縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

大雪で漁船が転覆!・・・雪国のヨットマンの憂鬱

2022年03月12日 07時27分17秒 | 田舎暮らし
所用で上越市に行くたびに「エズキズム号」の様子を観に有間川マリーナで寄るが、昨年の大雪では駐車場の除雪が追いつかず、積雪でトップヘビーになった漁船が転覆したそうだ。
上架してあった「エズキズム号」にしても、デッキの積雪でキャビンの屋根から雨漏り。雪国のヨットマンは冬も安心できない。
設計者の横山晃先生は、目をつぶって水になった気持ちでハル(船体)を撫でれば、船の性能がわかると仰っていたとのことで、撫でてみたら掌が船底塗料で青くなった。
どこから観ても美しいヨットで見飽きない。
 
昨年は雨漏りの補修とエンジントラブルがあって実現しなかったが、今年こそは佐渡や能登の航海を実現したいですナ。

3月10日は「東京大空襲の日」・・・歴史は祖先の遺言です

2022年03月10日 06時54分01秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
昭和20年3月10日未明の東京大空襲では、ヒロシマ・ナガサキに匹敵する11万人以上が死傷した。3月10日は盛大な式典が開催される「陸軍記念日」であり、米軍はこの日を狙って空襲したとする説もある。
ヒロシマ・ナガサキに比べて知名度が低いのは問題で、3月10日を忘れてはならない「東京大空襲の日」として顕彰すべきではないか。ちなみにヒロシマは13万人、ナガサキは7万人以上が死傷している。
 
にわかに信じがたいが、帝国陸軍は例年通りに空襲で焦土と化した大通りで軍楽隊を伴う大行進をした、と敗戦時の阿南陸軍大臣の伝記「一死、大罪を謝す」角田房子著・新潮文庫にあった。
 
国民の惨状を尻目に式典を強行した陸軍の愚行は、「海軍あって国家なし」と関係者から自嘲された海軍同様に「陸軍あって国家なし」と言っていいだろう。
 
ロシアがウクライナで使用したとされるクラスター爆弾は、「国際法に違反する非人道的行為」とアメリカは非難する。しかし東京大空襲で使用された焼夷弾はクラスター爆弾ではないのか。
 
米軍の言い分は、東京大空襲は軍需産業を支える下町の町工場を狙った戦略爆撃であり、無差別爆撃ではなかったと正当性を主張した。
 
しかし実際には江戸大火や関東大震災を詳細に検証し、日本家屋を作って効率よく焼き尽くす延焼実験まで行った、計画的な無差別爆撃であった。
 
米軍や日本に限らず、大義名分があれば無法も厭わないのが戦争。国際政治はキツネとタヌキの化かしあい。
 
戦争経験者なら、あちらが悪いこちらが正義などといった各国政府の公表を鵜呑みにする人はいないだろう。我々はただ道徳に従って判断すればいい、と思う。
 
*東京大空襲の絵画は墨田区ウエブサイトより借用
 
 

古代風の勾玉首飾り・・・定説が正しいとは限らない

2022年03月08日 06時57分06秒 | ぬなかわヒスイ工房
姫川薬石とピンクヒスイの勾玉を組み合わせた古代風にアレンジした首飾りを工夫している。
雑多な石を商品化するのは楽しい。ちっちゃくても紐孔の中まで研磨しておりますヨ。
 
すでに弥生時代は超小型の勾玉が存在していたし、古墳時代の「巫女形埴輪」が勾玉と丸玉を連ねた首飾りをしているから、この試みは勾玉の原点回を指向した復古調首飾りなのだ。
姫川薬石とピンクヒスイの超小型勾玉だけをズラリと繋げると、クレオパトラや卑弥呼の首飾りのようで迫力はある。しかし単価の安い商品でも11個もセットにすると高額になり過ぎるのが問題。
 
最初にヒスイ無しで組んだ首飾りを女友達にメールして感想を聞いたが、やはりヒスイを主役にすべきでは?とアドバイスされて仕切り直し。
中央に白系ヒスイを主役に据え、両サイドに赤系の姫川薬石をセットしたら安定感ができた。ヒスイは鏡面仕上げで薬石はしっとり感のある半艶仕上げにしてあるからコントラストもいい感じ。
 
戦後のヒスイジジネスの中で生まれたらしき「勾玉は逆C字に見える向きが表」とする定説に作り手とお客さんは自由であっていいし、小津安二郎の「どうでもいいことは流行に従う。重要なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う」といった価値観は大事ではないかと思うのだ。
白系ヒスイの両側がピンクヒスイの組合せ。こういった作品はネットより対面販売の方が売れるはず。
 
この試みが評価されたら新しい道が拓けると思う。真似する同業者もいっぱい出てくるだろうが、開発プロセスなきモノマネ商品はオリジナルの価値を逆に高めてくれるということは石笛で経験している。ネット検索した人が「ぬなかわヒスイ工房さんがオリジナルでしょ?似た石笛は沢山あったけどピンとこず、こちらのサイトにたどり着いたらオリジナルだとすぐに判りました。」とお客さんになってくれるのだ。
 
我、先駆者たらん・・・な~んちゃって(=^・^=)
 
 
 

勾玉の表はどちら?・・・勾玉の身に付け方

2022年03月06日 09時14分48秒 | ぬなかわヒスイ工房

勾玉の飾り方に数種類あり、お客さんに説明しても電話やメールでは伝わりにくいので、これからは勾玉の商品写真に仕立て方の違いを添えて選択してもらえるように工夫した。

現代の主流は逆C字形の横向き飾りで、勾玉が横を向かないようにウッドビーズを介在させた仕立て方。逆C字の向きにする理由は「尾頭付きは左に頭を置くのと同じで、勾玉はの表は逆C字形とするのが正しい」との説明を聞いたことがあるが・・・。

ウッドビーズは紐に通す面倒があるので、釣りのテグス結びをしてネジレ止めにするパターンもある。こちらの方がウッドビーズ式よりスッキリしているが、慣れないと綺麗に結べずないので紐が切れたら交換に困る人も多いと思うから、ぬなかわヒスイ工房では送料お客様負担で無料交換している。
 
しかし古墳時代以前は縦飾りが主流であったと思われ、紐の交換が誰でもできて、ビーズを追加してカスタマイズすることもできるし、個人的にはこちらの方がスッキリして好み。
 
「勾玉は逆C字の向きが表」の最初は、「紐孔を穿孔し始めた向きを表とし、判別できない場合は逆C字に置いた向きを表にする」という大正時代の考古学研究の便宜としての記述があることを戦前の専門図書で見つけた。この判別法の最後だけが広まったのではないだろうか。
 
つまりは「勾玉は逆C字の向きが正しい」は現代人の思い込みで、それをお客さんに「正しい」とは伝えたくない。勾玉の表がどちらかという問題は、個人の主観に委ねられるもので、横向きの勾玉は逆C字でもC字の向きでもよく、その日の気分で自由に身に着けてくださいと私は説明している。ちゃんと情報リテラシーをしているのだワタシはっ!
高さ13㎜前後の超小型の勾玉は、独自開発したシルバー製の八の字環のオプションもある。一般的には市販のバチカンやA環を介在させて紐を通すが、デザインに納得できないことと、いつの間にか外れて勾玉を紛失する可能性もある。
 
そういったモロモロの説明をいちいちしなくていいように、商品説明文も工夫している最中。
 
写真への文字入れはウインドウズ10の「ペイント」アプリで、ついでにnunakawaとサインも入れたが、これは私の商品写真がSNSで無断使用されていることが多く、そのことへの警告をこめた対策。
 
「ペイント」では個々の写真ごとに面倒な作業があるので、プロカメラマンの友人に教えてもらって一括サイン入れを勉強しているところ。
 
 
 

「英雄ポロネーズ」はロシア支配に屈しないポーランド人を称える楽曲・・・映画「楽聖ショパン」

2022年03月05日 10時52分59秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

「英雄ポロネーズ」は、帝政ロシアの支配に屈しないポーランド人(ポロネーズ)を称える楽曲なのだと、この映画で知った。

クラシック音楽に興味のなかった私でも、少年時代の大林宣彦監督が1945年版の映画「楽聖ショパン」を観たことがきっかけでピアノを独学し、映画監督を目指すようになったと知っては見逃せない映画。

大林監督は「結核で口から血を流しながらショパンがピアノを弾く場面を学芸会で再現した」場面が私の観た1945年版には見当たらず、戦前に撮影されたバージョンがあるらしい。

映画ではポーランドに残ってロシアへの抵抗活動をするのか?それとも外国に逃亡して音楽家を目指すのか?とショパンは悩み、周囲に説得されて音楽でポーランドの惨状を世に訴える選択をして、夜陰に紛れて海外逃亡をする場面が出てくる。
 
アメリカ映画でしょ?反共プロパガンダ映画じゃん!そう考える人もいるだろう。そう思うなら、色んな角度から自分で歴史を調べてみるといい。ちなみに当時のロシアは社会主義国家ではなくロマノフ王朝の専制君主国家だ。
 
ネット情報ばかりを鵜呑みにしない方がいい。ロシアのウクライナ侵攻に関して、陰謀論やフェイクとするSNS投稿を読むと、史実の偏向解釈、史実誤認、時代をごちゃまぜにした結論ありきの我田引水的な解釈のネット情報を根拠とする投稿が目立つ。
 
国際政治で語られる正当性や不当性がご都合主義であることは、太平洋戦争の敗戦をリアルタイムで経験した日本人なら身に沁みる常識。
 
太平洋戦争末期、旧ソ連が「日ソ不可侵条約」を反故にして、火事場泥棒のように中国東北部に武力侵攻、在留邦人への略奪・凌辱・殺戮といった非人道的行為を目の当りにした民間人や、シベリアに抑留された元日本兵捕虜は、ロシア側の発表を信じないだろう。
 
ヒロシマ・ナガサキ・東京大空襲の経験者は、西側諸国のいう「ロシアの国際法違反」に反感を覚えるだろう。
 
去年の2月に、某国大統領選挙の不正に対し軍事クーデターが起こり共和国樹立!不正な大統領選挙に敗れた候補者が、3月に初代共和国大統領として就任!とする投稿を多く目にしたが、選挙権のない外国の大統領選挙になんで日本人がヤイヤイと騒ぐのが不思議だし、事前に軍事クーデターがSNSで拡散されるのはフェイクだと疑わなかったのだろうか?言論の自由にも責任はあるのでは?
 
混沌とした国際政治の潮流に弄ばれるのではなく、われわれ一般人は人道上立場からロシアのウクライナ侵攻を考えるべきではないか?
 
 
 

ピンクのマンボウ君と友達の輪・・・桜マンガンの石笛

2022年03月03日 07時11分19秒 | ぬなかわヒスイ工房
ピンクのマンボウ君と呼びたい桜マンガン製の石笛は、北海道の女性から原石支給の依頼品。
基本的に頼まれた仕事は断らないから、今回のように名前も知らない石の加工相談で最初にすることは、ネットでモース硬度と有害物質の有無を調べて大丈夫なら原石を送ってもらう。
原石を観察したら深い石目が確認できたので、ここからからカットして原石の野趣を活かした石笛にしてはいかが?とメールして、了承を得てからスタート。
 
桜マンガンは腕の振るいようのある面白い石だ。
ピンク部分は糸魚川産のピンクヒスイ(ロディン岩)と結晶の入り方・色相・柔らかさもそっくりな石だから、おそらくは酸化したカルシウムではないか?
 
この部分はヒスイと同じ乾式研磨だと熱焼けして黄ばんでしまったので、湿式研磨をし直したら原石の状態より鮮やかなピンクにすることができた。
 
黒いマンガン部分は硬玉ヒスイの角閃石部分に似ているが、ピンク部分の流れで湿式研磨をしたらせっかくの荒々しい結晶がぼんやりしてしまい、ピンポイントで乾式研磨し直したらコントラストが付いてくれた。
ひとつの石で湿式と乾式を使い別ける離れ業が実に楽しいが、初心者の頃だと頭を抱えたに違いない。
 
試行錯誤しながら自分で解決法を見つけてきた積み重ねがノウハウになっているのだから、失敗は師匠であり工房は実験室でもある。
 
後日に依頼者が秋田真介さんの大麻飾りのお弟子ということがわかった。秋田さんからも黒曜石の加工相談を受けているところだ。
 
桜マンガンの雰囲気から、石笛の吹き孔を試験管状のKnobさん孔に仕立てたのだが、Knobさんとも友達とのことで喜んでいた。
 
ぬなかわヒスイ工房の顧客と友人の相関関係がわかったら、意外と世の中は狭いのかも知れない。
 
 

松本弘鈴庵の古民具コレクションの秘仏・・・超小型の七福神

2022年03月01日 06時46分53秒 | 田舎暮らし

松本弘鈴庵の古民具コレクションの秘仏を拝見。

高さ3㎜ほどの超小型の仏像?と思いきや、よくよく観察すると籾殻を光背に見立てた2体は、左側が米俵に座っているので大黒天、右側が頭巾の形から恵比寿であるらしいと視認できた。
後ろから見た図。右の丸いものは付属の蓋
銀杏の殻を真似たらしい大きい方は七福神。前列に籾殻に入っている大黒天と恵比寿と同じものが並んでいるので、同一人物の作品であるのだろう。
それぞれ蓋が付いている。
 
カミソリのような薄くて鋭い刃物を使ったのだろうが、どんなに眼がよくても肉眼では作ることは無理ではないだろうか。
 
しかし北斎は箒で巨大な布袋を描いた直後に、米粒に二羽の雀を描いて驚かせたという逸話もあるので、名人上手にしか見えない世界があるのかも知れない。
 
ちなみに撮影はあかねちゃんの大学生の息子君で、カメラはマクロ撮影機能のあるファーウエイ製のスマホ。