 
これまで作ってきた私の勾玉は、カワイさとスマートさのバランスがいいと自負していたし、それなりに評判も良かったが、今回作った「写し」と比べたらオモチャのようにチャチに観えて仕方ない。
一言で言うとお手本は「佳い」のだけど、私のは「浅い」のだ。これは文化的背景によるものか・・・情けない。
「大首飾り複製」を作っていた2年前から赤瑪瑙や水晶の研磨も随分と進化したが、納得することはなく頭を悩ませていた。
 
そこで水晶加工の本場、甲府の原石・パーツ販売店「甲州屋」の望月社長に相談したら、独自開発した研磨資材のサンプルを大量に送って頂き、面白いように石英系の研磨ができた。
 
やはり餅は餅屋ですな。おぢちゃん、アリガトウ!
石英系の瑪瑙、水晶はヒスイと研磨方法を変えないと駄目で、これまでヒスイ加工の範囲内で試行錯誤していたが、デリケートな石材なので微細な研磨傷が入ってしまうことがあったのですヨ。甲州屋さんの研磨資材を工夫して、自分なりの研磨方法を見出せたのは幸い。
 
たかが勾玉、されど勾玉、実に奥が深い。
 
また1年生に戻った感じだが、振り出しに戻ったのでなく小学校を卒業して中学校に入学したのだろう・・・心機一転で精進するしかないですナ。

緊急事態宣言下の都市在住の糸魚川出身者の皆様に春のお知らせ

2020年04月07日 18時43分17秒 | 糸魚川自慢
緊急事態宣言下の都市在住の糸魚川出身者ならびに糸魚川ファンの皆様へ。
姫川右岸から黒姫山を望む
糸魚川に春を呼ぶ「けんか祭り」が中止になってしまい寂しい春ですが、季節は確実に春となりサクラは満開。
 
けんか祭りは濃厚接触どころか超過激接触の祭りだし、数年前の祭りの後にインフルエンザが流行って直会も中止になったくらいだから致し方ないですねぇ。
今日は上越市でコロナ患者が確認されましたが、糸魚川はまだ大丈夫。
来年の「けんか祭り」は倍返しかな・・・楽しみにしてください。

工房の掃除はお浄めなのである・・・エチケットマスクしましょ

2020年04月06日 07時59分42秒 | ぬなかわヒスイ工房
仔細あってどうしてもお守りの勾玉を注文したいという女性が訪ねて来るので、前日に工房内を大掃除して除菌スプレーをかけまくって準備。
 
勾玉や石笛を注文したい方は、さまざまな事情から人生の転機を迎えているお客様が多いので、迎えるこちらもそれなりの覚悟が必要だし、お客様の秘めゴトをうちあけられるのでセラピスト的な役割もあるのですな。
 
だから工房の掃除は神主さんのお浄めと同義と考えているので、コロナあっちいけ~!と念を入れる。
当方も普段から使い捨てマスクは常備しているが、時節柄エチケットマスクを持参してくれた。これは大事ですネ。
 
説明の興が乗ってくるとマスクが邪魔になってくるから、ドアを開けて私だけ外に出て話し、ついでに狭い工房の換気。
 
夜に笹倉温泉の日帰り温泉に行ったら、宿泊客激減で「潰れちゃいますぅ!」と嘆いていたが、3密を避けつつお金を回すのは大変。
 
みんな頑張れぇ・・・。

コレラ大流行・巨大地震群・台風災害が多発した安政年間

2020年04月05日 08時14分46秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
不安を煽るつもりはないが、昨年末に盛んに取り沙汰されていた首都圏直下型地震の危険がコロナ騒動の陰に隠れてしまった。
 
歴史を俯瞰すると、地震・疫病・台風災害・冷害・飢饉などが同時期に起こる時代があり、近い所では幕末の安政年間が首都圏直下型地震・コロリ大流行・台風による水害・南海沖地震・東海沖地震が相次いで起こっている。
 
嘉永年間の黒船来航につぎ、安政年間は社会不安が高まり、開国佐幕派と尊王攘夷派の対立が鮮明となった激動の時代で、その勢いが明治維新に繋がっていく。
 
歴史を学ぶ意義はここにあり、どんな酷い災難があっても生き抜いて今に命を繋いできた先祖の英知を学び、同じ轍を踏まないことにあると思う。
 
ただ庶民は今を生き抜くだけで精一杯。だからこそ政治家や行政マンは俯瞰的な視点を持って欲しい。
 
現内閣は場当たり的、保身的な対応に終始しているに観えて仕方ない。
 
興味のある方は、下記URLの国立公文書館の「天下大変」で端的に紹介されているのでご一読のほどを。

コレラ大流行・巨大地震群・台風災害が多発した安政年間

2020年04月05日 08時14分46秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
不安を煽るつもりはないが、昨年末に盛んに取り沙汰されていた首都圏直下型地震の危険がコロナ騒動の陰に隠れてしまった。
 
歴史を俯瞰すると、地震・疫病・台風災害・冷害・飢饉などが同時期に起こる時代があり、近い所では幕末の安政年間が首都圏直下型地震・コロリ大流行・台風による水害・南海沖地震・東海沖地震が相次いで起こっている。
 
嘉永年間の黒船来航につぎ、安政年間は社会不安が高まり、開国佐幕派と尊王攘夷派の対立が鮮明となった激動の時代で、その流れが明治維新に繋がっていく。
 
歴史を学ぶ意義はここにあり、どんな酷い災難があっても生き抜いて今に命を繋いできた先祖の英知を学び、同じ轍を踏まないことにあると思う。
 
ただ庶民は今を生き抜くだけで精一杯。だからこそ政治家や行政マンは俯瞰的な視点を持って欲しい。
 
現内閣は場当たり的、保身的な対応に終始しているに観えて仕方ない。
 
興味のある方は、下記URLの国立公文書館の「天下大変」で端的に紹介されているのでご一読のほどを。

屋根うらの絵本かき・・・外出自粛でぐずる子供にお勧めの漫画

2020年04月03日 07時39分12秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

コロナ禍で外出自粛を強いられる子供がかわいそうという投稿をみて、小学生の時に「月刊少年ジャンプ」で読んだ短編漫画「屋根うらの絵本かき」を突然思い出した。

漫画家のちばてつやさんの少年時代の実話漫画で、終戦時に旧満州に取り残されたちばさん一家が、親切な中国人の自宅の屋根裏で匿ってもらい、いつ出るかも分からない帰国船を待ち続けた体験がモチーフ。
 
屋根裏で暇を持て余す幼い弟のために、てつや少年は絵本を描いて与え、自分の作品が人を喜ばせることに喜びを見出して創作に励む。
 
この体験が後に「あしたのジョー」「のたり松太郎」を産み出した原点で、今でもちばさんのアトリエは屋根裏だそう。
 
「アンネの日記」を地で行くような体験談だが、映画「スタンドバイミー」を彷彿させる印象で、繰り返し読んだので50年近く経つのに思い出すだけで胸が熱くなる。
 
外出自粛でぐずる子供たち、生活の展望が観えず不安になる大人にも読んで欲しい名作。
 
また読みたいと検索したら、自伝エッセイ「屋根うらの絵本かき」と「ちばてつや短編集1巻」に載っているようだ。
 
注文しますよぉ、もちろんアマゾンではなく近所の本屋さんに!

福の神来訪

2020年04月01日 07時41分08秒 | 糸魚川自慢

親不知の漁師、松沢船長が、セイカイ(ウスメバル)、アジ、そして初めて見る八角という珍しい魚を持ってきてくれた。

魚の卸売価格も安くなって大変らしいが、漁師が「お魚券」を貰ったら「お肉券」と交換してくれるのか?換金してくれるのか?と政府景気回復案につき議論を尽くす(笑)
仕事が減ったフリーランス云々はともかく、漁師、農家、私みたいな職人などの個人事業者だって大変で、誰と話しても景気回復には商品券や焼け石に水の金額の現金より、生活必需品・食料は消費税はゼロ、贅沢品は20%が公平だよね、ということになる。
八角(はっかく)は水深100~200mくらいに住む高級魚らしい。
 
コロナショックは年内いっぱいは続きそうだし、オリンピックの来年夏開催も無理だよねぇというのも共通意見。
 
親不知には蛭子(エビス)という苗字もあり、昔から寄り物(海からの漂着物)が多かったことが伺われるが、エビスは福をもたらす漂着神、来訪神、漁業の神様で、七福神の中で唯一、日本オリジナルの神様でもある。
エビス顔選手権があれば、糸魚川代表に推したいくらいの松沢船長の訪問、まさしく福の神の到来。