縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

ドキュメンタリー映画「テレビで会えない芸人」が面白い!

2022年04月18日 07時37分48秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
上越市の高田世界館でドキュメンタリー映画「テレビで会えない芸人」を観てきたが、実に面白かった。
ネタバラシになるが、「東京オリンピックね・・・オモテナシ~って・・・裏ばっかり!」というネタに、古今亭志ん生が得意とした、子供が思いついたことをポロッと呟く(ように感じる)クスグリを感じた。
 
志ん生の呟きは、当たり前だけど即興っぽく感じても実は弟子に試して笑うかどうかを試行錯誤して練り上げた芸。松元さんも舞台裏で苦悶する様子がつまびらかに記録されている。
 
松元さんの笑いの対象は原発村やオリンピック村などに象徴される組織の利権体質であって、特定個人ではない。
 
麻生元総理の真似をして、「私がこんなところで喋るのはミゾウユウのことなんですよ」と、簡単な漢字も読めない政治家が国政のトップにいることを揶揄してはいても、「これでいいのか?」と利権の圏外にいる庶民の代弁者としての問い掛けを明るく演じているので、揶揄されている側の自民党議員や官僚からも受けるのではないか。
 
テレビに出なくなったのは干された訳ではなく、収入減にはなってもマスメデイアの自主規制の範囲では言いたいことが言えないからであるらしく、つまりは誠実さなのだ。
 
映画に出てくる松元さんの日常も誠実さに溢れている。奥さんと電車に乗った時のエピソードに噴出して笑ったし、鹿児島実業高校の同級生の元ドリフの諏訪しんじさんや、高校の恩師との交流にはホロリとした。
映画を観に行く途中で嫌なものを観た。レジ袋やストローでプラスチック製品の削減をしても、ビーチクリーンで海水の掃除をしても、海はプラスチックゴミでいっぱい。ペットボトルや発泡スチロールも規制しないと駄目ですなぁ。
 
テレビに出ない寄席芸人なら貧乏を自虐ネタにしたりもするが、松元さんは「テレビに出なくてもライブでやっていける例をつくらないと」と明るく前向き。誠実で優しく前向きな人。だから好かれるのですナ。
 
この言葉は私の仕事にも当てはまる。神秘的な文言やパワーストーン的な効能を謳わず、他人に買われる前に原石を買い占めなくても、嘘偽りなく誠実にヒスイ製品を作っていれば食っていける」ヒスイ職人にならないと。
 
最後に「テレビに会えない芸人」を鹿児島のテレビ局が映画にした見識と英断にも拍手を贈りたい。
 
 
 

シーカヤックで春の笹川流れをゆったりと奇岩・岩礁・洞窟巡り(前編)

2022年04月17日 08時07分20秒 | 田舎暮らし

シーカヤックで春の笹川流れをゆったりと奇岩・岩礁・洞窟巡り(前編)

山形県境の笹川流れは、周囲に大きな河川がないためか緯度の割に海水温が高く、遠浅の砂浜も明るいサンドベージュをした粗目の石英砂だから、透明度が非常に高い。

また浅い湾に堆積した砂浜と岩場の連続する地形バランスも絶妙で、海岸のすぐ脇を国道が走っているのに、岩場の沖側はテトラポットやコンクリート護岸などの人工物が観えないないから外国の海のようだ。
かといって男鹿半島や竜飛岬のように人を寄せ付けない厳しさはなく、険し過ぎない安心感がある。
 
最も好ましいのは、シーカヤックやSUPでくぐり抜けることのできる大きな海蝕洞(海にできた天然のトンネル)が何か所かあることで、冒険心がくすぐられるのだ。
 
シーカヤックから海底のエイやイカが透けて見えるくらいに透明度が高いので、まるで空を飛んでいるよう。だから素潜り初心者の練習に最適だし、泳ぎが苦手ならライフジャケットと水中メガネさえあれば、海蝕洞の探検もできる。
 
こんな面白い海を「笹川流れシーカヤックセンター」がガイドしてくれる。興味のある人は問合せてみてちょうだい。
 
 

ネット通販より地元の小売店を!・・・古町「北光社」 閉店は街から文化の拠点が失われた日

2022年04月16日 08時13分41秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

江戸時代から続いた新潟市の書店「北光社」の閉店の動画を見つけて涙した。

新潟古町 「北光社」 閉店

出版業界の不況に加え、ネット通販の便利さと引き換えに、文化の殿堂がなくなった哀しい日。

新潟市に住みバックパッカーをしていた20代の頃、北光社の美術コーナーに横尾忠則の新刊の画集が並んでいた。3万円以上もするので購入を諦めたが、近くの女性店員さんに「今は買えないけど、人気のある作家だからいつか再販されますよねぇ・・・」と恐る恐る聞いたら、「画集は再販されることはあまりないのですが、もしよろしければ分割支払いできますよ。」と救いの言葉。
 
耳を疑って詳細を聞いたら、金利無し、定額支払いでもなく、ある時払いの催促なしと夢のような申し出。住所と氏名だけ記入して、財布の中の有り金から食費の2,000円ほど差し引いた8,000円を手付金に画集を買った。
 
初対面の私を信用してくれた店員さんの意気に応え、生まれて初めて家計簿を作って金を捻出し、2か月で完済した。
 
北光社の経営者はよほどに本と人が好きだったのだろう。その気持ちは店員さんにも行き渡っていたから、こんな人間臭い客と店員のやり取りもあったが、ネット通販ではあり得ないできごと。
 
つまりは本屋は文化の拠点、ネット通販は文明の利器。拠点を無くしては文化はどうなるのか?街の彩と潤い、人間臭さと便利さのどちらを選びますか?その選択は我々に委ねられている。
 
我が青春の北光社が2010年に倒産して、古町の彩が失われた。新潟市の映画館は「シネウインド」が頑張っているが、私は本屋と映画館のない街に潤いを感じない。
 
街から文化の拠点が失われる喪失感を味わいたくないから、本は近所の本屋で注文し、絶版本のみネットで古本を買うようにしている。
 
アウトドア衣料は小売店で試着して、家電販売店で説明を聴いた上で、ネット通販で安く購入すると自慢する人がいたが、心が痛まないのだろうか。地元の小売店を大事にしようではないか。本は本屋で買いましょうよ。
 
 
 

ヒスイの庭石、屋根の重し石・・・糸魚川の風景

2022年04月14日 06時59分30秒 | 糸魚川自慢

左端のヒスイっぽい白地に青い模様の庭石を、取りにくる方限定で無料で差し上げます!

高さ60㎝、推定重量40キロくらい。子供の頃から親に連れられてヒスイを拾っていたという知人が、大所川ででかいヒスイ原石を拾った!と持ち込んできたもので、拾った場所と石肌から察するとアルビタイトらしい。

フォッサマグナミュージアムができる前はアルビタイトもヒスイとして扱われており、いまでもヒスイとして売る人もいるくらい紛らわしい鉱物で、姿もいいのでシンボル庭石にいかが?

 
真ん中もアルビタイトらしいが、こちらは親父がどこからか貰ってきたもので、右端は文政2年に建てられた後輩の自宅の屋根の重しになっていたものを託されたもの。この二つは歴史遺産として保管(笑)
 
戦後間もないころまではヒスイが屋根の重しに使われていた歴史があっても現物は残っておらず、例え後輩の親御さんから託された屋根の重し石がヒスイでなくても、「ヒトとヒスイの物語」の歴史遺産だと私は考えている。
 
フォッサマグナミュージアムの学芸員に伝えたら、「そうですかぁ、すごいですねぇ」という興味がなさそうな反応。展示したいと言われたら寄贈するのだけどね。
 
工房増築工事前の大仕事が、でかい庭石の移動。不要なものは海に還えしている。
 
 
 

身の丈に合わせるヤドカリ方式のぬなかわヒスイ工房・・・10年目の節目

2022年04月12日 07時08分09秒 | ぬなかわヒスイ工房

衣装ケースでDIYした研磨機の防塵ケースが10年目で割れた。

使いやすいようにカスタマイズを続けていたから、要塞のように複雑怪奇な構造になっていたので分解に30分を要した。

 
脱ブラスチックで今度は耐水ベニア製。過去9年のアイデアを盛り込んだら、使いやすく・分解掃除しやすい・他の仕事にも応用が利くなどなどといいことづくめ。
以前は衣装ケースの寸法に合わせて、無理な姿勢を強いられていたので肩こりや腰痛にもなったが、今回は私の作業姿勢に合わせて作ったので仕事が楽しい。手前に2枚渡した板がものすごく便利。肘をのせて固定できるので精密な仕事には欠かせないのですネ。
作業棚を外せる分解式にしたので掃除しやすくなった。超小型の勾玉は加工中に飛んでしまうことがあり、以前はどこに飛んだのかと研磨機の裏側や下を探すのが大変だったのだ。
 
最初は3畳間からスタートした工房も、5年目で6畳間に増築と、身の丈に合わせて成長するヤドカリ方式でやってきた。
 
10年やらないと解らないことが沢山あり、ちょうどいい脱皮の節目。
 
今週から念願だった応接間・ショウルーム・体験会会場・休憩所を兼ねた6畳間の増築工事が始まる。もちろんDIYなので、向こう1ケ月は加工を休んで工事に専念する。
 
内装は子供のころから好きだった南国のコロニアルスタイル調にして、ハンモックとシーリングファンは欲しいネ。床は縄文式に三和土の土間。気持ちよく昼寝がでいる部屋にした~い!
 
 

批判しても嫌われない松元ヒロさんの不思議な芸・・・ドキュメンタリー映画「テレビで会えない芸人」

2022年04月11日 06時19分49秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
鹿児島テレビ制作のドキュメンタリー番組「テレビで会えない芸人」の映画版が、上越市の高田世界館で上映!
主人公は絵本「憲法くん」を出版したコメディアンの松元ヒロさん。こちらは鹿児島テレビ制作のテレビ版
 
立川談志は「タケシやタモリをテレビで観るのは文明です。松元ヒロの芸は文化です」「芸人てぇものはお客さんが言いたくても言えないことを代弁するもんだ。今の日本で芸人てぇ言えるのはヒロ、お前だけだ。」と評価。「立川談志を送る会」では、唯一芸を披露した芸人が松元ヒロさん。
 
 
歴代総理のモノマネでその言動を茶化せば、後から自民党議員や官僚から「面白かったです!」と伝えられるという松元さん。辛辣な政治ネタで炎上もせず、嫌われないのはなぜだろう?
ダスティン・ホフマン主演で映画にもなった、伝説的なコメディアンのレニー・ブルースの毒舌漫談とは何がちがうのか?
 
テレビで観ることのできないから、ライブ会場に行くか、映画を観て確かめるしかない。
 
上映;4月16~4月29日 午前10時~11時25分*詳細は高田世界館に問合せしてください
 
 
 

 


万葉歌人が現代のヒスイの値段をみたらどう思うだろうか・・・オルゴナイト勾玉とヒスイ勾玉

2022年04月09日 07時55分30秒 | ぬなかわヒスイ工房
直径6㎜の丸玉を作ってみた。
一般的な丸玉の孔直径は1・5㎜だが、それではブレスレットにしか使えないので、私は勾玉と組み合わせるためと、麻職人からの要望もあって2・5㎜の孔直径に統一している。
 
外径の半分近くが紐孔ということは、球体が扁平っぽくなるということで、縄文晩期くらいから登場し始めるヒスイ製の「臼玉」は、案外、丸玉を意識して作ってはいても穿孔器具が竹管だったので、結果として扁平な丸玉になったのでは?と感じている。
 
工業製品なら丸玉のサイズで値段は違っても、私のような手作りだと作る手間暇は変わらず、小さな丸玉ほど難しくなるから値段の決め方に悩んでしまう。
それは同業者から、普通サイズの半分以下だから値段は半分以下だろ?と言われる勾玉も同様なのだが、その一方で「どうやって作ってるの?」と驚かれたりもするのだ。驚いた技術を価格に反映しようとしないのは何故だろうか?
 
オルゴナイトというプラスチック製の勾玉があって、これが驚くほど高価で売買されていたりもする。ネガティブな波動を改善する効果があるとされ、パワーストーン好きな人やスピリチュアル系の人が喜んで買っているらしい。
 
ネット検索したらプラスチック製の勾玉でも3万円代というのもあった。特殊な技術も道具もいらず、型枠に樹脂となにやらをを流し込んだだけで3万円!原石代と手間暇、高価な加工機械と消耗品を考えるとヒスイなら10万円代で売っても安い理屈になる。
 
要は同じ勾玉でも、ヒスイとプラスチックでは購買層が違うのだが、万葉集に「求めし得し玉かも 拾いて得し玉かも」と詠われた得難いハズのヒスイが、工業製品のような作られ方で薄利多売され続けてきた業界の在り方を見直す時期にあるのではないだろうか。
 
そのことを同業者に力説し続けているのだが、「あんたは芸術家だから」と笑われるだけだ。しかし私はヒスイだから高く売れと言っているのではない。
 
得がたいヒスイを売るなら、それ相応の手間暇をかけて、丁寧に作った勾玉を選んで買ってくれるお客さんを育てましょうよと言っているのだ。万葉歌人が現代のヒスイ勾玉の扱われ方をみたらなんというだろうか?
 
孤軍奮闘にめげそうになりもするが、いつかは私の考え方が主流になる時期が来るまでと踏ん張るしかない。
 
 
 

 

 


ホタルイカを手掴みする話し・・・嗚呼、ホタルイカ狂想曲

2022年04月07日 06時39分13秒 | 田舎暮らし
カモメが海面スレスレを低空飛行しているではないか。浜に降りてみたら、案の定、ホタルイカがあがっている。
 
海岸にうちあがった分はカラスに任せておけばいい。
 
私は磯に移動して、潮だまりを探したらいるわいるわ。
腕まくりして大きな石の隙間に掌を差し込むと、指先に柔らかいものが触れて1回で数匹が獲れた。
 
海水からとり出すとピューと水を吐き出した。掌の中でゴニョニョと動くホタルイカ。
 
我が血肉となる生き物の最後の躍動を掌に感じ、原始の血が蘇る。おれもまた捕食者だ。30分ほどで丼に山盛り1杯分を掴み獲りして、十分に狩猟本能を満たした。
 
淀みを狙った手づかみ漁は、野田知佑さんの本によく出てくる最も原始的な漁法だが、かっての佐渡には沖合に竹束を浮かべ、産卵に近寄ったサンマを手づかみする漁もあったとか。
 
ホタルイカを獲るのにガツガツしたり、釣り具店の口車に乗って発電機や集魚灯などの大仰な道具など買う必要はないのですよ。商魂たくましい釣具店よ、ざまぁみろ!
 
 
 

 


どこの国の兵士にも、我が子の帰りを待ち続ける母親がいる・・・映画「誓いの休暇」

2022年04月05日 06時42分33秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
このごろ1959年公開のソ連映画「誓いの休暇」をしきりに思い出す。
 
まぐれで手柄をたてた少年兵が6日間の特別休暇をもらい、故郷をめざす旅に出る物語。
 
ソ連映画に出てくる兵隊は純朴で、物分かりがいい上官ばかりなのは差し引いて、戦闘場面は冒頭数分だけのこの映画は、戦争の非人道性を余計な説明抜きで描き切り、普遍的な人間ドラマとなっている。
どこの国の兵士にも、我が子の帰りを待ち続ける母親がいる。地味な映画だし有名俳優は出てこないが、この映画のラストシーンは映画史に残る名場面。
 
戦争の大義名分など、この場面だけですべて消し飛んでしまう。
 
 
 

ロシア軍が民家や遺体に地雷を仕掛けてキーウ近郊から撤退?・・・映画「ノーマンズ・ランド」

2022年04月04日 06時21分41秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

ロシア軍が民家や遺体に地雷を仕掛けてキーウ近郊から撤退したとの報道を受け、明らかに民間人を狙った行為に暗澹たる思い。

負傷者の下に対人地雷を仕掛けるトラップは、ボスニア・ヘルチェゴビア戦争を舞台にしたコメディ映画「ノーマンズ・ランド」にも描かれている非人道的行為。
最前線の無人地帯「ノーマンズ・ランド」にただ独り残され、対人地雷の上に寝かせられた負傷兵はどうなるのか?コメディタッチでありながら、内容はシリアスな名画。
 
本当にロシア軍がそんな行為をしたなら、国連常任理事国の正規軍にあるまじき戦争犯罪。戦略的には逆効果といえ、国際的な批判に曝され、ウクライナ側からは恨まれるだけなのだが・・・。